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5章 絆
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「アイヴィス様、どのようなものにしましょうか…」
手を繋いで装飾を見る。
どれも美しい石が使われている。
手に取って構わないと言われゆっくりと見ていく
「目移りしてしまいますね…アイヴィス様の瞳に勝る石はありませんが…」
「セラ…」
言ってしまって照れたセラフィリーアはごまかすように笑みを浮かべた。
どれにしようかなんて呟きながら離れようとした瞬間引き寄せられて抱き締められる。
硬い指先が震えているように見えた。
「アイヴィス様、選んでくれますか?私に似合う石を」
「勿論」
ゆっくりとアイヴィスが深呼吸して重なる指が離れていく。
腰に回された腕はそのままに、並べられた装飾をゆっくりと端から見て、1つのピアスの前でセラフィリーアは足を止めた。
小指の先程の小さな蝶。
クロアゲハだろうか。
これならば、メインでもサブでも使えるだろうと思いながらも、アイヴィスと揃いのものを探そうとした。
「どれがいいでしょうか…アイヴィス様の好みの色はどのような?」
「…青だな。水色もいいが、セラの瞳の色にしたい」
そう言われると悩んでしまうが、ふと見つけたピアスはどうだろうかとアイヴィスに聞く。
それは珍しいデザインのもので、あまり大きくはないフープ状のものだが、少し幅のある平たい金属を台座にして、表面にはクロスをするように2色の小さな石が線を描きながら並べられていた。
「アイヴィス様、青と水色ですよ、いかがですか?」
「いいな。だが同じデザインは無いだろう?」
「アイヴィス様がこれでいいなら同じデザインを作って貰えばいいのですよ。
それに、ペンダントトップに同じデザインを施せば公的な場所に着けても行けますし…」
「ならば、急ぎで作らせるのと、ペンダントは私からセラに送ろう」
ピアスと同じデザインをと、アイヴィスは宝石商を呼んでデザインを伝えると、急いでと宝石商は自分の工房に向けて手紙を書いていた。
その宝石商にセラフィリーアは声を掛け、今持っているイヤリングを可能ならピアスに切り替えたいと話を持ち掛ける。
できる限りと頷いた宝石商に今度、納品時に取りに来るように頼み、セラフィリーアはほかのピアスも見ていく。
綺麗な輝きに見ているだけで楽しくなってしまう。
端からすべてを見終わると、やはり先程の蝶が気になるのか戻ってそれを手にする。
値札の無い買い物だが、騎士の給料だけで買えるのだろうか。
「それも、気に入ったか?」
「はい。可愛らしいので…本当は此処に着けたら可愛いでしょうが、穴を開けるのが怖いので」
自分の耳の一番高い部分に触れながらそういうと、アイヴィスの指が同じ場所を触る。確かになと頷くとアイヴィスが包んでくれと宝石商に頼む。
「あのっ!アイヴィス様…それは自分で!」
「私が買う。セラを飾るもの全ては私が用意したいのだ。許してくれ」
頼み事をする言葉にセラフィリーアは驚きながら、それ以上は何も言えずありがとうございますと微笑んだ。
手を繋いで装飾を見る。
どれも美しい石が使われている。
手に取って構わないと言われゆっくりと見ていく
「目移りしてしまいますね…アイヴィス様の瞳に勝る石はありませんが…」
「セラ…」
言ってしまって照れたセラフィリーアはごまかすように笑みを浮かべた。
どれにしようかなんて呟きながら離れようとした瞬間引き寄せられて抱き締められる。
硬い指先が震えているように見えた。
「アイヴィス様、選んでくれますか?私に似合う石を」
「勿論」
ゆっくりとアイヴィスが深呼吸して重なる指が離れていく。
腰に回された腕はそのままに、並べられた装飾をゆっくりと端から見て、1つのピアスの前でセラフィリーアは足を止めた。
小指の先程の小さな蝶。
クロアゲハだろうか。
これならば、メインでもサブでも使えるだろうと思いながらも、アイヴィスと揃いのものを探そうとした。
「どれがいいでしょうか…アイヴィス様の好みの色はどのような?」
「…青だな。水色もいいが、セラの瞳の色にしたい」
そう言われると悩んでしまうが、ふと見つけたピアスはどうだろうかとアイヴィスに聞く。
それは珍しいデザインのもので、あまり大きくはないフープ状のものだが、少し幅のある平たい金属を台座にして、表面にはクロスをするように2色の小さな石が線を描きながら並べられていた。
「アイヴィス様、青と水色ですよ、いかがですか?」
「いいな。だが同じデザインは無いだろう?」
「アイヴィス様がこれでいいなら同じデザインを作って貰えばいいのですよ。
それに、ペンダントトップに同じデザインを施せば公的な場所に着けても行けますし…」
「ならば、急ぎで作らせるのと、ペンダントは私からセラに送ろう」
ピアスと同じデザインをと、アイヴィスは宝石商を呼んでデザインを伝えると、急いでと宝石商は自分の工房に向けて手紙を書いていた。
その宝石商にセラフィリーアは声を掛け、今持っているイヤリングを可能ならピアスに切り替えたいと話を持ち掛ける。
できる限りと頷いた宝石商に今度、納品時に取りに来るように頼み、セラフィリーアはほかのピアスも見ていく。
綺麗な輝きに見ているだけで楽しくなってしまう。
端からすべてを見終わると、やはり先程の蝶が気になるのか戻ってそれを手にする。
値札の無い買い物だが、騎士の給料だけで買えるのだろうか。
「それも、気に入ったか?」
「はい。可愛らしいので…本当は此処に着けたら可愛いでしょうが、穴を開けるのが怖いので」
自分の耳の一番高い部分に触れながらそういうと、アイヴィスの指が同じ場所を触る。確かになと頷くとアイヴィスが包んでくれと宝石商に頼む。
「あのっ!アイヴィス様…それは自分で!」
「私が買う。セラを飾るもの全ては私が用意したいのだ。許してくれ」
頼み事をする言葉にセラフィリーアは驚きながら、それ以上は何も言えずありがとうございますと微笑んだ。
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