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5章 絆
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「セラ、もう終わりだ」
耳朶に触られ、パチンと音がしたが、思った痛みはなくむしろふわりと耳朶が温かく感じていた。
「もう、ですか?」
きょとんとしていると、ローエンが手鏡を渡してくれる。
セラフィリーアの耳朶には左右1つずつ金属が通っていた。
「えぇ、丁度綺麗に見える位置に開いています。痛いとかはありますか?」
いつでも魔法を掛けられるようにしているのか、ローエンが聞いてくる。
「大丈夫です、もしアレルギーが出たらお願いします」
大丈夫だろうけれど、以前は珍しいゴールドのアレルギー持ちだったが、こちらではゴールドを着けても問題は無かったため気にしていなかったのだが、アイヴィスもローエンも不思議そうにセラフィリーアを見ていた。
「あれるぎーとは?」
「えぇと、私も詳しくは知らないのですが、金属の種類によって触れた皮膚が腫れ上がったりする身体の反応のことです。私は純金でない金に少し反応したことがありますが」
そう説明すると、ローエンが食いつくように質問をしてくる。治療術師は医者も兼ねるのだろう。あまり医療に詳しくないために嘘を教えるわけにもいかないし、聞き齧っただけの知識を伝えると、何故かアイヴィスも気にしているようだった。
「金も銀、銅などと混ぜて宝飾にしますが、私たちの汗と混ぜた鉱物が反応して傷口に触れた場合、アレルギー反応で…腫れたり爛れたりするのだったかな…なので、傷があるためネックレスよりもピアスで反応する人が多いと聞きます」
「セラは博識だな…ファレナスではそうなのか?」
静かに聞いていたアイヴィスが口を開く。
「可能な範囲で構わないから、セラの持っている知識をくれないか?まだまだ知らないことが多いのだ…」
「はい、私が知っていることならいくらでも。私も飛竜のことを教わっていますし…宜しくお願いします。
さて、アイヴィス様の耳もホールを開けましょう?」
「あぁ、終わったら次はピアス選びだな…続きの間に宝石商を呼んでいる」
アイヴィスがちらりと隣の応接間に続く扉を見る。
「あ、アイヴィス様…ピアスホールを増やしても構いませんか?もう2つバランスを良く左に増やしたいのですが…」
「左に3つ…か?なかなか複数開ける人はいないが…セラのことだからな…構わないが」
アイヴィスに許可を貰うと、セラフィリーアは笑う。
常にアイヴィスの色である黒を身に付けたいが、服とのバランスもあるため、複数のホールを作りたいのだと告げた。
自分は流石に耳朶以外は怖くて開けられないが、耳の軟骨に開けるひともいるのだと伝える。
気に入ったピアスがあるといいなとセラフィリーアは思った。
耳朶に触られ、パチンと音がしたが、思った痛みはなくむしろふわりと耳朶が温かく感じていた。
「もう、ですか?」
きょとんとしていると、ローエンが手鏡を渡してくれる。
セラフィリーアの耳朶には左右1つずつ金属が通っていた。
「えぇ、丁度綺麗に見える位置に開いています。痛いとかはありますか?」
いつでも魔法を掛けられるようにしているのか、ローエンが聞いてくる。
「大丈夫です、もしアレルギーが出たらお願いします」
大丈夫だろうけれど、以前は珍しいゴールドのアレルギー持ちだったが、こちらではゴールドを着けても問題は無かったため気にしていなかったのだが、アイヴィスもローエンも不思議そうにセラフィリーアを見ていた。
「あれるぎーとは?」
「えぇと、私も詳しくは知らないのですが、金属の種類によって触れた皮膚が腫れ上がったりする身体の反応のことです。私は純金でない金に少し反応したことがありますが」
そう説明すると、ローエンが食いつくように質問をしてくる。治療術師は医者も兼ねるのだろう。あまり医療に詳しくないために嘘を教えるわけにもいかないし、聞き齧っただけの知識を伝えると、何故かアイヴィスも気にしているようだった。
「金も銀、銅などと混ぜて宝飾にしますが、私たちの汗と混ぜた鉱物が反応して傷口に触れた場合、アレルギー反応で…腫れたり爛れたりするのだったかな…なので、傷があるためネックレスよりもピアスで反応する人が多いと聞きます」
「セラは博識だな…ファレナスではそうなのか?」
静かに聞いていたアイヴィスが口を開く。
「可能な範囲で構わないから、セラの持っている知識をくれないか?まだまだ知らないことが多いのだ…」
「はい、私が知っていることならいくらでも。私も飛竜のことを教わっていますし…宜しくお願いします。
さて、アイヴィス様の耳もホールを開けましょう?」
「あぁ、終わったら次はピアス選びだな…続きの間に宝石商を呼んでいる」
アイヴィスがちらりと隣の応接間に続く扉を見る。
「あ、アイヴィス様…ピアスホールを増やしても構いませんか?もう2つバランスを良く左に増やしたいのですが…」
「左に3つ…か?なかなか複数開ける人はいないが…セラのことだからな…構わないが」
アイヴィスに許可を貰うと、セラフィリーアは笑う。
常にアイヴィスの色である黒を身に付けたいが、服とのバランスもあるため、複数のホールを作りたいのだと告げた。
自分は流石に耳朶以外は怖くて開けられないが、耳の軟骨に開けるひともいるのだと伝える。
気に入ったピアスがあるといいなとセラフィリーアは思った。
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