【BL】転生したら獣人の世界で何故か肉食獣に愛されています。

梅花

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本編

642話

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「シャーラ、見て。俺が作ったリエラとシャーラのてるてるぼうずだよ」
部屋の窓を開け放ち、窓に届くほど大きくなった一番高い場所にある枝に向かって俺はバルコニーから手を伸ばした。
二階の窓に届くくらいの大きさまでぐんぐんと成長を続けるシャーラ。
その枝が小さく揺れた。
風もないのにまるで会話をするようなシャーラに、俺はそっと指先で触れようとして後ろから抱き締められた。
「危ねぇぞ」
リルの甘い声が耳朶をくすぐる。
「大丈夫なのに」
「危ねぇの」
「はーい」
抱きしめられて俺はクスクス笑ってしまう。
「シャーラ、ルイくんが帰ったらこのてるてるぼうずを何処かの枝に下げてもいい?」
リボン以外を結ぶのはダメかなと思ったが、シャーラは葉を震わせる。
それがまるで俺には喜んでいるように見えた。
「俺の世界だとてるてるぼうずは紙で作るから濡れると溶けて崩れちゃうけど……こっちは布で作ってあるから濡れても大丈夫かな……あ、そうだ……リルちょっと離して?」
俺は指を組むリルの手の甲をそっと撫でるとリルはしぶしぶと俺を解放してくれる。
「ありがとう、ねぇちょっとこっちに来て」
俺はさっきまで使っていた裁縫箱を開くと、残っていた黒いリボンを手にしてから、リエラのてるてるぼうずの首元にリボンを巻いて可愛らしくちょうちょ結びをして見せた。
「女の子だから可愛くしてあげたいかなって、どうかなぁ……それと、リエラの傍で写真を撮りたいな」
「いいな、親父がまだ抱いてんだろ」
子供たちがルーファスさんとミトさんを探しに行ったから、リビングには来るだろうと俺たちはスマホを持って階下に降りる。
すると、リエラを抱いたルーファスさんたちと廊下で出会う。
「お父さん、もし良かったらリエラを中心に写真を撮らせてくれませんか?このてるてるぼうずを抱かせてあげたいんです」
そう言うと、写真を撮ったことのあるルーファスさんたちは頷いた。
「レヴィはいない……かな、後でいいか。良かったらシャーラの下でいかがですか?」
「いいわよ、いきましょ。可愛いてるてるぼうずね」
リエラのリボンに気付いたミトさんがそう言っててるてるぼうずをちょんと指先でつついた。
「女の子らしく可愛くリボンを結んでみたんです」
「いいわね!アタシのてるてるぼうずもあるんでしょ?結んで欲しいわ!」
ミトさんは乗り気だ。
「いいな、ミトも可愛い」
素直にそうミトさんを褒めるルーファスさんが微笑ましく、俺は何色のリボンにするか悩んでしまう。
「もし、お母さんの好きな色のリボンがあれば……いいよねライ」
「うん!」
ミトさんのてるてるぼうずを作ったのはライのため、ライにそう断りをいれると、ライも嬉しそうに笑う。
「ばぁば、きれいになるのー?」
そう言いながらミトさんに抱っこをせがむルスとライを軽々と両腕に抱き上げるミトさん。
そうだった、ミトさんも獣人だから力持ちなのだ。
俺はそれを見上げながら、リルとルイと手を繋いでシャーラの木の下に向かうのだった。
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