650 / 680
本編
654話
しおりを挟む
「ほら」
レヴィが差し出したのは一式の服。
それをルイの父親は受け取ると、その着替えをラディットが手伝う。
父親に抱きつくルイは全裸で脱いだ服は無くなっていた。
「レヴィ、ルイくんが風邪をひくといけないから、何か」
俺が声を張り上げると、ネイサンが慌てて馬車からタオルと着替えを取り出していた。
俺は双子とリエラがいるので動けなかったが、リエラを抱きながら立ち上がって頭を下げた。
ルイの父親は長い黒髪の美丈夫だった。
見た目はとても整っていた。
黒い髪は遠くからでもわかる見慣れた色のためとても落ち着く色。
「獣人はどうして美形揃いなんだろう……狡いよな」
そんな事を呟いていると、ルイ達の後ろからひとり、これまた美丈夫が水から上がってくる。
あれは誰だろうと思っているとリルが傍にいた。
「リクト」
「リル……どうしたの?」
「いや、レヴィに任せたから、俺はこっち」
ひょいっとリエラを抱き上げると、リエラにやーと拒否されるリル。
へにょりと眉が下がるのがおかしくて、つい俺は笑ってしまった。
すると、双子が俺の膝に足を掛ける。
『ママ、どうかした?』
くびを傾げたルスに、なんでもないよと頭を撫でてやる。
スリッスリッと頭を擦り寄せてくるルスに、大きな猫だなと思いながらもライの頭も撫でていると、何やらレヴィがこちらを向くと、ルイの父親ともう一人がゆっくりこちらに近付いてきた。
リルがリエラを抱いたまま立ち上がり、俺もそれに習った。
「はじめまして、ルイの父でルカと、申します。息子がお世話になりました」
頭を下げてきたルカさん。
「ルイくん、とても大人しくて良い子でしたよ。ご心配があったかとは思いますが……まずは抱きしめてあげてください。そして、良かったら俺たちの家で少しゆっくりしてください。身体は冷えていませんか?あたたかいお風呂がありますからどうぞ」
俺はリルを見上げると、リルは構わないと頷いてくれた。
ラディットさんが、お支度ができましたら馬車へと促してくれ俺は座っていたシートを畳み片付け始めると二台の馬車にそれぞれわかれて乗った。
俺の馬車は狭かったが、例のごとくリルの膝に座らされ、レヴィの膝にはリエラが抱かれている。
ルスとライは反対側のシートに人型に戻り座っていた。
そして、もう一台にルイ親子と従者。
ラディットさんとネイさんは御者台に座り自宅へと向かうのだった。
レヴィが差し出したのは一式の服。
それをルイの父親は受け取ると、その着替えをラディットが手伝う。
父親に抱きつくルイは全裸で脱いだ服は無くなっていた。
「レヴィ、ルイくんが風邪をひくといけないから、何か」
俺が声を張り上げると、ネイサンが慌てて馬車からタオルと着替えを取り出していた。
俺は双子とリエラがいるので動けなかったが、リエラを抱きながら立ち上がって頭を下げた。
ルイの父親は長い黒髪の美丈夫だった。
見た目はとても整っていた。
黒い髪は遠くからでもわかる見慣れた色のためとても落ち着く色。
「獣人はどうして美形揃いなんだろう……狡いよな」
そんな事を呟いていると、ルイ達の後ろからひとり、これまた美丈夫が水から上がってくる。
あれは誰だろうと思っているとリルが傍にいた。
「リクト」
「リル……どうしたの?」
「いや、レヴィに任せたから、俺はこっち」
ひょいっとリエラを抱き上げると、リエラにやーと拒否されるリル。
へにょりと眉が下がるのがおかしくて、つい俺は笑ってしまった。
すると、双子が俺の膝に足を掛ける。
『ママ、どうかした?』
くびを傾げたルスに、なんでもないよと頭を撫でてやる。
スリッスリッと頭を擦り寄せてくるルスに、大きな猫だなと思いながらもライの頭も撫でていると、何やらレヴィがこちらを向くと、ルイの父親ともう一人がゆっくりこちらに近付いてきた。
リルがリエラを抱いたまま立ち上がり、俺もそれに習った。
「はじめまして、ルイの父でルカと、申します。息子がお世話になりました」
頭を下げてきたルカさん。
「ルイくん、とても大人しくて良い子でしたよ。ご心配があったかとは思いますが……まずは抱きしめてあげてください。そして、良かったら俺たちの家で少しゆっくりしてください。身体は冷えていませんか?あたたかいお風呂がありますからどうぞ」
俺はリルを見上げると、リルは構わないと頷いてくれた。
ラディットさんが、お支度ができましたら馬車へと促してくれ俺は座っていたシートを畳み片付け始めると二台の馬車にそれぞれわかれて乗った。
俺の馬車は狭かったが、例のごとくリルの膝に座らされ、レヴィの膝にはリエラが抱かれている。
ルスとライは反対側のシートに人型に戻り座っていた。
そして、もう一台にルイ親子と従者。
ラディットさんとネイさんは御者台に座り自宅へと向かうのだった。
370
あなたにおすすめの小説
【本編完結】転生したら、チートな僕が世界の男たちに溺愛される件
表示されませんでした
BL
ごく普通のサラリーマンだった織田悠真は、不慮の事故で命を落とし、ファンタジー世界の男爵家の三男ユウマとして生まれ変わる。
病弱だった前世のユウマとは違い、転生した彼は「創造魔法」というチート能力を手にしていた。
この魔法は、ありとあらゆるものを生み出す究極の力。
しかし、その力を使うたび、ユウマの体からは、男たちを狂おしいほどに惹きつける特殊なフェロモンが放出されるようになる。
ユウマの前に現れるのは、冷酷な魔王、忠実な騎士団長、天才魔法使い、ミステリアスな獣人族の王子、そして実の兄と弟。
強大な力と魅惑のフェロモンに翻弄されるユウマは、彼らの熱い視線と独占欲に囲まれ、愛と欲望が渦巻くハーレムの中心に立つことになる。
これは、転生した少年が、最強のチート能力と最強の愛を手に入れるまでの物語。
甘く、激しく、そして少しだけ危険な、ユウマのハーレム生活が今、始まる――。
本編完結しました。
続いて閑話などを書いているので良かったら引き続きお読みください
記憶を無くしたら家族に愛されました
レン
BL
リオンは第三王子で横暴で傲慢で侍女や執事が少しでも気に入らなかったら物を投げたり怒鳴ったりする。家族の前でも態度はあまり変わらない…
家族からも煩わしく思われたていて嫌われていた… そんなある日階段から落ちて意識をなくした…数日後目を覚ましたらリオンの様子がいつもと違くて…
喪女なのに狼さんたちに溺愛されています
和泉
恋愛
もふもふの狼がイケメンなんて反則です!
聖女召喚の儀で異世界に呼ばれたのはOL・大学生・高校生の3人。
ズボンを履いていた大学生のヒナは男だと勘違いされ、説明もないまま城を追い出された。
森で怪我をした子供の狼と出会ったヒナは狼族の国へ。私は喪女なのに狼族の王太子、No.1ホストのような武官、真面目な文官が近づいてくるのはなぜ?
ヒナとつがいになりたい狼達の恋愛の行方は?聖女の力で国同士の争いは無くすことができるのか。
料理スキルで完璧な料理が作れるようになったから、異世界を満喫します
黒木 楓
恋愛
隣の部屋の住人というだけで、女子高生2人が行った異世界転移の儀式に私、アカネは巻き込まれてしまう。
どうやら儀式は成功したみたいで、女子高生2人は聖女や賢者といったスキルを手に入れたらしい。
巻き込まれた私のスキルは「料理」スキルだけど、それは手順を省略して完璧な料理が作れる凄いスキルだった。
転生者で1人だけ立場が悪かった私は、こき使われることを恐れてスキルの力を隠しながら過ごしていた。
そうしていたら「お前は不要だ」と言われて城から追い出されたけど――こうなったらもう、異世界を満喫するしかないでしょう。
【8話完結】俺は推しじゃない!ただの冒険者だ!
キノア9g
BL
ごく普通の中堅冒険者・イーサン。
今日もほどほどのクエストを探しにギルドを訪れたところ、見慣れない美形の冒険者・アシュレイと出くわす。
最初は「珍しい奴がいるな」程度だった。
だが次の瞬間──
「あなたは僕の推しです!」
そう叫びながら抱きついてきたかと思えば、つきまとう、語りかける、迫ってくる。
挙句、自宅の前で待ち伏せまで!?
「金なんかねぇぞ!」
「大丈夫です! 僕が、稼ぎますから!」
平穏な日常をこよなく愛するイーサンと、
“推しの幸せ”のためなら迷惑も距離感も超えていく超ポジティブ転生者・アシュレイ。
愛とは、追うものか、追われるものか。
差し出される支援、注がれる好意、止まらぬ猛アプローチ。
ふたりの距離が縮まる日はくるのか!?
強くて貢ぎ癖のあるイケメン転生者 × 弱めで普通な中堅冒険者。
異世界で始まる、ドタバタ&ちょっぴり胸キュンなBLコメディ、ここに開幕!
全8話
捨てられた生贄オメガ、魔王城で極上の『巣作り』始めます!~不眠症の魔王様、私のクッションで爆睡して溺愛モードに突入~
水凪しおん
BL
「役立たずのオメガ」として冷遇され、血も涙もない魔王への生贄として捨てられたリノ。
死を覚悟して連れてこられた魔王城は、寒くて硬くて、居住性最悪のブラック環境だった!?
「こんなところで寝られるか!」
極限状態で発動したオメガ特有の『巣作り本能』と、神業レベルの裁縫スキルが火を噴く!
ゴミ同然の布切れをフカフカのクッションに、冷たい石床を極上のラグマットにリフォーム。
すると、不眠症で常にイライラしていた魔王ザルドリスが、リノの作った「巣」のあまりの快適さに陥落してしまい……?
「……貴様、私を堕落させる気か」
(※いいえ、ただ快適に寝たいだけです)
殺されるどころか、魔王様に気に入られ、気付けば城中がリノの虜に。
捨てられた生贄オメガが、裁縫一つで魔王城を「世界一のマイホーム」に変える、ほのぼの逆転溺愛ファンタジー!
売れ残りの神子と悪魔の子
のらねことすていぬ
BL
神子として異世界トリップしてきた元サラリーマン呉木(くれき)。この世界では神子は毎年召喚され、必ず騎士に「貰われて」その庇護下に入る、まるで結婚のような契約制度のある世界だった。だけど呉木は何年経っても彼を欲しいという騎士が現れなかった。そんな中、偶然美しい少年と出会い彼に惹かれてしまうが、彼はとても自分には釣り合わない相手で……。
※年下王子×おじさん神子
転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました
桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。
言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。
しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。
──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。
その一行が、彼の目に留まった。
「この文字を書いたのは、あなたですか?」
美しく、完璧で、どこか現実離れした男。
日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。
最初はただの好奇心だと思っていた。
けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。
彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。
毎日19時に更新予定です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる