【BL】転生したら獣人の世界で何故か肉食獣に愛されています。

梅花

文字の大きさ
657 / 680
本編

661話

しおりを挟む
「わぁ!」
 リルが足を止めた先には幻想的な風景が広がっていた。
『満月になりゃもっと咲くんだろうけどな』
森をわけ入り進んだ先にあったのは小さな空間。
下に生えた草の中に白く小さな花がいくつも咲いていた。
星のような五枚の花弁。
草の中に月の光を受けて浮かび上がるように見えた。
「綺麗だね。凄い……初めて見たかも?」
俺はリルにありがとうと背中から下りてキスをする。
すると、リルはその場で獣化を解いた。
「わ、リル!」
いきなりの全裸に慌てて俺は顔を背けながらインベントリーから服を取り出した。
「見慣れてンだろうに……いつまでもリクトは初々しいな」
「そうだな」
聞きなれた低音ボイスはレヴィだ。
「もう、レヴィも……風邪引くよ」
二人にぐいぐいと服を押し付けて、俺はできるだけ二人を見ないようにして視線を落としていたが、二人が服を着る様子はない……ない?
「え?」
「リクトも少し寒いかもしれねぇけど、脱げそうならそのままこっち来いよ。気持ちいいんだぜ?」
グイッとリルに手を引かれて俺は花の上に倒れ込む。
花が潰れると思った瞬間、グイッと下から押し上げられる感触に驚いた。
「え、何!?」
力強い感触に俺は掌で葉に触れた。
「凄い、ベッドみたいだ」
隙間なくみっしりと葉を広げた花は驚く感触をしていた。
「はは、面白ぇだろ?」
ゴロゴロとリルが花の上を転がってみると、その白く発光していた花がふわりと一瞬閉じてから直ぐに開くと色が変化した。
「こんな花は初めて」
俺は年甲斐もなくはしゃいでしまった。
「ピンクだ。これも綺麗だね」
俺は何気なくそう口にすると、リルとレヴィが何やら顔を見合せてにやりと笑う。
「へえー……ピンクかぁリクトありがとうな」
ご満悦なリルはひとつの花を摘み取ると俺に渡してくる。
えっ!?と思いながら受け取ると、ピンクが少し濃くなった気がした。
「この花は、恋人や伴侶との愛情が色になるのと、口に含むと少しの催淫作用がある」
「さっ、催淫作用!?」
手にしていた花をリルに返し、俺は大丈夫だろうかと手を握る。
「出来ればリクトにこの花を噛んで欲しい……」
「子供たちもいねぇし、いいだろ?」
ふたりに挟まれて俺はどうしていいかわからない。
「ここ、外……だよ」
引っ掛かるのはそれだけでリルとレヴィは愛しているのだ。
「夜だからわからねぇって……くしゅ」
リルが盛大にくしゃみをすると、二人が半裸なのを俺は漸く思い出した。
しおりを挟む
感想 238

あなたにおすすめの小説

記憶を無くしたら家族に愛されました

レン
BL
リオンは第三王子で横暴で傲慢で侍女や執事が少しでも気に入らなかったら物を投げたり怒鳴ったりする。家族の前でも態度はあまり変わらない… 家族からも煩わしく思われたていて嫌われていた… そんなある日階段から落ちて意識をなくした…数日後目を覚ましたらリオンの様子がいつもと違くて…

【本編完結】転生したら、チートな僕が世界の男たちに溺愛される件

表示されませんでした
BL
ごく普通のサラリーマンだった織田悠真は、不慮の事故で命を落とし、ファンタジー世界の男爵家の三男ユウマとして生まれ変わる。 病弱だった前世のユウマとは違い、転生した彼は「創造魔法」というチート能力を手にしていた。 この魔法は、ありとあらゆるものを生み出す究極の力。 しかし、その力を使うたび、ユウマの体からは、男たちを狂おしいほどに惹きつける特殊なフェロモンが放出されるようになる。 ユウマの前に現れるのは、冷酷な魔王、忠実な騎士団長、天才魔法使い、ミステリアスな獣人族の王子、そして実の兄と弟。 強大な力と魅惑のフェロモンに翻弄されるユウマは、彼らの熱い視線と独占欲に囲まれ、愛と欲望が渦巻くハーレムの中心に立つことになる。 これは、転生した少年が、最強のチート能力と最強の愛を手に入れるまでの物語。 甘く、激しく、そして少しだけ危険な、ユウマのハーレム生活が今、始まる――。 本編完結しました。 続いて閑話などを書いているので良かったら引き続きお読みください

喪女なのに狼さんたちに溺愛されています

和泉
恋愛
もふもふの狼がイケメンなんて反則です! 聖女召喚の儀で異世界に呼ばれたのはOL・大学生・高校生の3人。 ズボンを履いていた大学生のヒナは男だと勘違いされ、説明もないまま城を追い出された。 森で怪我をした子供の狼と出会ったヒナは狼族の国へ。私は喪女なのに狼族の王太子、No.1ホストのような武官、真面目な文官が近づいてくるのはなぜ? ヒナとつがいになりたい狼達の恋愛の行方は?聖女の力で国同士の争いは無くすことができるのか。

料理スキルで完璧な料理が作れるようになったから、異世界を満喫します

黒木 楓
恋愛
 隣の部屋の住人というだけで、女子高生2人が行った異世界転移の儀式に私、アカネは巻き込まれてしまう。  どうやら儀式は成功したみたいで、女子高生2人は聖女や賢者といったスキルを手に入れたらしい。  巻き込まれた私のスキルは「料理」スキルだけど、それは手順を省略して完璧な料理が作れる凄いスキルだった。  転生者で1人だけ立場が悪かった私は、こき使われることを恐れてスキルの力を隠しながら過ごしていた。  そうしていたら「お前は不要だ」と言われて城から追い出されたけど――こうなったらもう、異世界を満喫するしかないでしょう。

捨てられた生贄オメガ、魔王城で極上の『巣作り』始めます!~不眠症の魔王様、私のクッションで爆睡して溺愛モードに突入~

水凪しおん
BL
「役立たずのオメガ」として冷遇され、血も涙もない魔王への生贄として捨てられたリノ。 死を覚悟して連れてこられた魔王城は、寒くて硬くて、居住性最悪のブラック環境だった!? 「こんなところで寝られるか!」 極限状態で発動したオメガ特有の『巣作り本能』と、神業レベルの裁縫スキルが火を噴く! ゴミ同然の布切れをフカフカのクッションに、冷たい石床を極上のラグマットにリフォーム。 すると、不眠症で常にイライラしていた魔王ザルドリスが、リノの作った「巣」のあまりの快適さに陥落してしまい……? 「……貴様、私を堕落させる気か」 (※いいえ、ただ快適に寝たいだけです) 殺されるどころか、魔王様に気に入られ、気付けば城中がリノの虜に。 捨てられた生贄オメガが、裁縫一つで魔王城を「世界一のマイホーム」に変える、ほのぼの逆転溺愛ファンタジー!

売れ残りの神子と悪魔の子

のらねことすていぬ
BL
神子として異世界トリップしてきた元サラリーマン呉木(くれき)。この世界では神子は毎年召喚され、必ず騎士に「貰われて」その庇護下に入る、まるで結婚のような契約制度のある世界だった。だけど呉木は何年経っても彼を欲しいという騎士が現れなかった。そんな中、偶然美しい少年と出会い彼に惹かれてしまうが、彼はとても自分には釣り合わない相手で……。 ※年下王子×おじさん神子

処刑前夜に逃亡した悪役令嬢、五年後に氷の公爵様に捕まる〜冷徹旦那様が溺愛パパに豹変しましたが私の抱いている赤ちゃん実は人生2周目です〜

放浪人
恋愛
「処刑されるなんて真っ平ごめんです!」 無実の罪で投獄された悪役令嬢レティシア(中身は元社畜のアラサー日本人)は、処刑前夜、お腹の子供と共に脱獄し、辺境の田舎村へ逃亡した。 それから五年。薬師として穏やかに暮らしていた彼女のもとに、かつて自分を冷遇し、処刑を命じた夫――「氷の公爵」アレクセイが現れる。 殺される!と震えるレティシアだったが、再会した彼は地面に頭を擦り付け、まさかの溺愛キャラに豹変していて!? 「愛しているレティシア! 二度と離さない!」 「(顔が怖いです公爵様……!)」 不器用すぎて顔が怖い旦那様の暴走する溺愛。 そして、二人の息子であるシオン(1歳)は、実は前世で魔王を倒した「英雄」の生まれ変わりだった! 「パパとママは僕が守る(物理)」 最強の赤ちゃんが裏で暗躍し、聖女(自称)の陰謀も、帝国の侵略も、古代兵器も、ガラガラ一振りで粉砕していく。

転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました

桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。 言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。 しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。 ──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。 その一行が、彼の目に留まった。 「この文字を書いたのは、あなたですか?」 美しく、完璧で、どこか現実離れした男。 日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。 最初はただの好奇心だと思っていた。 けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。 彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。 毎日19時に更新予定です。

処理中です...