10 / 696
本編
13・14話
リルが、残念そうに俺の背中から離れると、レヴィがひょっこりとキッチンに顔を出した。
「いい匂い……だな」
フンフンと鼻を動かす姿は蜂蜜を探す熊を想像して、ちょっと笑える。
大きい男の人なのに可愛いのは、ピクビクッと動く耳があるからかな。
「明日の朝のスープだよ。ふたりとも味見してみる?口に合えばいいんだけど」
「おう」
「あぁ」
返事をしたふたりに小さな皿を用意して、芋の欠片とソーセージをのせてから渡してやる。
熱いの大丈夫かなと心配になったが、その辺りは大丈夫なようだ。
何だか今まで扱ってきた動物とは全く違うものと考えなければいけないかなぁ何て思っていると、ソーセージを飲み込んだレヴィがおかわりをしたそうに皿を持っている。
うわぁ……ごはん頂戴!って、フード入れを咥えてねだるショップのわんこみたい!いや、熊だけど。
リルもお皿を手に待っていてなんだこの可愛いのは。
自分より大きな獣人がとても可愛くて、俺はクスクス笑いながら代替案を提示した。
「明日の朝ごはん、スープが無くていいならおかわりどうぞ?それか、コンソメや野菜が今から買えるなら追加するけど?」
「なら、買いに行ってくる」
リルが手を上げると、これから野菜などを買いに行ってくると言う。
何を買えばいいんだ?と、聞かれても、こちらの野菜はよくわからないし、スープに入れると言えば、店員が選んでくれるだろうとおつかいをお願いした。
「レヴィは、リルが戻ってくる前までに髪を乾かそうか。ちょっと座って」
風呂上がりで少し濡れたレヴィの髪が気になった俺はレヴィをダイニングチェアに座らせると、レヴィの髪をタオルで拭いていく。
敏感な部分だろう丸い耳はそっと優しく拭いてから少し硬めの茶髪を丁寧に拭き上げると満足した。
それから暫くして玄関の扉が開いた音がしてリルが帰ってきた。
「リクト、これでいいか?」
帰ってきたリルの腕の中にあったのは、大量の野菜。
箱に詰められたそれは、びっくりするくらいの量があった。
「うん、ありがとう……こんなに沢山重かったよね?」
リルを労うと、大丈夫とにこりと笑ってくれて、これでスープおかわりできるか?と、聞いてくる。
ちゃんとコンソメっぽいものの在庫があるから大丈夫と伝えると、ふたりが深めのお皿を持ってくる。
温めるから待ってと鍋に火を入れる。
「どうぞ?」
ふたりの皿にたっぷりとスープをよそってから、俺は新しい鍋を出して野菜たっぷりのスープを作る。
こちらはベーコンも刻んで入れて、コンソメを少なくしてみる。
コトコトと弱火で煮込むととろとろになった玉葱とか美味しいよね。
ふんふんと鍋の中を掻き混ぜていると
「おかわり!」
と、リルが皿を出してくる。
んんっ!?いや、さっきよそったばっかりだろ?
と言うか、夕飯食べてからそんなに経ってないのにまだ食えるの?
リルさん食欲凄いな。
「俺も欲しい……」
レヴィさんもですか!?
いいよいいよ、新しく作ったし、明日の朝のスープはあるから。
ふふ、これも一緒に食うがいい!
買ってきてそのままになっていたバゲットを切ってチーズを乗せて焼いたやつ。
カリカリに焼いたから、スープに浸けて食べたら美味いと思う。
くらえカロリー爆弾!
このくらいならふたりならカロリー消費するのはすぐだろうと思い皿に乗せて差し出した。
「うまっ!!」
「うむっ」
ザクザクとバゲットを食べていくふたり。
ちょっと待って、何で大きめのバゲット半分近く焼いたのがもう無いの。
残ったバゲットに黒胡椒を振って味を変えると、ふたりにもっと食べたい表情で見詰められる。
残りのバゲット焼きますか。
ついでだから厚切りベーコンとピーマンもどきも乗せて焼こう。
と言うか、この食べたカロリーはどこに消えるのか。
ふたりともがっちりマッチョだからかなぁ……羨ましいと思いながら俺は残っているバゲットを焼いていくのだった。
「いい匂い……だな」
フンフンと鼻を動かす姿は蜂蜜を探す熊を想像して、ちょっと笑える。
大きい男の人なのに可愛いのは、ピクビクッと動く耳があるからかな。
「明日の朝のスープだよ。ふたりとも味見してみる?口に合えばいいんだけど」
「おう」
「あぁ」
返事をしたふたりに小さな皿を用意して、芋の欠片とソーセージをのせてから渡してやる。
熱いの大丈夫かなと心配になったが、その辺りは大丈夫なようだ。
何だか今まで扱ってきた動物とは全く違うものと考えなければいけないかなぁ何て思っていると、ソーセージを飲み込んだレヴィがおかわりをしたそうに皿を持っている。
うわぁ……ごはん頂戴!って、フード入れを咥えてねだるショップのわんこみたい!いや、熊だけど。
リルもお皿を手に待っていてなんだこの可愛いのは。
自分より大きな獣人がとても可愛くて、俺はクスクス笑いながら代替案を提示した。
「明日の朝ごはん、スープが無くていいならおかわりどうぞ?それか、コンソメや野菜が今から買えるなら追加するけど?」
「なら、買いに行ってくる」
リルが手を上げると、これから野菜などを買いに行ってくると言う。
何を買えばいいんだ?と、聞かれても、こちらの野菜はよくわからないし、スープに入れると言えば、店員が選んでくれるだろうとおつかいをお願いした。
「レヴィは、リルが戻ってくる前までに髪を乾かそうか。ちょっと座って」
風呂上がりで少し濡れたレヴィの髪が気になった俺はレヴィをダイニングチェアに座らせると、レヴィの髪をタオルで拭いていく。
敏感な部分だろう丸い耳はそっと優しく拭いてから少し硬めの茶髪を丁寧に拭き上げると満足した。
それから暫くして玄関の扉が開いた音がしてリルが帰ってきた。
「リクト、これでいいか?」
帰ってきたリルの腕の中にあったのは、大量の野菜。
箱に詰められたそれは、びっくりするくらいの量があった。
「うん、ありがとう……こんなに沢山重かったよね?」
リルを労うと、大丈夫とにこりと笑ってくれて、これでスープおかわりできるか?と、聞いてくる。
ちゃんとコンソメっぽいものの在庫があるから大丈夫と伝えると、ふたりが深めのお皿を持ってくる。
温めるから待ってと鍋に火を入れる。
「どうぞ?」
ふたりの皿にたっぷりとスープをよそってから、俺は新しい鍋を出して野菜たっぷりのスープを作る。
こちらはベーコンも刻んで入れて、コンソメを少なくしてみる。
コトコトと弱火で煮込むととろとろになった玉葱とか美味しいよね。
ふんふんと鍋の中を掻き混ぜていると
「おかわり!」
と、リルが皿を出してくる。
んんっ!?いや、さっきよそったばっかりだろ?
と言うか、夕飯食べてからそんなに経ってないのにまだ食えるの?
リルさん食欲凄いな。
「俺も欲しい……」
レヴィさんもですか!?
いいよいいよ、新しく作ったし、明日の朝のスープはあるから。
ふふ、これも一緒に食うがいい!
買ってきてそのままになっていたバゲットを切ってチーズを乗せて焼いたやつ。
カリカリに焼いたから、スープに浸けて食べたら美味いと思う。
くらえカロリー爆弾!
このくらいならふたりならカロリー消費するのはすぐだろうと思い皿に乗せて差し出した。
「うまっ!!」
「うむっ」
ザクザクとバゲットを食べていくふたり。
ちょっと待って、何で大きめのバゲット半分近く焼いたのがもう無いの。
残ったバゲットに黒胡椒を振って味を変えると、ふたりにもっと食べたい表情で見詰められる。
残りのバゲット焼きますか。
ついでだから厚切りベーコンとピーマンもどきも乗せて焼こう。
と言うか、この食べたカロリーはどこに消えるのか。
ふたりともがっちりマッチョだからかなぁ……羨ましいと思いながら俺は残っているバゲットを焼いていくのだった。
あなたにおすすめの小説
運命の番は僕に振り向かない
ゆうに
BL
大好きだったアルファの恋人が旅先で運命の番と出会ってしまい、泣く泣く別れた経験があるオメガの千遥。
それ以来、ずっと自分の前にも運命の番があらわれることを切に願っていた。
オメガひとりの生活は苦しく、千遥は仕方なく身体を売って稼ぐことを決心する。
ネットで知り合った相手と待ち合わせ、雑踏の中を歩いている時、千遥は自分の運命の番を見つけた。
ところが視線が確かに合ったのに運命の番は千遥を避けるように去っていく。彼の隣には美しいオメガがいた。
ベータのような平凡な見た目のオメガが主人公です。
ふんわり現代、ふんわりオメガバース、設定がふんわりしてます。
完結しました!ありがとうございました。
拾われたのはたぶん僕です 〜ポンコツ魔法使いと騎士団の平和な大事件〜
ニア。
BL
崖から落ちただけなのに、騎士団長に拾われました。
真面目に生きてきた魔法使いモーネ。
ただ薬草を採ろうとして滑落しただけなのに、なぜか王国最強の騎士団長イグラムに連れて行かれ、騎士団で暮らすことに。
しかしこの魔法使い、少しだけ普通ではありません。
回復魔法を使えば何かが増え、
補助魔法を使えば騎士団が浮き、
気づけば庭はプリンになります。
——本人はちゃんとやっています。
巻き込まれる騎士団と、なぜか楽しそうな団長。
さらに弟子や王子、ドラゴンまで加わって、騎士団は今日も平和に大騒ぎ。
これは、ポンコツ魔法使いが真面目に頑張るたびに世界が少し壊れる、騒がしくて優しいファンタジーです。
人気アイドルの俺、なぜかメンバー全員に好かれてます
七瀬
BL
デビュー4年目の人気アイドルグループ「ECLIPSE(エクリプス)」に所属する芹沢 美澄(せりざわみすみ)は、昔からどこか抜けていてマイペースな性格。
歌もダンスも決して一番ではないはずなのに、なぜかファンからもメンバーからも目を離されない存在だった。
世話焼きな幼なじみ、明るく距離の近い同い年、しっかり者で面倒見のいい年上、掴みどころのない自由人、そして無言で隣にいるリーダー——。
気づけば、美澄の周りにはいつも誰かがいて、当たり前のように甘やかされていく。
異世界転生してひっそり薬草売りをしていたのに、チート能力のせいでみんなから溺愛されてます
ひと息
BL
突然の過労死。そして転生。
休む間もなく働き、あっけなく死んでしまった廉(れん)は、気が付くと神を名乗る男と出会う。
転生するなら?そんなの、のんびりした暮らしに決まってる。
そして転生した先では、廉の思い描いたスローライフが待っていた・・・はずだったのに・・・
知らぬ間にチート能力を授けられ、知らぬ間に噂が広まりみんなから溺愛されてしまって・・・!?
ストーカーから逃げ切ったのも束の間、転移後はヤンデレ騎士団に殺されかけている現実!
由汰のらん
ファンタジー
ストーカーから逃げていたある日、ハルは異世界に召喚されてしまう。
しかし神官によれば、どうやらハルは間違って召喚された模様。さらに王子に盾ついてしまったことがきっかけで、ハルは国外追放されてしまう。さらに連行されている道中、魔族に襲われ、ハルの荷馬車は置き去りに。
そのさなか、黒い閃光を放つ騎士が、ハルに取引を持ちかけてきた。
「貴様の血を差し出せ。さすれば助けてやろう。」
やたら態度のでかい騎士は、なんとダンピールだった。しかしハルの血が特殊だと知ったダンピールはハルを連れ帰って?
いっそ美味しい『血』(治癒)と『体液』(バフ)と『癒し』を与えるダンピール騎士団のセラピストを目指します!
【本編完結】転生したら、チートな僕が世界の男たちに溺愛される件
表示されませんでした
BL
ごく普通のサラリーマンだった織田悠真は、不慮の事故で命を落とし、ファンタジー世界の男爵家の三男ユウマとして生まれ変わる。
病弱だった前世のユウマとは違い、転生した彼は「創造魔法」というチート能力を手にしていた。
この魔法は、ありとあらゆるものを生み出す究極の力。
しかし、その力を使うたび、ユウマの体からは、男たちを狂おしいほどに惹きつける特殊なフェロモンが放出されるようになる。
ユウマの前に現れるのは、冷酷な魔王、忠実な騎士団長、天才魔法使い、ミステリアスな獣人族の王子、そして実の兄と弟。
強大な力と魅惑のフェロモンに翻弄されるユウマは、彼らの熱い視線と独占欲に囲まれ、愛と欲望が渦巻くハーレムの中心に立つことになる。
これは、転生した少年が、最強のチート能力と最強の愛を手に入れるまでの物語。
甘く、激しく、そして少しだけ危険な、ユウマのハーレム生活が今、始まる――。
本編完結しました。
続いて閑話などを書いているので良かったら引き続きお読みください
公爵家の末っ子に転生しました〜出来損ないなので潔く退場しようとしたらうっかり溺愛されてしまった件について〜
上総啓
BL
公爵家の末っ子に転生したシルビオ。
体が弱く生まれて早々ぶっ倒れ、家族は見事に過保護ルートへと突き進んでしまった。
両親はめちゃくちゃ溺愛してくるし、超強い兄様はブラコンに育ち弟絶対守るマンに……。
せっかくファンタジーの世界に転生したんだから魔法も使えたり?と思ったら、我が家に代々伝わる上位氷魔法が俺にだけ使えない?
しかも俺に使える魔法は氷魔法じゃなく『神聖魔法』?というか『神聖魔法』を操れるのは神に選ばれた愛し子だけ……?
どうせ余命幾ばくもない出来損ないなら仕方ない、お荷物の僕はさっさと今世からも退場しよう……と思ってたのに?
偶然騎士たちを神聖魔法で救って、何故か天使と呼ばれて崇められたり。終いには帝国最強の狂血皇子に溺愛されて囲われちゃったり……いやいやちょっと待て。魔王様、主神様、まさかアンタらも?
……ってあれ、なんかめちゃくちゃ囲われてない??
―――
病弱ならどうせすぐ死ぬかー。ならちょっとばかし遊んでもいいよね?と自由にやってたら無駄に最強な奴らに溺愛されちゃってた受けの話。
※別名義で連載していた作品になります。
(名義を統合しこちらに移動することになりました)
悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?
* ゆるゆ
BL
王太子から伴侶(予定)契約を破棄された瞬間、前世の記憶がよみがえって、悪役令息だと気づいたよ! しかし気づいたのが終了した後な件について。
悪役令息で断罪なんて絶対だめだ! 泣いちゃう!
せっかく前世を思い出したんだから、これからは心を入れ替えて、真面目にがんばっていこう! と思ったんだけど……あれ? 皆やさしい? 主人公はあっちだよー?
表紙は自作です(笑)
もっちもっちとセゥスです!(笑)