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22話
しおりを挟む「リクト、後は服を買おうな?」
「何枚あったっていいんだから」
リルもレヴィも楽しそうに店に入る。
昨日とは違う店だった。
俺は別にあれだけあればいいんだけどな…
ふたりの後をついて入ると、半分は洋服、半分は寝具のお店だった。
たぶん羽毛とか毛皮の問題なんだろうけど、俺からしてみるとちょっと複雑だったりする。
「レヴィ、どれがいい?」
「でかいの」
「だよなぁ…」
なにやらふたりは寝具コーナーで何かを購入しようとしているらしい。
「リクト、こっちに来てくれ、意見を聞きたいんだが…こっちとこっち、どっちが好みだ?」
え?
俺?なんで?
とりあえずリルの所に近付いて手元を覗き込むと軟らかそうなラグだった。
「ん?どっちかなぁ…リルの部屋に敷くなら茶色かなぁ?」
触り心地も悪くないし…。
色も部屋にマッチしてる。
「ふふ、レヴィの毛並みに似てるかなぁ」
俺がラグを撫でると、リルはやっぱりこっちにするとクリーム色の方を手にしていた。
え、聞かれた意味ないじゃん!
「これ、キングサイズ。それと寝台も作ってくれ…あぁ」
なにやらリルが奥で話を始めてしまうと、レヴィに促されて服を見ることになる。
けれど、時期が時期なのかダウンコートみたいなものはまだ必要無いしと悩みながらもデザインだけ見て回った。
そう言えば、こっちに着てきたミリタリーコートは、あちらよりは暖かいからクローゼットの中だ。
お気に入りなのにな。
リルが買い物を終えると、欲しいものは無かったかと確認されて頷いた。
できれば靴を買いたい。
スニーカーだけど、予備のものも欲しいし、サンダルみたいな簡単に履けるのもあると便利だなと思いながら、それも相談すると、ふたりの顔が赤くなる。
え、俺…何か恥ずかしいこと言った?
まぁ、靴を贈るのは、情交のお伺い。
貴方のものを包ませて下さいという意味があり、靴をねだられて贈るのは了承の合図だということ。
それを知ったのは…かなり後なんだけど…それはまた別の話。
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