【BL】転生したら獣人の世界で何故か肉食獣に愛されています。

梅花

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本編

41話

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食事を終えて、風呂にも入って、洗濯機を回しながら、ふたりの誘いを断ってまたひとり部屋に入った。
どうしたら独り立ちできるのか。
俺のできることってなんだろう。
考えはじめてしまうと眠れなくなってしまい、ホットミルクでも飲もうかなんて1階に降りていく。
キッチンで鍋にミルクを入れて、沸騰する前に火を止めてたっぷりの蜂蜜を入れた。
ふわりと甘い香りが立ち上ぼり、少しだけホッとしながらマグカップを手にソファーに座る。
リルとレヴィが座ると丁度のそれが俺だとだいぶ大きく感じた。

「ん?リクト…か」

起きていたのかと顔を出したのはレヴィ。
のそっと現れたのは本当に熊みたいな姿。
可愛い。

「うん、ちょっと寝られなくて…」
「隣に座っていいか?」
「うん、レヴィも何か飲む?」
「酒を飲むか…」

取るよと言う前にレヴィはキッチンを横切り自分でセラーから好みの酒を取り出す。
その姿を見ていると、それに気づいたのかレヴィは瓶とグラスを持ってきた。

少し前に行儀が悪いからグラスを使ってとお願いしたのだ。
それもウザかったかなぁとちょっぴりへこむ。

隣に座ったレヴィは、いつものごとくゼロ距離。
肩と肩が触れる距離で、グラスに酒を注いだ後は、片手を俺の腰に回す。
リルと座ってもそんなことしているのをみたことがないけど…
なんて考えつつちびりちびりとミルクを飲んだ。
喉からじんわりと身体を温かくしていくミルク。
少しへこんだ心が戻っていくような気がした。

「リクト、明日は俺と職人街だ。大丈夫か?」
「ん、大丈夫…今日、リルに甘いお菓子を食べさせて貰ったんだけどまた食べたい」

レヴィが好きだから、レヴィなら一緒に食べられるかな。
なんて誘ったけど。

「いや、俺は甘いものは…」

そう言って言葉を濁す。
あれ、甘いのが苦手だったのかな…リルの情報は古い?

「ごめん、レヴィが苦手ならいいんだ。ひとりで食べるのも申し訳ないし…リルも食べなかったんだよね…」

自分ばかり好きなものを食べるなんて申し訳ないかかぎりなのだから。
大丈夫だよと笑うと、レヴィは顔に手を当てた。

「いや、甘いものは…好きなんだが…こんな見た目の俺が女子供が好きそうな甘味を頬張っていたら恥ずかしいだろ?だから…」

レヴィは言いにくそうに口にした。
何それ、めっちゃ可愛い。
俺はパチパチと瞬きをしてからにっこり笑う。

「可笑しくないよ、一緒に食べよう?はは、レヴィ可愛い!」

そんなことを気にしてたんだと思うと、俺の口からは笑い声が漏れた。
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