7 / 162
7話
しおりを挟む
「サシャ様、そのままミゲル様の胸に顔を埋めていてくださいませ」
マーサに小さな声で言われるがまま、俺はそっと頭を預ける。
服の上からでもわかるがっちりとした肢体。
あぁ、こうありたかったと思わせるような姿。
ちらりとしか見えなかったが顔の造形も男性らしくなおかつ整って見えた。
「重いでしょう?すみません……」
俺は周囲に聞こえないように小さな声で謝る。
「構いませんよ、重くもありませんから」
爽やかな耳障りの良いテノール。
軽々と抱き上げられて運ばれ、用意された馬車にミゲル様ごと乗り込む。
ミゲル様ごと乗り込める馬車が用意されたのに驚きなのだが。
御者にマーサが自宅の場所を告げると、ガタンと揺れてから馬車はゆっくりと動き始めた。
小さな振動しか感じないのはこの馬車が良いものだとわかる。
「で、マーサ殿どう言うことか説明をして欲しいが……俺に言える事か?サシャ様は、筆頭聖女のサシャ様だろう?」
ミゲル様が静かに問いかける。
「サシャ様、お話しても?」
マーサが俺に聞いてくるが、それより俺はいまだにミゲル様に抱かれ膝の上に座らされたままなのだ。
「えぇ、構いませんが……」
おろして欲しいと言えないままになってしまうと、マーサは今までの事をミゲル様に話していく。
俺が男だと言うことは言わずに。上手く要点を掻い摘んで。
「なんと……」
「ですから、サシャ様には病かなにかで私の実家で療養いただき、最終的には聖女から外れるようにしていただこうかと思っておりますので、何かありましたらミゲル様もお手伝いくださいませね?」
にっこりと笑ったマーサに、ミゲルは静かに頷いた。
いつの間にかミゲル様と繋いでいた手に力が込められる。
この人は信用できるのだろうか……俺は窓の外を流れる街並みを見ていた。
マーサに小さな声で言われるがまま、俺はそっと頭を預ける。
服の上からでもわかるがっちりとした肢体。
あぁ、こうありたかったと思わせるような姿。
ちらりとしか見えなかったが顔の造形も男性らしくなおかつ整って見えた。
「重いでしょう?すみません……」
俺は周囲に聞こえないように小さな声で謝る。
「構いませんよ、重くもありませんから」
爽やかな耳障りの良いテノール。
軽々と抱き上げられて運ばれ、用意された馬車にミゲル様ごと乗り込む。
ミゲル様ごと乗り込める馬車が用意されたのに驚きなのだが。
御者にマーサが自宅の場所を告げると、ガタンと揺れてから馬車はゆっくりと動き始めた。
小さな振動しか感じないのはこの馬車が良いものだとわかる。
「で、マーサ殿どう言うことか説明をして欲しいが……俺に言える事か?サシャ様は、筆頭聖女のサシャ様だろう?」
ミゲル様が静かに問いかける。
「サシャ様、お話しても?」
マーサが俺に聞いてくるが、それより俺はいまだにミゲル様に抱かれ膝の上に座らされたままなのだ。
「えぇ、構いませんが……」
おろして欲しいと言えないままになってしまうと、マーサは今までの事をミゲル様に話していく。
俺が男だと言うことは言わずに。上手く要点を掻い摘んで。
「なんと……」
「ですから、サシャ様には病かなにかで私の実家で療養いただき、最終的には聖女から外れるようにしていただこうかと思っておりますので、何かありましたらミゲル様もお手伝いくださいませね?」
にっこりと笑ったマーサに、ミゲルは静かに頷いた。
いつの間にかミゲル様と繋いでいた手に力が込められる。
この人は信用できるのだろうか……俺は窓の外を流れる街並みを見ていた。
127
あなたにおすすめの小説
【本編完結】転生したら、チートな僕が世界の男たちに溺愛される件
表示されませんでした
BL
ごく普通のサラリーマンだった織田悠真は、不慮の事故で命を落とし、ファンタジー世界の男爵家の三男ユウマとして生まれ変わる。
病弱だった前世のユウマとは違い、転生した彼は「創造魔法」というチート能力を手にしていた。
この魔法は、ありとあらゆるものを生み出す究極の力。
しかし、その力を使うたび、ユウマの体からは、男たちを狂おしいほどに惹きつける特殊なフェロモンが放出されるようになる。
ユウマの前に現れるのは、冷酷な魔王、忠実な騎士団長、天才魔法使い、ミステリアスな獣人族の王子、そして実の兄と弟。
強大な力と魅惑のフェロモンに翻弄されるユウマは、彼らの熱い視線と独占欲に囲まれ、愛と欲望が渦巻くハーレムの中心に立つことになる。
これは、転生した少年が、最強のチート能力と最強の愛を手に入れるまでの物語。
甘く、激しく、そして少しだけ危険な、ユウマのハーレム生活が今、始まる――。
本編完結しました。
続いて閑話などを書いているので良かったら引き続きお読みください
使用人と家族たちが過大評価しすぎて神認定されていた。
ふわりんしず。
BL
ちょっと勘とタイミングがいい主人公と
主人公を崇拝する使用人(人外)達の物語り
狂いに狂ったダンスを踊ろう。
▲▲▲
なんでも許せる方向けの物語り
人外(悪魔)たちが登場予定。モブ殺害あり、人間を悪魔に変える表現あり。
残念でした。悪役令嬢です【BL】
渡辺 佐倉
BL
転生ものBL
この世界には前世の記憶を持った人間がたまにいる。
主人公の蒼士もその一人だ。
日々愛を囁いてくる男も同じ前世の記憶があるらしい。
だけど……。
同じ記憶があると言っても蒼士の前世は悪役令嬢だった。
エブリスタにも同じ内容で掲載中です。
悪役令息の兄って需要ありますか?
焦げたせんべい
BL
今をときめく悪役による逆転劇、ザマァやらエトセトラ。
その悪役に歳の離れた兄がいても、気が強くなければ豆電球すら光らない。
これは物語の終盤にチラッと出てくる、折衷案を出す兄の話である。
魔界最強に転生した社畜は、イケメン王子に奪い合われることになりました
タタミ
BL
ブラック企業に務める社畜・佐藤流嘉。
クリスマスも残業確定の非リア人生は、トラックの激突により突然終了する。
死後目覚めると、目の前で見目麗しい天使が微笑んでいた。
「ここは天国ではなく魔界です」
天使に会えたと喜んだのもつかの間、そこは天国などではなく魔法が当たり前にある世界・魔界だと知らされる。そして流嘉は、魔界に君臨する最強の支配者『至上様』に転生していたのだった。
「至上様、私に接吻を」
「あっ。ああ、接吻か……って、接吻!?なんだそれ、まさかキスですか!?」
何が起こっているのかわからないうちに、流嘉の前に現れたのは美しい4人の王子。この4王子にキスをして、結婚相手を選ばなければならないと言われて──!?
偽物勇者は愛を乞う
きっせつ
BL
ある日。異世界から本物の勇者が召喚された。
六年間、左目を失いながらも勇者として戦い続けたニルは偽物の烙印を押され、勇者パーティから追い出されてしまう。
偽物勇者として逃げるように人里離れた森の奥の小屋で隠遁生活をし始めたニル。悲嘆に暮れる…事はなく、勇者の重圧から解放された彼は没落人生を楽しもうとして居た矢先、何故か勇者パーティとして今も戦っている筈の騎士が彼の前に現れて……。
悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?
* ゆるゆ
BL
王太子から伴侶(予定)契約を破棄された瞬間、前世の記憶がよみがえって、悪役令息だと気づいたよ! しかし気づいたのが終了した後な件について。
悪役令息で断罪なんて絶対だめだ! 泣いちゃう!
せっかく前世を思い出したんだから、これからは心を入れ替えて、真面目にがんばっていこう! と思ったんだけど……あれ? 皆やさしい? 主人公はあっちだよー?
ユィリと皆の動画をつくりました!
インスタ @yuruyu0 絵も皆の小話もあがります。
Youtube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます。動画を作ったときに更新!
プロフのWebサイトから、両方に飛べるので、もしよかったら!
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
ご感想欄 、うれしくてすぐ承認を押してしまい(笑)ネタバレ 配慮できないので、ご覧になる時は、お気をつけください!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる