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50話
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「折れた場所を動かすけど、繋ぐためだから少しだけ我慢して」
そのまま繋げるとおかしな形になるとまずい。
できるだけおれる前と同じ形にしたい。
幸いなのか、ポッキリといっているだけで、複雑な折れ方はしていない。
痛みを緩和しながらゆっくりと骨をあった位置に戻す。
小さな呻き声は大丈夫な証拠。
そのまま骨を接ぐと、痛みが薄れたのか呻く声は無くなった。
大丈夫そうだなと思いながら、全身の打撲を緩和してやり治療は終わりだ。
「すみません、彼を木陰に…手を貸してください」
俺は立ち上がり手を上げると何人かが手伝いに来て、上着で作った簡易担架で木陰に運ぶと、俺はそのまま着いていてやることにした。
他の騎士見習い達は乗馬の訓練へと戻るが、何人かの視線がこちらを向いているのがわかった。
「あれが、軍医見習いからこっちに来たってやつかぁ」
ざわざわした声を聞きながら、俺は青年に魔力を流す。
暫くすると医者がやってきた。
熊のような大きな医者で、ははっと笑いながら膝をつき、青年の全身を診る。青年もだいぶ落ち着いたのか呼吸は普通になっており、意識もある。
「うん、大丈夫そうだな。手当てをしたのは君か?」
「はい、軍医見習いでしたので、骨を接ぐのは何とかなりましたので…いかがでしたか?」
「完璧だな。これだけできれば俺は居なくても大丈夫だろ」
豪快に笑いながら頷いて、骨折した青年をひょいと担ぎ上げる。
「うわっ!」
「ん?大丈夫だ、大丈夫。おい、誰かこいつはとりあえず医務室に運んで1日様子を見るが、他の騎士や同室の奴には言っておいてくれ」
そう言い残すとのしのしと歩いていった。
最初から最後まで熊だったななんて失礼な事を思い浮かべてから俺は馬術の訓練へと戻った。
余計な事に手を出したなど思ってはいなかったが、どうしても目立ってしまったのは確かで、訓練中はずっと俺に向かってヒソヒソと話し声がしていた。
俺は何と思われてもいい。
何事も無ければいいなと思いながら馬を戻して俺は食事と午後の仕度へ向かうのだった。
医師に連れていかれた青年の足が行きたくないとじたばたしていたのは見なかった事にしよう。
そのまま繋げるとおかしな形になるとまずい。
できるだけおれる前と同じ形にしたい。
幸いなのか、ポッキリといっているだけで、複雑な折れ方はしていない。
痛みを緩和しながらゆっくりと骨をあった位置に戻す。
小さな呻き声は大丈夫な証拠。
そのまま骨を接ぐと、痛みが薄れたのか呻く声は無くなった。
大丈夫そうだなと思いながら、全身の打撲を緩和してやり治療は終わりだ。
「すみません、彼を木陰に…手を貸してください」
俺は立ち上がり手を上げると何人かが手伝いに来て、上着で作った簡易担架で木陰に運ぶと、俺はそのまま着いていてやることにした。
他の騎士見習い達は乗馬の訓練へと戻るが、何人かの視線がこちらを向いているのがわかった。
「あれが、軍医見習いからこっちに来たってやつかぁ」
ざわざわした声を聞きながら、俺は青年に魔力を流す。
暫くすると医者がやってきた。
熊のような大きな医者で、ははっと笑いながら膝をつき、青年の全身を診る。青年もだいぶ落ち着いたのか呼吸は普通になっており、意識もある。
「うん、大丈夫そうだな。手当てをしたのは君か?」
「はい、軍医見習いでしたので、骨を接ぐのは何とかなりましたので…いかがでしたか?」
「完璧だな。これだけできれば俺は居なくても大丈夫だろ」
豪快に笑いながら頷いて、骨折した青年をひょいと担ぎ上げる。
「うわっ!」
「ん?大丈夫だ、大丈夫。おい、誰かこいつはとりあえず医務室に運んで1日様子を見るが、他の騎士や同室の奴には言っておいてくれ」
そう言い残すとのしのしと歩いていった。
最初から最後まで熊だったななんて失礼な事を思い浮かべてから俺は馬術の訓練へと戻った。
余計な事に手を出したなど思ってはいなかったが、どうしても目立ってしまったのは確かで、訓練中はずっと俺に向かってヒソヒソと話し声がしていた。
俺は何と思われてもいい。
何事も無ければいいなと思いながら馬を戻して俺は食事と午後の仕度へ向かうのだった。
医師に連れていかれた青年の足が行きたくないとじたばたしていたのは見なかった事にしよう。
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