【BL】かつて大聖女様と呼ばれていた俺は現在男ですが何か。

梅花

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141話

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「教皇へ、抗議をさせていただく……」
ミゲル様が部屋を出てくると同時にミゲル様達に対して俺達は礼をとった。
「3名を地下へ」
地下と言うのは言わずもがな囚人を入れる為の牢獄がある。
「大神官様は何も知らない!」
「申開きは後日してもらう。知らなければ許される等とは思うな」
ラーシュ様の声がした。
「ミゲル様……」
「サハル、侯爵と行かなかったのか?」
「はい」
「そうか、ラーシュ後は頼めるか。教皇への面会を打診する」
ミゲル様の視線の先は、執務室にある。
「畏まりました」
頭を下げるラーシュ様をその場に置いてミゲル様は歩き出しながら俺の名前を呼んだ。
「サハル」
「はい」
俺は名前を呼ばれるままミゲル様に付き従う。
執務室の扉を開き、中に入ると、薄暗くなった室内に光を灯す。
「……大変だったな、サハル」
「いえ、ミゲル様こそ……ありがとうございました」
ミゲル様のジャケットを受け取ると、俺はそれを掛ける。
「悪いな、もう少し時間が掛かる」
「お茶をいれます」
「ホットワインにしてくれ」
「わかりました」
ミゲル様がまだ仕事なのにお酒の入るものを口にするのはもしかしたら初めてかもしれない。
俺は鍋とワインを取り出してホットワインを作り始める。
ふわりと立ち上るワインの香り。
それに混じるのはシナモンとレモン。
少しだけハチミツを加えて甘さを足すと少し味見をしてからカップに注いだ。
そして回復をするように祈りを込める。
「ミゲル様、おまたせしました。 熱いのでお気をつけください」
机に置くと、ミゲル様がカップを手にした。
買ったばかりの揃いのカップ。
「ありがとう」
カップに口を付けてミゲル様は味を確かめるようにしてからもう一口くちに含む。
「俺はもう少しだけ付与をしていますから、終わったら教えてください」
出来るだけ邪魔はしたくないが、どうしても傍にいたいからと同じ部屋の中に居ることくらいは許して欲しいとソファーに座ると片付けておいたお祖父様が持ってきてくれた石を取り出した。
使えるものと使えないものを選別するためだ。
端から全部手にしてより分けていくと、七割近くは使えるものだった。
「流石、お祖父様……これなら余剰分も作れるから……良かった」
「サハル、今日は余計な仕事はするなよ……ただでさえあんな事があったのだからな?」
「でも、原因は俺ですし……俺の管理が良くなかったのですから」
「そうだな、それは確かにサハルのせいだが……サハルだけを責める事は出来ない。だから気にするな。もう少しで書き上がるからそれが終わったら行くか。支度をしておけ」
「わかりました、ミゲル様は着替えますか?お着替えを用意しておきます」
流石にまだ騎士服だからと、俺は立ち上がった。
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