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150話
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「す、すみません……っ」
抱きつくような形になってしまうと、俺は慌てて身体を離す。
「謝らなくていいが、随分と大胆だな……と」
「あの、いえ……そんなつもり……は、無くもないのですが」
言い訳をするようにしどろもどろになりながらそっと離れると、仕方ないなとばかりに苦笑したミゲル様が俺からスポンジを受け取ると、ザッと自ら身体を洗ってしまった。
「ほら、サハルの身体も洗うのだろう?」
「俺は……洗いますけど……自分で出来ますから」
洗ってもらうなんて恥ずかしくて出来るわけが無い。
俺はミゲル様からスポンジを受け取ろうとするが、ミゲル様は渡す気は無いようで、スポンジを背中側に隠そうとしている。
「ミゲル様、スポンジを貸していただけないなら、このまま湯船に浸かりますよ?」
「洗わせてくれてもいいだろう?減るもんじゃなし」
いや、ミゲル様……俺の精神がすり減りますからね?
「な、なら背中だけ……お願いします」
くるりとミゲル様に背を向けた。
背中でふふっと笑う声がして。シュシュっと泡を立てる音が聞こえ背中にそっとスポンジが当たったのがわかった。
優しく撫でられるようにして洗われていく背中。
擽ったくて声を上げそうになった。
「ミゲル……様、もう……」
大丈夫ですと、手を出すと今度はちゃんとスポンジを握らせてくれ、俺はそのまま身体の全面を洗うのだった。
「先に湯に浸かるぞ?」
「はい」
ミゲル様が離れすぐ後にザーッと湯船からお湯が流れ落ちる音でミゲル様が湯に浸かったのがわかる。
俺も身体の泡を流して振り向いて固まった。
俺、何処にはいればいい?
「はら、此処に来い」
ミゲル様がパシパシと浴槽の縁を叩く。それに躊躇いながらもそろりそろりと俺は近づいた。
足を軽く開いて伸ばした格好のミゲル様。
その足の中心に座れとばかりに促された。
マジですか?そんなことできない。
「む、向かい合わせですか?」
出来ないと思っていた俺の口から飛び出したのは訳がわからない単語だった。
抱きつくような形になってしまうと、俺は慌てて身体を離す。
「謝らなくていいが、随分と大胆だな……と」
「あの、いえ……そんなつもり……は、無くもないのですが」
言い訳をするようにしどろもどろになりながらそっと離れると、仕方ないなとばかりに苦笑したミゲル様が俺からスポンジを受け取ると、ザッと自ら身体を洗ってしまった。
「ほら、サハルの身体も洗うのだろう?」
「俺は……洗いますけど……自分で出来ますから」
洗ってもらうなんて恥ずかしくて出来るわけが無い。
俺はミゲル様からスポンジを受け取ろうとするが、ミゲル様は渡す気は無いようで、スポンジを背中側に隠そうとしている。
「ミゲル様、スポンジを貸していただけないなら、このまま湯船に浸かりますよ?」
「洗わせてくれてもいいだろう?減るもんじゃなし」
いや、ミゲル様……俺の精神がすり減りますからね?
「な、なら背中だけ……お願いします」
くるりとミゲル様に背を向けた。
背中でふふっと笑う声がして。シュシュっと泡を立てる音が聞こえ背中にそっとスポンジが当たったのがわかった。
優しく撫でられるようにして洗われていく背中。
擽ったくて声を上げそうになった。
「ミゲル……様、もう……」
大丈夫ですと、手を出すと今度はちゃんとスポンジを握らせてくれ、俺はそのまま身体の全面を洗うのだった。
「先に湯に浸かるぞ?」
「はい」
ミゲル様が離れすぐ後にザーッと湯船からお湯が流れ落ちる音でミゲル様が湯に浸かったのがわかる。
俺も身体の泡を流して振り向いて固まった。
俺、何処にはいればいい?
「はら、此処に来い」
ミゲル様がパシパシと浴槽の縁を叩く。それに躊躇いながらもそろりそろりと俺は近づいた。
足を軽く開いて伸ばした格好のミゲル様。
その足の中心に座れとばかりに促された。
マジですか?そんなことできない。
「む、向かい合わせですか?」
出来ないと思っていた俺の口から飛び出したのは訳がわからない単語だった。
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