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1章
142話
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ミリシャの手から焼き菓子を貰う双子。
それを見ていると、腰に腕を回されて引き寄せられる。
「カイル」
「ん?」
背後に立ったのは愛しい伴侶だった。
「見ていてくれた?」
「あぁ、体調は悪くないか?」
「うん」
見上げた先には少し心配そうなカイルの表情。
「大丈夫……でも、やっぱり……」
「無理はするな」
優しいカイルに抱き締められた。
触れる部分がほんのりと温かい。
「ありがとう」
「食事にしよう、ミリシャ今朝は一緒に食べるか?」
「はい、お父様」
元気良く笑ったミリシャはバスケットをアスミタに預けて両手をそれぞれ竜神と繋いでいる。
先に歩き出した三人を追うようにして俺とカイルは歩き出し、その後にアスミタが続く。
良く見る光景だった。
食事後に、双子が雨を降らせてくれるのを見ながら、ミリシャと四阿でお茶を飲んでいた。
カイルは執務があると先に部屋に戻っていったからだ。
「ミリシャ、お祈りは辛くない?」
毎日の祈りを捧げる行為はミリシャが舞えるようになってから、ミリシャの仕事になってきている。
一生懸命俺から詩を教わり自分のものにしていっている。
あくまでも俺の詩を教えているだけで決まったものはないのだ。
独特の旋律を竜神が気に入って雨を降らせてくれるのだから、きっとアルーディアの竜神はアルーディアの曲の方が好きだと思っているのだけれど、アルーディアの旋律は複雑で、俺は絶対音感の持ち主ではないためなかなか修得できないでいる。
だが、生まれながらのアルーディア人のミリシャなら、それでもいいと思うのだがミリシャは頑なにお母様のお歌が好きと聞く耳を持たないのだ。
双子にそれとなくミリシャの詩が違う旋律でもいいかと聞いたところ、テトやミリシャが歌う事が大切なのだと言われた。
それならと、ミリシャに話をすると、ミリシャは笑顔でお母様と同じがいいのですと言う。
カイルに良く似たミリシャは言い出したら聞かないあたりも、やはり王の娘なのだなと思う。
愛らしく、優しく育ってくれ俺はそれがいつも嬉しかった。
「いつか、他の竜神様にも逢って貰いたいな。アルーディアの中の竜神様全てにとは言わないけれど、もう少しミリシャが大きくなったらお母様と一緒に神殿を巡りましょうか」
「本当?楽しみです」
手を叩いたミリシャは嬉しそうに笑うと、俺は先ずは近い神殿からとどこにしようかゆっくりと思案するのだった。
それを見ていると、腰に腕を回されて引き寄せられる。
「カイル」
「ん?」
背後に立ったのは愛しい伴侶だった。
「見ていてくれた?」
「あぁ、体調は悪くないか?」
「うん」
見上げた先には少し心配そうなカイルの表情。
「大丈夫……でも、やっぱり……」
「無理はするな」
優しいカイルに抱き締められた。
触れる部分がほんのりと温かい。
「ありがとう」
「食事にしよう、ミリシャ今朝は一緒に食べるか?」
「はい、お父様」
元気良く笑ったミリシャはバスケットをアスミタに預けて両手をそれぞれ竜神と繋いでいる。
先に歩き出した三人を追うようにして俺とカイルは歩き出し、その後にアスミタが続く。
良く見る光景だった。
食事後に、双子が雨を降らせてくれるのを見ながら、ミリシャと四阿でお茶を飲んでいた。
カイルは執務があると先に部屋に戻っていったからだ。
「ミリシャ、お祈りは辛くない?」
毎日の祈りを捧げる行為はミリシャが舞えるようになってから、ミリシャの仕事になってきている。
一生懸命俺から詩を教わり自分のものにしていっている。
あくまでも俺の詩を教えているだけで決まったものはないのだ。
独特の旋律を竜神が気に入って雨を降らせてくれるのだから、きっとアルーディアの竜神はアルーディアの曲の方が好きだと思っているのだけれど、アルーディアの旋律は複雑で、俺は絶対音感の持ち主ではないためなかなか修得できないでいる。
だが、生まれながらのアルーディア人のミリシャなら、それでもいいと思うのだがミリシャは頑なにお母様のお歌が好きと聞く耳を持たないのだ。
双子にそれとなくミリシャの詩が違う旋律でもいいかと聞いたところ、テトやミリシャが歌う事が大切なのだと言われた。
それならと、ミリシャに話をすると、ミリシャは笑顔でお母様と同じがいいのですと言う。
カイルに良く似たミリシャは言い出したら聞かないあたりも、やはり王の娘なのだなと思う。
愛らしく、優しく育ってくれ俺はそれがいつも嬉しかった。
「いつか、他の竜神様にも逢って貰いたいな。アルーディアの中の竜神様全てにとは言わないけれど、もう少しミリシャが大きくなったらお母様と一緒に神殿を巡りましょうか」
「本当?楽しみです」
手を叩いたミリシャは嬉しそうに笑うと、俺は先ずは近い神殿からとどこにしようかゆっくりと思案するのだった。
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