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1章
143話
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「テト大丈夫か?」
ふらりと眩暈を感じて足を止めた。
「大丈夫」
手を繋いでいたカイルが気付いて足を止めて心配そうに見下ろしてくる。
それに、大丈夫と言葉を返したが揺れる感覚は大きくなるようで俺は目を閉じその場に座り込む。
「テト様!?」
アスミタの声に、カイルの抱いていくの声が被さるとふわりと身体が浮き上がるような感覚。
慣れ親しんだカイルの力強い腕や香水の香りに安心感を感じるが、その身体に負担にならないように腕をのばすことができなかった。
「主治医を!」
カイルの切羽詰まった声に、パタパタと走り回る音。
ひんやりと額に触れた冷たさに目を開けると、そこにはカイルとアスミタ。
「テト!」
「カイルごめんなさい、何時?」
起き上がろうとして止められた。
「まだ、あまり時間は経っていない」
「そっか。カイル、俺は大丈夫だからちゃんと食事してからお仕事ね?」
心配そうな表情のカイルにそう言うと、口を引き締めてカイルは目を逸らした。
「最近、テトの食べる量が少なくなっていると聞いていたが、倒れるほどになっていたとは」
「え?俺、普通……」
ちらりとアスミタを見ると、アスミタも目を逸らしていた。
「ちゃんと、食べていたよ?」
食べる量が少なくなっていた記憶なと全く無い。
いつもと同じように食べてゆっくりとしていたのに。
そう思いながらも、ふとカイルとの夜の営みがある一定の時期から減っていたのを思い出した。
今さらだ。
「食べられそうなら栄養のある食事を運ばせる。お茶だけでも……」
「うん、アスミタ熱くない飲み物がいい」
「直ぐにお持ちいたします」
アスミタが静かに離れていくと、部屋の中は静かになる。
「カイル、もしかしなくても俺の体調を気遣ってくれたの?俺、自分が体調悪いなんて思ってなかったんだけど」
少しだけ疲れやすいかなとは思ったことはあったけれど、自分で気付いていなかったことにカイルは気付いてくれていたのだ。
「最初に気付いたのはアスミタだ。昼食の量が減ったと」
そう言われてそうかなと首を傾げる。
「軽食もあまり口にしなくなったと……最近確かに細くなっているのに気付いていないのか?」
カイルに頬を撫でられた。
「そんなに?見苦しいくらい?」
「いや、端から見ればあまり変わりはないが……服の下はやはり細くなっているな。だから無理するほどで無くていいから身体に良くてテトが好んで口にできるものを食べてくれ……」
カイルの言葉に俺は頷くしかできなかった。
ふらりと眩暈を感じて足を止めた。
「大丈夫」
手を繋いでいたカイルが気付いて足を止めて心配そうに見下ろしてくる。
それに、大丈夫と言葉を返したが揺れる感覚は大きくなるようで俺は目を閉じその場に座り込む。
「テト様!?」
アスミタの声に、カイルの抱いていくの声が被さるとふわりと身体が浮き上がるような感覚。
慣れ親しんだカイルの力強い腕や香水の香りに安心感を感じるが、その身体に負担にならないように腕をのばすことができなかった。
「主治医を!」
カイルの切羽詰まった声に、パタパタと走り回る音。
ひんやりと額に触れた冷たさに目を開けると、そこにはカイルとアスミタ。
「テト!」
「カイルごめんなさい、何時?」
起き上がろうとして止められた。
「まだ、あまり時間は経っていない」
「そっか。カイル、俺は大丈夫だからちゃんと食事してからお仕事ね?」
心配そうな表情のカイルにそう言うと、口を引き締めてカイルは目を逸らした。
「最近、テトの食べる量が少なくなっていると聞いていたが、倒れるほどになっていたとは」
「え?俺、普通……」
ちらりとアスミタを見ると、アスミタも目を逸らしていた。
「ちゃんと、食べていたよ?」
食べる量が少なくなっていた記憶なと全く無い。
いつもと同じように食べてゆっくりとしていたのに。
そう思いながらも、ふとカイルとの夜の営みがある一定の時期から減っていたのを思い出した。
今さらだ。
「食べられそうなら栄養のある食事を運ばせる。お茶だけでも……」
「うん、アスミタ熱くない飲み物がいい」
「直ぐにお持ちいたします」
アスミタが静かに離れていくと、部屋の中は静かになる。
「カイル、もしかしなくても俺の体調を気遣ってくれたの?俺、自分が体調悪いなんて思ってなかったんだけど」
少しだけ疲れやすいかなとは思ったことはあったけれど、自分で気付いていなかったことにカイルは気付いてくれていたのだ。
「最初に気付いたのはアスミタだ。昼食の量が減ったと」
そう言われてそうかなと首を傾げる。
「軽食もあまり口にしなくなったと……最近確かに細くなっているのに気付いていないのか?」
カイルに頬を撫でられた。
「そんなに?見苦しいくらい?」
「いや、端から見ればあまり変わりはないが……服の下はやはり細くなっているな。だから無理するほどで無くていいから身体に良くてテトが好んで口にできるものを食べてくれ……」
カイルの言葉に俺は頷くしかできなかった。
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