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20話

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誤配信申し訳ありませんでした。
ご連絡いただいた皆様ありがとうございます。
できるだけ気をつけていきますので、今後ともよろしくお願い致します。

☆☆☆☆☆☆☆


「では、手を」

ベルナルドがそっと手を差し出してくる。
フェンリエッタの自室。
風通しを良くしたその部屋で、入り口の扉を開けたまま、侍女であるメリッサ立ち会いのもとフェンリエッタは寝台に座るような形で魔力の制御訓練を始めた。
手の上に手をのせるとその部分がじんわりと温かくなっていく。
手のひらから腕そして身体をめぐるように魔力の流れを理解する。

「流石ですね、飲み込みが早い…」

ベルナルドはフェンリエッタの体調を加味しながら少量の魔力を全身に行き渡らせると同時に、フェンリエッタのオーバーフローした魔力を吸い取るように引き抜いたのたが、フェンリエッタには何が起こっているかがわからない。
ただ、フェンリエッタは自分の身体が軽くなるのはわかった。

「ベルナルド様、これは何を?」
「フェンリエッタ嬢がわかるように魔力を流し、オーバーフローした魔力を吸い取っているのです。流れは温かいのが感じられましたか?」
「はい、全身を流れるのが」
「それは良かった」
「魔力あたりは身体が魔力の多さに耐えれずに体調を崩す事が多いため、定期的に魔力を放出しなければなりませんが、魔力が少ないうちは自然とできていますが、いきなり多くなったりするとこうなりますので、フェンリエッタ嬢が放出することに慣れるまでは私がこのようにして魔力量を調節します」

ベルナルドの説明に頷くと、フェンリエッタは首を傾げる。

「ベルナルド様の体調は問題ありませんこと?」

フェンリエッタから引き抜いた魔力を体内に取り込むのならば、ベルナルドの身体は大丈夫だろうか。

「良いところに気付きましたね。だから、魔力制御をするには、手伝う方が魔力量が多くないといけないのです。
魔力量を最初に減らしておいてから引き受ければいっぱいにはならないでしょう?」

そう言うことですと説明されて、学院の教師よりわかりやすい説明をしてくれると納得する。

「詳しくはまた後日。今日も少しお休みください」

ベルナルドはフェンリエッタの手を下ろさせ、寝台の上に置いた。
これから何日かはベルナルドの世話になるのだろう。
申し訳ないと思いながらフェンリエッタは頷いた。
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