完【恋愛】婚約破棄をされた瞬間聖女として顕現した令嬢は竜の伴侶となりました。

梅花

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21話

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最初は1日数回に分けての訓練。
1度の訓練で大量に体力を消費してしまうため、何度もできずフェンリエッタはもどかしく感じる。
1日の回数が増え、1回の時間が長くなって来ると、顔には出さないように勤めるが、起き上がっているのも辛く感じる。

「出来の悪い生徒みたいね…」

ベルナルドが退出した部屋でひとりごちた。
いや、メリッサがいるのだが。

「フェンリエッタ様、果実水です蜂蜜も少量ですが入れてありますので」

メリッサが運んできてくれた果実水を口にする。
寝台にもたれる姿はまるで病人のようで、早く何とかできるようにならなくてはと少し焦りを感じるが、ベルナルド曰く、飲み込みは早いのだと言う。
ただ、体力がついていっていないと言われ、しっかりと食事をしてくださいと言われた。

「悪いわね、メリッサ」
「とんでもない、早くお元気になられてくださいね?」

メリッサは先程まで開いていた窓を閉めて陽射しをレースのカーテンで遮る。
少しだけ肌寒いような気がするのは、ベルナルドの魔力の流れが止まったかららしい。
身体を巡るベルナルドの魔力は心地好い。
身体がふわりと温かく包まれているようなのだ。

「フェンリエッタ様、大丈夫ですか?」
「大丈夫よ、魔力の関係だから…」

果実水が喉から落ちていく感覚を感じて、やがてその甘味が口に残る。

果実水は、フェンリエッタが自我を戻すためのアイテムなのだ。
ベルナルドの魔力はあたたかく甘美であり、体内をいっぱいにされると自分の意識を保てなくなりそうなのだ。

「あぶないわ…本当に」

そのうち、慣れていく感覚なのだろうか。
フェンリエッタは少量の果実水を飲み干すと、メリッサが用意してくれたサンドイッチを少し食べる。
本当に少ししか食べられない。
魔力でお腹がいっぱいなのだ。
この感覚は普通の人にはわからないのだろうと思う。

「ご馳走さま、下げてもらえる?」
「また少しだけですね…食べられないよりはいいですが…こちらに砂糖菓子を置かせていただきます、食べられそうなら口に入れてくださいね?」

本当に過保護だなとフェンリエッタは笑う。
何日か食べなくても死なないのに。なんて思いながらも唇を引き締める。

「少し眠るわ…」

眠ることで削られた体力を戻すのだ。
メリッサが静かに出ていくのを感じ取ってフェンリエッタは目を閉じた。
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