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本編
P24 形勢逆転
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わたくしの活躍もあって、襲撃者は見事にあの方の腹を深々と刺すことに成功しました。これであの方も二度とわたくしに逆らえなくなるはず……
そう確信したのですが、あの方は腹に刺さったままのナイフを全く意にも介さず腰の剣を抜き、迷うことなく襲撃者の脚に深々と突き立てました。
仕置きは失敗してしまったのでしょうか。
絶望するわたくしをよそに、あのお方は全く動じることなくわたくしをふりほどき、のたうち回る襲撃者を蹴り飛ばして距離をとってから腹部に刺さったナイフを引き抜き……唐突に動きを止めました。
いったいどうしたことでしょうか?
あの方の呼吸が異様に荒くなり、喉がぜえぜえというみっともない音を立てています。いつもの涼やかな美貌が苦し気に歪み、わたくしを憎々し気に睨みつけております。なんという醜態、これぞあの泥棒猫にふさわしい姿でございます。
怒りに燃えるオレンジの瞳がまるで赤々と燃える炎のように美しいなんて、苦痛に顔を歪めていても、あの方の気品と清廉な雰囲気は微塵も損なわれていないなんて、ただの気のせいのはずです。
あの方は傷の痛みで気でも狂ったのでしょうか、唐突に艶やかで美しい茜色の髪を鷲掴みにすると、耳下あたりでざっくりと切り落としたではありませんか。そのまま狂人さながらに口の中で何かをぶつぶつと呟くと、なぜか掴んでいたはずの髪が消え去っておりました。
あの方の腹からはとめどなく真っ赤な血が噴き出しております。
わたくしは愉快で愉快で、笑いが止まりません。これでようやくあの目障りな泥棒猫を消すことができるのです。これからはわたくしの天下、わたくしこそが皆様の賞賛と憧れを一身に集めるのです。
ついにがっくりと膝をついたあのお方をわたくしは軽く蹴り飛ばしてから踏みつけました。先ほど奮戦の甲斐なくなすすべもなく倒され、あの方に足蹴にされた戦士の仇です。
これこそ、身の程知らずの泥棒猫に相応しい扱いというものでしょう。
それなのに、なんということでしょう。こともあろうにあの方はわたくしの美しい脚を掴んで引き寄せました。
あの涼やかな美貌を憎悪に歪ませ、ギラギラと怒りに燃えながらも純粋な炎のように輝く美しい瞳でわたくしを睨み据え……
なぜかわたくしの中から何かがごっそりと抜けていく感覚がしました。とてつもない激痛が下腹の奥から込み上げてきます。
左の背中からも何かが抜け落ちた感覚と、激痛が。
先ほど転がされていた襲撃者も、すさまじい勢いで奇声をあげて転がりまわって苦しんでいるところをみると、彼もまた犠牲になったようです。
あのお方は一体何をしたのでしょうか。
プルクラ様、エスピーア様にも助けていただいて、せっかくあのお方をやっつけたはずなのに、またわたくしの負けなのでしょうか。
あのお方に邪魔だてされることなく、わたくしだけが皆様の憧れと称賛を受ける栄光の日々は、もう訪れないのでしょうか。
そう確信したのですが、あの方は腹に刺さったままのナイフを全く意にも介さず腰の剣を抜き、迷うことなく襲撃者の脚に深々と突き立てました。
仕置きは失敗してしまったのでしょうか。
絶望するわたくしをよそに、あのお方は全く動じることなくわたくしをふりほどき、のたうち回る襲撃者を蹴り飛ばして距離をとってから腹部に刺さったナイフを引き抜き……唐突に動きを止めました。
いったいどうしたことでしょうか?
あの方の呼吸が異様に荒くなり、喉がぜえぜえというみっともない音を立てています。いつもの涼やかな美貌が苦し気に歪み、わたくしを憎々し気に睨みつけております。なんという醜態、これぞあの泥棒猫にふさわしい姿でございます。
怒りに燃えるオレンジの瞳がまるで赤々と燃える炎のように美しいなんて、苦痛に顔を歪めていても、あの方の気品と清廉な雰囲気は微塵も損なわれていないなんて、ただの気のせいのはずです。
あの方は傷の痛みで気でも狂ったのでしょうか、唐突に艶やかで美しい茜色の髪を鷲掴みにすると、耳下あたりでざっくりと切り落としたではありませんか。そのまま狂人さながらに口の中で何かをぶつぶつと呟くと、なぜか掴んでいたはずの髪が消え去っておりました。
あの方の腹からはとめどなく真っ赤な血が噴き出しております。
わたくしは愉快で愉快で、笑いが止まりません。これでようやくあの目障りな泥棒猫を消すことができるのです。これからはわたくしの天下、わたくしこそが皆様の賞賛と憧れを一身に集めるのです。
ついにがっくりと膝をついたあのお方をわたくしは軽く蹴り飛ばしてから踏みつけました。先ほど奮戦の甲斐なくなすすべもなく倒され、あの方に足蹴にされた戦士の仇です。
これこそ、身の程知らずの泥棒猫に相応しい扱いというものでしょう。
それなのに、なんということでしょう。こともあろうにあの方はわたくしの美しい脚を掴んで引き寄せました。
あの涼やかな美貌を憎悪に歪ませ、ギラギラと怒りに燃えながらも純粋な炎のように輝く美しい瞳でわたくしを睨み据え……
なぜかわたくしの中から何かがごっそりと抜けていく感覚がしました。とてつもない激痛が下腹の奥から込み上げてきます。
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あのお方は一体何をしたのでしょうか。
プルクラ様、エスピーア様にも助けていただいて、せっかくあのお方をやっつけたはずなのに、またわたくしの負けなのでしょうか。
あのお方に邪魔だてされることなく、わたくしだけが皆様の憧れと称賛を受ける栄光の日々は、もう訪れないのでしょうか。
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