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三夜目、チャプター選択画面 Chap:お風呂★

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それからすぐにお風呂に連行された。
どうやら一緒に湯船に浸かるのが、彼の望むみそぎであるらしい。

「気持ちぃね、希帆さん♡」

またもやガッチリ背中からホールドの体勢をとっている彼は、先程と違って大変ご満悦だ。
温かなお湯のお陰もあって、彼の両手も体温を取り戻した。

「そうね。お風呂好きなの?」
「好きだよぉ♡希帆さんは?」
「私も大好き!ついつい長風呂しちゃうよね~」

ぱしゃん、とお湯を跳ねさせながら、彼が私の頬に手を伸ばしてきた。
指先でツンツン、としたかと思うと、ぐいんっと顎を掴まれる。
そのまま彼の方に向く様に、顔の方向を変えられる。

「…俺より好き?」

つよぉぉぉぉい!
火力がつよぉぉぉぉい!!

「く、比べるものじゃ、なくない?」
「う~ん…だってさ、お風呂入ってる間は離れなきゃじゃない?」
「お、おぅ?」
「長風呂するなら尚更、離れてる時間が長くなるじゃない?」
「…おぅ?」
「それならちゃんと希帆さんの優先順位を聞いておかないとさ。安心できないよね♡」

なんの安心?どんな安心??
なにその超理論!!!香ばしいな、おい!!!

「…こ、こんな風に一緒に入れば解決、やん?」

どっちも好き、と言っても彼は納得しないと思う。
必ず「どっちか」を選ばないと。
彼は学生、私は社会人。
言うてお風呂の時間が重なる事はなかなか無いやろ!
医学部って忙しいって言うしさ。

「俺、毎日お迎え行くよ?」
「…ん?」
「どうせお風呂のタイミングが違うし、そうそう一緒に入るわけないよ、って適当に答えたでしょう?」
「…ぅあ?」
「一緒にお風呂入るって言ったの、希帆さんだからね♡約束は守ってね♡」

そのまま唇を塞がれ、反論が出来なくなる。
出来たとしても返す言葉なんて持っていない。
毎日職場までお迎えに来るなんて、非現実的すぎるけれど、彼なら実現可能な気がしてしまう。
医学部ってレポートやらテストやら実習やら、その他諸々で忙しいものじゃないの?
この子はどこまでが建前なんだろう。そしてどこからが本気…?
いくら私が彼にとって初めての相手だからと言っても、こんなに執着するものなのか。10以上も年上相手に。

「希帆さん、ちゃんと集中して」

思考の渦に飲まれていたのか、気づいた時には湯船で彼と向かい合わせに座らせられていた。
もちろん彼の上に座った状態なので、当たっている。ナニが。
うぅ…お風呂でするのは好きじゃないんだけどなぁ…。

「キスして?希帆さん♡」

くぅぅぅ…!全てはこの顔面が悪い。
顔が良い。だから凶悪だ。

ちゅっ、とキスして、舌を絡めようと隙間に差し込む。
けれど彼の唇は閉ざされたままで、いつもの様に迎え入れてもらえない。
今度は上唇を食みながら舌先でノックしてみる。それでもまだ開かない。
こうなると意地になってしまって、彼の口元を涎で汚すほど格闘してしまった。
何をやっても彼のその長い舌や白い歯が現れることはなく、薄く笑うその唇に私の雫が重ねられるばかりだ。
キスを強請ったのは自分のくせに…。
もしかして、彼が望んだのはいつものディープキスではないのだろうか。
そう思い至って、彼の額、目元、鼻先、頬、顎に順に唇を落としてみる。
反応を見てみるが彼はニコニコとするばかりで、目で「それから?」と言っているようだった。
その表情を前に、私は思わずムムム、と口を結び、双眼を閉じる。
悔しい。考えたら主導権を握れたのって、最初の1回目の途中までじゃないか!
そこからはずっと翻弄されてる気がする。
今だって、何で素直にキスしてるんだろう、私…。
情けないぞ、私…。負けるな、私…!

カッと目を開くと、口角を上げて悪戯な顔をした水もしたたるイイ男と目が合う。
その目は「次は何をしてくれる?」とでも言いたげだ。
私は瞳を合わせたまま、彼の唇にギリギリ触れるか触れないかの距離まで近づき、数秒の後フイッと顔を逸らす。

「のぼせちゃいそうだから、身体洗おうっと~」

バシャバシャと、勢いよく立ち上がり、浴槽から出てシャワーを捻った。
きちんと並べられているシャワージェルに目を落としながら、さて、これからどうしてやろうか、と計略を練る。

「キスはもうおしまい?」

私の後を追って浴槽から出た彼に腰を捕らえられ、浴槽のへりに座らされた。
立ったままの彼を見上げる格好となって、丁度目線の高さのそびえ立つに瞠目してしまう。
いくら若いと言えど、そして行為初心者と言えど、二夜連続で(しかも一夜目は3回も!)しているのに、どうしてそんなに元気なのだろうか。
君は本当に一昨日までチェリーだったのかい?
それが真実だとしたら、いくら最長3ヵ月の交際しか経験していないと言っても、その欲望を押し留めて彼女と過ごすのは、相当な忍耐力を要したのではないかい?
君は性欲モンスターでせう。
そんな君が愛しい彼女と睦み合わないなんて無理でせう。
だって私たち、出逢って三夜で何回致すのかな???
私は君にとって愛しい彼女でもないのに。
そんな私に欲情するくらいだもん。愛しい彼女は殊更欲しかったろうに。

「…っだって、アナタが意地悪だから」
「意地悪?」
「キス、ちゃんと応えてくれないじゃん」
「ちゃんと?」
「舌とか!絡めてくれない…し……」

喋っている途中で恥ずかしくなって尻すぼみになってしまう。
なんだ、これは!これじゃまるで私がデロデロなキスをしたがってるみたいじゃないか!!

「へぇ?希帆さんは俺とベッロベロなキスがしたかったんだぁ♡」

ベッロベロとか言うな!表現力自重しろ!!

「…違う!したかったのはアナタでしょ!!」
「俺は『キス』して、って言ったけど、ディープキスとは言ってないよ?」
「…!?」

確かにぃぃ!!!途中でね、薄々ね、感じてはいたけどね!!!
恥っっずかしいぃぃぃぃ!!!!
なんか、これ、私、色欲魔みたいじゃない?ヤバない??絵面的に犯罪じゃない???
年下の男の子に無理やりベロチューを迫ったアラサーって罪じゃない?ギルティじゃない??
一人で悶えていると、私と同じ目の高さに身を屈めて彼の顔が眼前に迫ってきた。

「希帆さん、俺とキスしたい?」

それはそれは綺麗なご尊顔で小首を傾げてお尋ねになる彼。
それは…。そんなん…。もう…。
全力で、しとうございます~~~~~~~~~~ぅ!
その肉厚な唇にキス、しとうございます~~~~~~~~ぅ!!
綺麗なお顔の綺麗な唇に、接吻しとうございますぅぅぅぅぅ!!!

でも、素直に口にするのは癪だから、プイッと顔をそむけてしまう。

「…別にっ!」
「そう?…それじゃあ、先に身体を洗ってあげようか♡」

良い笑顔でサクサクと用意をする彼に思わず見とれてしまう。
所作が優雅なのだ。全てにおいて。
シャワージェルのキャップを開ける指先も、泡立てネットで泡を練る手も、流れる所作が美しい。
モコモコと練り上げられた泡を、足先から擦り付けられ、先程まで優雅に動いていた彼の手が私の肌を滑る。
ぐしゅぐしゅ、と足指の間にその太い指が遠慮なく差し入れられた。

「…っあ…っ」

擽ったさについつい声が出てしまう。

「綺麗にしてあげるから我慢してね♡」

ぎちゅ、ぐしゅ、ぎちゅ、ぐしゅ

足指の間、土踏まず、足の甲、彼の大きな手で丹念に磨き上げられていく。

「…ふっ…んぁっ…ふぅんっ…」

ムズムズした疼きが足先から全身を駆け巡る。
驚きに震えた声は、いつの間にか喜悦きえつの色が混じっていた。

「仕事で疲れた足は、ちゃんとマッサージしてあげないとね♡」

彼は私の足首を掴み、ぐりゅん、ぐりゅん、と捻りながら私の膝に、濡れた舌を這わせてきた。
ねっとりと舐め上げられ、その淫靡な感触にぶるり、と身震いをしてしまう。

「泡が足りなくなっちゃった。直接ジェルつけて良い?良いよね♡」

私の返事を待たずに、彼は私の太ももにボトルから直接ドロリとシャワージェルを垂らしてくる。
その冷たささえも甘い刺激となってしまい、自分の口から出る艶めかしい声を止められない。
満足がいく反応だったのか、彼はたのし気に行為を続けている。

「希帆さんの肌白いよね。それにモチモチで気持ち良い♡」

にちょっ、にちょっ、と卑猥な音を立てながら、私の肌の上で泡立てていく。
先程舐め上げられた膝を、今度は指の腹で擦られた。
そうかと思えば膝裏にも指を回され、優しく上下に這わされる。

「こう言う関節付近にはリンパ節もあるから感度が上がる、だっけ?希帆さん♡」

一昨日の私の講釈をきちんと覚えている彼には頭が下がる。
老廃物もながしてくれるし、快感を与えてくれるリンパ管、すごいよね!って教えた記憶があるけど、医学部の彼なら私に聞かなくても元から知っていたのかもしれない。

「ちょっと足開いて?太ももの内側も洗うから」
「ぅや…あっ…」

じゅるんっ、と太ももの間に手を押し入れられ、ひときわ大きな嬌声が出る。

「ハハハ!まだ足しか洗ってないのに、声止まらないね?ここも勃ってる♡」
「あぁっ…!」

しつこいくらいに丹念な愛撫に反応して、ぷっくりと自己主張をする突起を彼の口腔へ納められてしまった。
ちゅこ、ちゅこ、としごくように吸われて、ますます硬くしてしまう。
乳首を舐め責めながらも、彼の両手は太ももを余すことなく撫で上げ、今は鼠径部そけいぶの窪みをまさぐっている。
秘部に近い下腹部への刺激に胴震いが走る。

「っ…んぁんっ…はぁっ…んっ…んふぅ…」
「ここもリンパ節があるからね?ちゃ~んと洗わないと♡」

そう言うと、よくあるマッサージ店のそれのように、手を広げて揉みこまれる。
乳首はなんども、なんども甘噛みされて、ジクジク痛むところを優しく舐めしだかれたり、擽られたりしていく。

「ついつい噛んじゃう♡ごめんね、痛くない?」
「…んっ…大丈夫…ぅあっ…」

今度はお腹に上がってきた左手に身体が跳ね上がる。
にゅく、にゅく、と臍上へそうえを手のひらで円を描くように撫で回されると、ジクジクとした疼きがその下の蜜壺に溜まっていくようだった。
右手は舐めていない方の乳房を丸く包み、いやらしく揉み始める。

「なんかさ、ここ、甘い気がして吸っちゃうし、噛んじゃうんだよね~♡」
「あっ…んぁ……っゃあっ…」

そう言いながら彼は再び薄赤の乳頭をチュクリ、と吸い上げて、ちゅぽんっと放す。

「うん、おいしい♡」
「んんっ……っはぁ……ぁぅ……」
「……って言われると興醒めしちゃうんだよね?希帆さんは♡」

いきなり耳元でバリトンボイスで囁かれ、耳殻じかくを舐めしゃぶられる。
時折り甘噛みをし、それにビクビクと反応する度に「可愛い」と甘言をくれた。
ヌルヌルとした両手で身体をまさぐられながら、声と舌で耳まで犯され、いよいよ意識を手放しそうになる。

「あ~ぁ、とろ~んとした顔しちゃって…♡希帆さん、大丈夫?」

口を半開きにさせて、荒く息を吐く私の頬に伝う汗を舐め取りながら、彼は責め手を一旦止め、優しく問いかけてくれる。

「…ん……はぁ…はぁ……らいじょぶ…」

崩れ落ちそうな身体を、すかさず抱きとめてくれた彼にもたれかかりながら、小さくコクコクと頷く。
コツン、と額と額を合わされて、その高い鼻梁の先を、私の汗ばんだ鼻先にスリスリと擦り寄せられた。

キス、だ。
キスされる。
キスが欲しい。

彼の肉厚な舌を迎え入れるべく、自分の舌をちょこんと出して待ってみる。
しかし暫く待っても欲したそれは与えられない。
半分閉じていた目をゆっくり開くと、色素の薄い瞳がじっとこちらを見ていた。
その瞳を見つめて訴えかけても、欲しいものは与えられず、じれったい思いは濁流のように私の体内をのたうち回る。

「…ふっ……」

堪らず私の身体を支える彼の二の腕に触れる。

「ん?どうしたの希帆さん♡俺に何かして欲しいの?」

これ、絶対に分かってる顔やん!!!
10歳も年下相手に翻弄されてるなんて悔しい!!!
今日は絶対に降参しない!!!絶対に、だ!!!

「欲しくない!」

半ば自棄やけになりながら、二の腕に触れた手で彼をグイッと押し退ける。
もちろん、私の軟弱な力では彼はびくともしなかったけれど。

「ふぅん?…ま、いいや。それなら一度泡を流そうか♡」

彼は一瞬だけ眉根を寄せたが、すぐにニッコリ笑顔で提案してきた。

「背中も洗わなきゃだし、希帆さん、今度はこっちに手を付いて立ってくれる?」

グイッと腕を掴まれて壁に手をついて、お尻を彼に向けた格好で立たされる。
その体勢に私が何か言う前に、彼は素早くシャワーのお湯を私の下半身にかけ始めた。

「くぁんっ…」

ザァザァと臀部にあてられる感触が妙に刺激的で、思わず背中を反らしてしまう。
臀部に打ち付けられたお湯が、ゾロリゾロリと足を伝って落ちていくのも気持ち良い。

「脇の下も洗おうねー♡リンパ、リンパ~」
「…もぅ…やだぁ……」
「あぁ、ほら、ちゃんと立ってて希帆さん。そうじゃないと、はいっちゃうよ?」

熱い肉棒が臀裂でんれつに押し当てられる。

「…やぁ……っ!」

避妊具をしてないたぎりをゆっくり上下に擦り付けながら、手のひらにジェルを纏わせた彼が脇肉を撫ぜ始めた。
ザワザワとした不快な擽ったさの中に、それを超える愉悦に当惑してしまう。

「…あっ……んんっ…ゃだ…やだ…っ」

強烈な刺激に意識を持っていかれそうになりながらも、挿入を拒むために懸命に首を横に振る。
けれど上手く足に力が入らない。
ガクガクと震えてしまって、図らずも彼の肉竿に下半身を押し付ける格好になる。

「希帆さんは、欲しくないの?」

彼は太ももの間に屹立したソレを挿し込みながら、吐息混じりの誘うような声を耳に浴びせてくる。

じゅぷんっ、じゅっちゅんっ

彼の腰の抽送に合わせて、浴室内に水音が響く。

「ここ、ジェルも何もつけてないのに、ヌルヌルだね♡」

彼は愉し気に、私の脇の下の泡を流しながら、その片手を私の秘裂に押し入れてくる。
肉芽の膨らみを的確に捉えられて、言いようもない疼きで頭が白くなった。
指の腹で押しつぶされたり、中指と薬指の間に挟んでクニクニと上下に扱かれて、雌蕊めしんがコリコリと硬く膨らんでいく。

「あぁ…んっ……ふぅ…ふぅ……ぁっ…ぁっ……ぁやあんっ」

自分の声が甘く上ずるのを感じ、羞恥と快楽の狭間にさいなまれた。
けれど、足りない。
達するには優しすぎる。
もっと掻き乱して欲しい。
そんな宝物に触れるような手つきではなく、乱暴に暴いて欲しかった。
り上がる下肢の欲求に突き動かされ、マグマのような猛りを感じさせる彼自身を、太ももの厚みでキュッと締め上げる。
彼が大きく吐き出した吐息が耳にかかり、その刺激にさえ敏感に反応してしまう。

「……あぅ……っ…もう…おねが……っ…」

喉の奥がカラカラだった。
早く潤して欲しかった。
緩やかに情欲の至悦へ追い込まれた花肉が、その実を弾けさせる為に小さく収斂を繰り返す。
舌の根本から溢れ出す唾液は、とうとう口内に収めることができなくなり、だらしなく銀糸を引いて床を汚した。
あと少し、あと少しでこの剛直な欲求から解放される…。
その瞬間に備えて固く目を閉じた。
それなのに…。

「…はい、お終い♡風邪ひいちゃうし、そろそろ上がろっか?」

パッと手を止めて、急に身体を解放されてしまう。
あまりの事にブルブルと身体を震わせて、力なく彼を振り返る。

「なん…でっ…!」

堪えきれず小さく叫んでしまう。
包皮させたままの肉欲の渦が、狂暴なまでに身体中を駆け巡る。

「何でって、ゴムも着けずにエッチできないでしょ?希帆さんが我慢できないなら責任持つけど♡」

少し冷えた肩にシャワーのお湯を掛けてくれながら、人好きのするスマイルを称えた彼が悪魔に見えた。
自分の胴震いが疼きによるものか、怒りによるものか、もう判断がつかない。

とにかく、煽り立てられたままの淫らな熱を早く鎮めたかった。

「じゃあ、ベッドに行こうか♡」

飄々と言ってのける彼に恨みを込めて非難の目を向けたが、涙で潤んだその瞳は、きっと甘い火照りに侵されて誘うような仕草に見えたに違いない。


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