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新たなる妃
皇帝の正体
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香 麗然は皇帝の顔、体格、そして香りに覚えがあった。
「……う、そ……嘘やけんね」
「お前……相変わらず、謎の方言だな?」
そう。皇帝の正体は香 麗然が後宮で初めて会った兵、曹朱だった。
彼女は金魚のように口をパクパクとさせ、言葉を失う。ぷるぷると口を震わせながら彼を指さした。
「嘘でしょーー!?」
香 麗然は驚きのあまり立ち上がってしまう。けれど慣れない服のせいで足がつまずき、倒れそうになった。
「おっと。君は相変わらずだな。少しは落ち着いたらどうだ? これから……」
再び彼女の耳元で囁く。
「新たな妃になるのだから」
「──え?」
聞き間違いか。そう思い、彼に聞き返そうとした。すると……
「皆の者、よく聞くが良い。この者、香 麗然は、今から四夫人の一角となる。我の妃であるがゆえに、何人たりとも、彼女を傷つけることは許さん」
「ははー!」
曹朱ならぬ皇帝の声が走ると同時に、その場にいる全てのものが一斉に頭を下げる。深々と拱手ては「おおせのままに」と、彼の命に従っていった。
(え? はい? 私が妃? どういうことだっぺさ?)
ただ一人、とうの本人だけは、この展開についていけないよう。きょとんとしながら皇帝の話を聞くことしかできなかった。
「香 麗然、いや。香死妃よ。今日からそなたは、香死妃と名乗るがよい」
「……あ、はい。……ほえ?」
気のない返事をする。未だに脳が追いつかず、悶々としながらこの場をやり過ごすしかなかった。
この日、新たな妃、香死妃が誕生した。
「……う、そ……嘘やけんね」
「お前……相変わらず、謎の方言だな?」
そう。皇帝の正体は香 麗然が後宮で初めて会った兵、曹朱だった。
彼女は金魚のように口をパクパクとさせ、言葉を失う。ぷるぷると口を震わせながら彼を指さした。
「嘘でしょーー!?」
香 麗然は驚きのあまり立ち上がってしまう。けれど慣れない服のせいで足がつまずき、倒れそうになった。
「おっと。君は相変わらずだな。少しは落ち着いたらどうだ? これから……」
再び彼女の耳元で囁く。
「新たな妃になるのだから」
「──え?」
聞き間違いか。そう思い、彼に聞き返そうとした。すると……
「皆の者、よく聞くが良い。この者、香 麗然は、今から四夫人の一角となる。我の妃であるがゆえに、何人たりとも、彼女を傷つけることは許さん」
「ははー!」
曹朱ならぬ皇帝の声が走ると同時に、その場にいる全てのものが一斉に頭を下げる。深々と拱手ては「おおせのままに」と、彼の命に従っていった。
(え? はい? 私が妃? どういうことだっぺさ?)
ただ一人、とうの本人だけは、この展開についていけないよう。きょとんとしながら皇帝の話を聞くことしかできなかった。
「香 麗然、いや。香死妃よ。今日からそなたは、香死妃と名乗るがよい」
「……あ、はい。……ほえ?」
気のない返事をする。未だに脳が追いつかず、悶々としながらこの場をやり過ごすしかなかった。
この日、新たな妃、香死妃が誕生した。
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