【完結】悪女のなみだ

じじ

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本編【第二章】

2-31 カレン視点

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「だから、父様と母様の愛が私に向くように姉様の悪口を言っていました。でも、父様と母様の愛情が私に向いているのを理解した時点で、私は姉様を庇うべきでした。」

苦い思いが込み上げてくる。こんな簡単なことになぜ私は気づかなかったのか。

「姉様を守れるのは、この家で私しかいないという事実に私は気づけなかった…父様も母様も、私が姉様のことを悪く言わなかったとしても、きっと姉様のことを疎まれたのでしょう?それを私は薄々感じていながら、姉様を貶め続けた。本来なら私が味方になるべきだったのに。」
「やはり私達を責めるのか」

父様が低い声で問いかけてくる。凄まれているわけでもないのに声が震えそうになる。毎日父の怒声を浴びていたカリーナはどれほど怖かっただろう?

「いいえ。父様や母様にも思いがあったのでしょう。それを否定することは私にはできません。
それに私は父様と母様が姉様を嫌うように仕向けていたのです。お二人のことを責められるはずがありません。ただ、私は姉様に…カリーナに謝りたいのです。許して欲しいとは思いません。でも、その心を持っていると知って欲しいのです。」
「なぜいまになって…」
「カリーナが出ていく際に、私には無関心だとはっきり伝えて行ったとアンから聞きました。私はそれを聞いて、愚かにも初めて自分の本心に気づいたのです。カリーナの特別な人でありたかったと。いまさら遅いですが…せめてできることだけでもしようかと思いました。」
「…」
「私は父様も母様も愛しています…そしてカリーナのことも。父様と母様がカリーナを疎んじられる理由は詳しくは分かりませんが…先ほどの母様の取り乱しよう…サシャ様が関係していらっしゃるのでしょう?」

二人ともきまり悪そうに私から視線を外した。

「サシャ様と違いカリーナとは紡げる未来があります。もちろんカリーナの心が許せばですが。でも私は再びカリーナの瞳に映してもらえるのなら…次こそは彼女が信頼できる家族になりたいのです」

両親は黙り込んでいる。私はその二人を見ながら祈るような気持ちでいた。
どうか、父様と母様にこの気持ちが伝わって欲しい。カリーナが再びこの屋敷を訪れる時に安心して帰ってこられる家族となれるように。
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