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第七章
瑞々しく咲く華とならむ 4
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…確かに思い当たる節があった。
瑞華の態度でそんな風に思い込んだのかと驚愕していたが、つまり鷹羽の口車を両親が信じていたということだったのだ。
この件に関しては、瑞華もまた、鷹羽氏とのことを親に強く勧められている錯覚を持っていたのだから、強く批判は出来ない。
親子揃って、上手く乗せられたというわけだ。
瑞華は肩を落とした。
「デート後、瑞華ちゃんのお父さんに、『今までのことはなかったことにして契約の見直ししませんか?』って各社回って貰ったら、結構の数の会社が面白いほど好条件で契約しなおせたらしいぜ?」
「そ、そうですか…」
「経理の数字も、大急ぎで確認とどうするかの対策もなんとかなって…瑞華ちゃんが見つけたのは誤算だけど。つーか、あんなんで今まで良く倒産しなかったな」
呆れた口調で風人さんに言われ、頭が下がる思いと――久々の毒に妙な安心を覚えた。
取引先で商品の希少性を楯に、見直しが上手くいかなかったものも幾つかあったらしいが、そこはなんとこの数日の間に、販売店を通すのを止めた風人が現地契約をしてきたのだという。
それも一つや二つではない。
見せられた資料に纏められた、その契約の数の多さに圧倒された。
「今後はバイヤー業務出来る人間も増えていく予定だから。元々、外商部もちゃんとあるわけだし大丈夫でしょ」
さらっと付け加えられ、全くとお小言が加わる。
「鷹羽氏にこっちの動きがばれないように、特に瑞華ちゃんにはこのことを内緒にして、
詰めのここ最近なんて、九条で捕まえてて貰ってたのに、なんで今日に限って。
しかも一日で経費の問題に気付いちゃうなんて賢いけど、間が悪すぎ――」
今日の今日。
ある程度の目星がついて、風人から促された瑞華の父が、鷹羽氏の援助を終わらせる為の話に行った直後
――九条より、瑞華が捕まらないという報告があったらしい。
まさかまさかの鷹羽氏の手中に自ら飛び込んで行ったわけだから、確かにタイミングが悪すぎる。
婚約決定の話は、勿論、嘘。
瑞華は鷹羽氏の最後の切り札に、陥落させられる所だったわけだ。
「すみません・・・」
自分のみっともなさに小さく小さくなっていると、しばらくの沈黙の後、ふっと笑われた。
「まあ、俺が鷹羽氏の悪事に気付くことが出来たのは瑞華ちゃんのおかげだけどね」
「は?どういうことですか?」
意味が分からずに聞き返す。
すると風人は、胸ポケットからUSBメモリを取り出し、ぽんと投げてよこした。
瑞華の態度でそんな風に思い込んだのかと驚愕していたが、つまり鷹羽の口車を両親が信じていたということだったのだ。
この件に関しては、瑞華もまた、鷹羽氏とのことを親に強く勧められている錯覚を持っていたのだから、強く批判は出来ない。
親子揃って、上手く乗せられたというわけだ。
瑞華は肩を落とした。
「デート後、瑞華ちゃんのお父さんに、『今までのことはなかったことにして契約の見直ししませんか?』って各社回って貰ったら、結構の数の会社が面白いほど好条件で契約しなおせたらしいぜ?」
「そ、そうですか…」
「経理の数字も、大急ぎで確認とどうするかの対策もなんとかなって…瑞華ちゃんが見つけたのは誤算だけど。つーか、あんなんで今まで良く倒産しなかったな」
呆れた口調で風人さんに言われ、頭が下がる思いと――久々の毒に妙な安心を覚えた。
取引先で商品の希少性を楯に、見直しが上手くいかなかったものも幾つかあったらしいが、そこはなんとこの数日の間に、販売店を通すのを止めた風人が現地契約をしてきたのだという。
それも一つや二つではない。
見せられた資料に纏められた、その契約の数の多さに圧倒された。
「今後はバイヤー業務出来る人間も増えていく予定だから。元々、外商部もちゃんとあるわけだし大丈夫でしょ」
さらっと付け加えられ、全くとお小言が加わる。
「鷹羽氏にこっちの動きがばれないように、特に瑞華ちゃんにはこのことを内緒にして、
詰めのここ最近なんて、九条で捕まえてて貰ってたのに、なんで今日に限って。
しかも一日で経費の問題に気付いちゃうなんて賢いけど、間が悪すぎ――」
今日の今日。
ある程度の目星がついて、風人から促された瑞華の父が、鷹羽氏の援助を終わらせる為の話に行った直後
――九条より、瑞華が捕まらないという報告があったらしい。
まさかまさかの鷹羽氏の手中に自ら飛び込んで行ったわけだから、確かにタイミングが悪すぎる。
婚約決定の話は、勿論、嘘。
瑞華は鷹羽氏の最後の切り札に、陥落させられる所だったわけだ。
「すみません・・・」
自分のみっともなさに小さく小さくなっていると、しばらくの沈黙の後、ふっと笑われた。
「まあ、俺が鷹羽氏の悪事に気付くことが出来たのは瑞華ちゃんのおかげだけどね」
「は?どういうことですか?」
意味が分からずに聞き返す。
すると風人は、胸ポケットからUSBメモリを取り出し、ぽんと投げてよこした。
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