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第一章 4月
お姉さまの足跡 ★7★
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「そういえば」
遥先輩が思い出したように言った。
「先日の入学式に、小鳥遊志奈様が来てたんじゃないかっていう噂があるのよ。貴女達、なにか知らない?」
思わず吹き出しそうになって、どうにか堪えた。
幸も目を丸くして、固まっている。
「そんな噂があるの?」
初耳だと言う様子で凛子先輩が聞き返すと、遥先輩は頷く。
「それがね。よく似た人が保護者席にいた、らしいの。とは言え、入学式なんて随分厳かに行われるから、騒ぎになったわけでもないし、よく分からないのよ」
「た、確かに。常葉学園の入学式は、本当に質実剛健を絵に書いたような入学式でした」
幸が分かるような分からないようなことを言って、相槌を打っている。
「志奈さんが、入学式にねぇ」
凛子先輩が頬杖をついて考え込むと、遥先輩は楽しそうに笑った。
「志奈さまに会いたがってた中等部からの生徒も多いし、夢でも見たのかしら。本当にいたなら、噂だけなんて可笑しいわね」
もちろん柚鈴からすると、笑い事ではない。
どこで見られたのだろうか。
入学式の間は、生徒の背後が保護者席だし、終了後の写真撮影は一番最初だから、それ程たくさんの生徒に見られたとは思えなかった。
だから噂程度で済んでいるんだろうけど。
一緒にいたところを見られていたのかもしれない。
それがどんな噂なのか具体的に聞きたい気持ちはあるが、なんと聞けばいいのかもよく分からない。
「それで、あなたたち心当たりはない?」
先に遥先輩から、改めて質問を受けて、一瞬頭が真っ白になった。
私には心当たりしかない。
「入学式は」
どうにか何かを言おうと口を開いてみる。
入学式は、なんだろう。
「入学式は、質実剛健を絵に描いたような厳かなものでした」
思わず、幸と同じことを言ってしまい、頭を垂れた。
ダメ。これ国語のテストなら、欠点。
質実剛健を絵に描くってなんなのよ、幸!
思わず八つ当たりを心で叫んでいると、ふふっと凛子先輩が笑いだした。
「なによ、凛子」
遥先輩が目を細くして聞くと、凛子先輩は笑いをこらえながら、楽しそうに周りを見た。それから落ち着くように小さく息をついた。
「柚鈴さんも幸さんも外部からの入学者なのよ?志奈さんの顔だって、それ程知らないんじゃないの」
「まぁ、そうよね」
あっさりと遥先輩が頷くと、凛子先輩は今度は、幸と柚鈴に目を向ける。
「あなたたち、仮にも特進の東組でしょう。言葉は整理して使ってちょうだい」
そういうと、ツボにハマったのだろうか。再度、凛子先輩はクスクスと笑い始めた。
なんだか、居た堪れない。
とほほと肩を落としていると、コンコンと扉の方から音がする。
どうやら、来客らしい。
柚鈴は扉を見つめた。
遥先輩が思い出したように言った。
「先日の入学式に、小鳥遊志奈様が来てたんじゃないかっていう噂があるのよ。貴女達、なにか知らない?」
思わず吹き出しそうになって、どうにか堪えた。
幸も目を丸くして、固まっている。
「そんな噂があるの?」
初耳だと言う様子で凛子先輩が聞き返すと、遥先輩は頷く。
「それがね。よく似た人が保護者席にいた、らしいの。とは言え、入学式なんて随分厳かに行われるから、騒ぎになったわけでもないし、よく分からないのよ」
「た、確かに。常葉学園の入学式は、本当に質実剛健を絵に書いたような入学式でした」
幸が分かるような分からないようなことを言って、相槌を打っている。
「志奈さんが、入学式にねぇ」
凛子先輩が頬杖をついて考え込むと、遥先輩は楽しそうに笑った。
「志奈さまに会いたがってた中等部からの生徒も多いし、夢でも見たのかしら。本当にいたなら、噂だけなんて可笑しいわね」
もちろん柚鈴からすると、笑い事ではない。
どこで見られたのだろうか。
入学式の間は、生徒の背後が保護者席だし、終了後の写真撮影は一番最初だから、それ程たくさんの生徒に見られたとは思えなかった。
だから噂程度で済んでいるんだろうけど。
一緒にいたところを見られていたのかもしれない。
それがどんな噂なのか具体的に聞きたい気持ちはあるが、なんと聞けばいいのかもよく分からない。
「それで、あなたたち心当たりはない?」
先に遥先輩から、改めて質問を受けて、一瞬頭が真っ白になった。
私には心当たりしかない。
「入学式は」
どうにか何かを言おうと口を開いてみる。
入学式は、なんだろう。
「入学式は、質実剛健を絵に描いたような厳かなものでした」
思わず、幸と同じことを言ってしまい、頭を垂れた。
ダメ。これ国語のテストなら、欠点。
質実剛健を絵に描くってなんなのよ、幸!
思わず八つ当たりを心で叫んでいると、ふふっと凛子先輩が笑いだした。
「なによ、凛子」
遥先輩が目を細くして聞くと、凛子先輩は笑いをこらえながら、楽しそうに周りを見た。それから落ち着くように小さく息をついた。
「柚鈴さんも幸さんも外部からの入学者なのよ?志奈さんの顔だって、それ程知らないんじゃないの」
「まぁ、そうよね」
あっさりと遥先輩が頷くと、凛子先輩は今度は、幸と柚鈴に目を向ける。
「あなたたち、仮にも特進の東組でしょう。言葉は整理して使ってちょうだい」
そういうと、ツボにハマったのだろうか。再度、凛子先輩はクスクスと笑い始めた。
なんだか、居た堪れない。
とほほと肩を落としていると、コンコンと扉の方から音がする。
どうやら、来客らしい。
柚鈴は扉を見つめた。
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