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第一章 4月
お姉さまと一緒に ★2★
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「あ、有沢部長」
「なに?」
「今日、陸上部はスペシャルメニューをされたんですよね?明日、反省を込めて、私もそれがしたいんですが」
しれっと言った様子は反省しているからといった雰囲気はない。
噂のスペシャルメニューに興味深々と言った様子だ。
「良いけど。あれは毎日出来るメニューじゃないから、明日やるとしても、高村さん一人でやるのよ?」
「構いません」
「それなら良いでしょう。明日メニューを教えるわね」
有沢部長は、そういうと遥先輩と凛子先輩の方を見た。
「夜分に失礼しました。それじゃあ、失礼します」
「ちょっと待ってください」
前田先輩は、薫を睨むように見ながら、有沢部長を止めた。
「どうしたの?光希」
「どうしてももう一つ、高村さんには言っておかなきゃならないんです」
穏やかな雰囲気ではないが、有沢部長は困ったような顔を一瞬浮かべただけで頷いた。
光希さんを信頼しているんだろう。
「分かったわ」
前田先輩は、早口にお礼を言うと、薫に向かって声を大きくした。
「高村さん、あなたが私のバッチを受け取らなかったのは、私があなたより記録が出ないからよね?」
「……」
これには周りいた先輩方の方がぎょっとしたような雰囲気になった。
薫だけが、飄々とした態度を崩さず頷く。
「まあ、そういうことです」
「そういうことなら私は諦めないわ。スランプだって絶対克服してみせる」
前田先輩は高らかに宣言した。
「いい?もし私が、あなたよりもいい記録をだしたら、四の五の言わずに私のメンティになるのよ?」
「え、諦めないんですか?」
薫が驚いたような声を上げると、前田先輩は不敵に笑った。
「そうよ。あなたの言う通り、私は執念が強いの。一度でもメンティにしようと思ったんだから、必ずそうしてみせる。正々堂々とね」
「はあ。いいですよ、負けませんし」
薫は肩を竦めてから目を細めて笑った。
自信があるという表情に、前田先輩は勝負を挑むように頷いた。
「部長、私の用は終わりました」
「あなたは、全く」
呆れたようななんとも言えないという顔をして、有沢部長はクスクスと笑った。
「まあ、いいわ。正々堂々の勝負なら、楓さんも喜びそうだし」
それから今度こそと、全員に挨拶をして前田先輩と帰っていった。
「まあ、なんとかなって良かったわね」
遥先輩が言うと、凛子先輩が遥先輩の肩を叩いた。
「今回は遥のお陰ね」
「え?」
「大学部までわざわざ行ってくれたんでしょう?私の方はあんまり上手く行ってなかったから助かったわ」
「ええ?」
戸惑ったように、遥先輩は薫の方を見た。
「あなた、どうして言ったの?上手くいかなかったから黙っていなさいっていったじゃないの」
「え?あ、いや」
「上手くいったじゃない」
凛子先輩は遥先輩の様子を照れ隠しとでも思ったらしい。
軽く笑ってみせた。
「いかなかったわよ。今田先輩にあって、緋村先輩の説得を試みたけど全然。最後は薫さん相手に世間話始めちゃって大変だったんだから」
「世間話しろって言ったのは、遥先輩だったじゃないですか。今田先輩を動かすとしたら、懐に飛び込むくらいじゃないとダメだからって」
「あなたは世間話が盛り上がりすぎなのよ!」
遥先輩がツインテールを揺らして怒ると、凛子先輩が苦笑した。
「何にせよ。それが功をなして、こうやって問題も解決したんだと思うわよ」
「全くそんな気がしないわ」
遥先輩は全く腑に落ちない様子だが、凛子先輩は機嫌よさそうに伸びをした。
「お腹すいたなあ」
その様子に、遥先輩はふっと笑った。
労わるように凛子先輩の肩を叩く。
「食事なら取っておいたわよ」
「ありがとう、遥」
そういって、こちらにやってくる気配に、柚鈴と幸はこっそり部屋に戻った。
薫だけは二人の後ろ姿に気付いたことも知らずに。
「なに?」
「今日、陸上部はスペシャルメニューをされたんですよね?明日、反省を込めて、私もそれがしたいんですが」
しれっと言った様子は反省しているからといった雰囲気はない。
噂のスペシャルメニューに興味深々と言った様子だ。
「良いけど。あれは毎日出来るメニューじゃないから、明日やるとしても、高村さん一人でやるのよ?」
「構いません」
「それなら良いでしょう。明日メニューを教えるわね」
有沢部長は、そういうと遥先輩と凛子先輩の方を見た。
「夜分に失礼しました。それじゃあ、失礼します」
「ちょっと待ってください」
前田先輩は、薫を睨むように見ながら、有沢部長を止めた。
「どうしたの?光希」
「どうしてももう一つ、高村さんには言っておかなきゃならないんです」
穏やかな雰囲気ではないが、有沢部長は困ったような顔を一瞬浮かべただけで頷いた。
光希さんを信頼しているんだろう。
「分かったわ」
前田先輩は、早口にお礼を言うと、薫に向かって声を大きくした。
「高村さん、あなたが私のバッチを受け取らなかったのは、私があなたより記録が出ないからよね?」
「……」
これには周りいた先輩方の方がぎょっとしたような雰囲気になった。
薫だけが、飄々とした態度を崩さず頷く。
「まあ、そういうことです」
「そういうことなら私は諦めないわ。スランプだって絶対克服してみせる」
前田先輩は高らかに宣言した。
「いい?もし私が、あなたよりもいい記録をだしたら、四の五の言わずに私のメンティになるのよ?」
「え、諦めないんですか?」
薫が驚いたような声を上げると、前田先輩は不敵に笑った。
「そうよ。あなたの言う通り、私は執念が強いの。一度でもメンティにしようと思ったんだから、必ずそうしてみせる。正々堂々とね」
「はあ。いいですよ、負けませんし」
薫は肩を竦めてから目を細めて笑った。
自信があるという表情に、前田先輩は勝負を挑むように頷いた。
「部長、私の用は終わりました」
「あなたは、全く」
呆れたようななんとも言えないという顔をして、有沢部長はクスクスと笑った。
「まあ、いいわ。正々堂々の勝負なら、楓さんも喜びそうだし」
それから今度こそと、全員に挨拶をして前田先輩と帰っていった。
「まあ、なんとかなって良かったわね」
遥先輩が言うと、凛子先輩が遥先輩の肩を叩いた。
「今回は遥のお陰ね」
「え?」
「大学部までわざわざ行ってくれたんでしょう?私の方はあんまり上手く行ってなかったから助かったわ」
「ええ?」
戸惑ったように、遥先輩は薫の方を見た。
「あなた、どうして言ったの?上手くいかなかったから黙っていなさいっていったじゃないの」
「え?あ、いや」
「上手くいったじゃない」
凛子先輩は遥先輩の様子を照れ隠しとでも思ったらしい。
軽く笑ってみせた。
「いかなかったわよ。今田先輩にあって、緋村先輩の説得を試みたけど全然。最後は薫さん相手に世間話始めちゃって大変だったんだから」
「世間話しろって言ったのは、遥先輩だったじゃないですか。今田先輩を動かすとしたら、懐に飛び込むくらいじゃないとダメだからって」
「あなたは世間話が盛り上がりすぎなのよ!」
遥先輩がツインテールを揺らして怒ると、凛子先輩が苦笑した。
「何にせよ。それが功をなして、こうやって問題も解決したんだと思うわよ」
「全くそんな気がしないわ」
遥先輩は全く腑に落ちない様子だが、凛子先輩は機嫌よさそうに伸びをした。
「お腹すいたなあ」
その様子に、遥先輩はふっと笑った。
労わるように凛子先輩の肩を叩く。
「食事なら取っておいたわよ」
「ありがとう、遥」
そういって、こちらにやってくる気配に、柚鈴と幸はこっそり部屋に戻った。
薫だけは二人の後ろ姿に気付いたことも知らずに。
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