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第二章 5月‐序
姉妹っぽいこと ★2★
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サクッとした歯ごたえと、焼きたての良い香りが口の中に広がった。
「美味しい」
思わず口に出ると、オトウサンはニコニコと嬉しそうに笑った。
「だよね。中々食べる機会がないんだけど、やっぱり焼きたてのパンもたまにはいいよね。志奈も起きてきたら良いのに」
「志奈さん、まだなんですね。私、起こしてきましょうか?せっかくのお休みだし、寝かせて置いた方が良いでしょうか?」
「でも、柚鈴ちゃんも食事中なんだし」
「行儀が悪いでしょうか?」
「いや、志奈も柚鈴ちゃんと一緒に一緒に朝食を食べたいとは思うよ」
そう躊躇いがちにオトウサンがいうのを聞いて、柚鈴は食べかけのトーストを置いて立ち上がった。
「ちょっと声だけ掛けてきます」
柚鈴は階段を登り、志奈さんの部屋の前に立った。
寝ていたら悪いだろうかと思いつつ、一応声だけでもと思いノックをしてみる。
しんとして、部屋の中から音がする気配はない。
どうしたものか悩みながら、もう一度ノックをしてから声を掛けてみた。
「志奈さん。朝ごはん一緒にいかがですか?」
「は~い…」
力無い返事があってから、少しの間。
起きたのか、また寝たのか。
どちらなのか判断に迷うだけの時間が過ぎる。
「すぐ、下りるから。先に行ってて」
確かに起きていると思われる声。
それからゆっくりと起き上がったのだろう、部屋からの物音。
これから朝の準備をして下りてくるのだろう。
「じゃあ、先に下りてますね」
柚鈴は階段を降りた。
テーブルに戻ると、オトウサンが自分の分のトーストを用意し終わっていた。
柚鈴が戻ってくるのを見て、自分のトーストにバターを塗り始めている。
「すぐ降りるって言ってました」
「ありがとう。じゃあ、パンを焼いておこうかな」
オトウサンが志奈さんの分を準備するために立ち上がると。
「いっけない」
お母さんが慌ただしく立ち上がった。
何事かと見ると、携帯でスケジュールの確認をしている。
「今日は急ぎの用があったの忘れてた!そろそろ行かなきゃ」
一度座ってから、慌てて食べかけのトーストを食べてコーヒーを飲むと、再度立ち上がって荷物も確認しながら手に取る。
「百合さん、送って行くよ。それならもう少しゆっくり出来るんじゃない?」
落ち着いた様子で、志奈さんのトーストを焼くためのタイマーをセットしてから、オトウサンが声をかけるが、お母さんは首を振った。
「電車の中で目を通したい資料があるの。車だと酔いそうだからお気持ちだけ頂きます」
そう言って、用意されたお昼ご飯をしっかり持った。
「昼食は美味しくゆっくり感謝を込めて頂くから、ばたばたしてごめんなさい」
小走りのお母さんの見送りに、柚鈴はオトウサンと玄関まで一緒に行く。
「ごめんね、柚鈴。バタバタしてて。明日はお休みだから、ゆっくり話そう」
「うん。あんまり無理しないでね」
あまりの慌ただしさに、行ってらっしゃいの言葉をお母さんがちゃんと聞いたかもわからない。
駅までに使用している自転車に乗り込んで、あっという間に出かけて行ったお母さんを、オトウサンが見届けてから悲しげに呟いた。
「なんというか柚鈴ちゃんをドライブに誘うより、毎朝の百合さんを車に乗せる方が難しい」
その悲しげな声に思わず柚鈴が噴き出すと、オトウサンは心底、困った顔をした。
「笑い事じゃないんだよ。百合さんの職場は通勤で乗り換えるより車で行った方が早いのに、断固として車通勤を拒否するんだから」
「それ、オトウサンのお金で車を買うことになるからじゃないですか?」
そういうと、オトウサンはますます悲しげに顔を曇らせた。
図星らしい。
「美味しい」
思わず口に出ると、オトウサンはニコニコと嬉しそうに笑った。
「だよね。中々食べる機会がないんだけど、やっぱり焼きたてのパンもたまにはいいよね。志奈も起きてきたら良いのに」
「志奈さん、まだなんですね。私、起こしてきましょうか?せっかくのお休みだし、寝かせて置いた方が良いでしょうか?」
「でも、柚鈴ちゃんも食事中なんだし」
「行儀が悪いでしょうか?」
「いや、志奈も柚鈴ちゃんと一緒に一緒に朝食を食べたいとは思うよ」
そう躊躇いがちにオトウサンがいうのを聞いて、柚鈴は食べかけのトーストを置いて立ち上がった。
「ちょっと声だけ掛けてきます」
柚鈴は階段を登り、志奈さんの部屋の前に立った。
寝ていたら悪いだろうかと思いつつ、一応声だけでもと思いノックをしてみる。
しんとして、部屋の中から音がする気配はない。
どうしたものか悩みながら、もう一度ノックをしてから声を掛けてみた。
「志奈さん。朝ごはん一緒にいかがですか?」
「は~い…」
力無い返事があってから、少しの間。
起きたのか、また寝たのか。
どちらなのか判断に迷うだけの時間が過ぎる。
「すぐ、下りるから。先に行ってて」
確かに起きていると思われる声。
それからゆっくりと起き上がったのだろう、部屋からの物音。
これから朝の準備をして下りてくるのだろう。
「じゃあ、先に下りてますね」
柚鈴は階段を降りた。
テーブルに戻ると、オトウサンが自分の分のトーストを用意し終わっていた。
柚鈴が戻ってくるのを見て、自分のトーストにバターを塗り始めている。
「すぐ降りるって言ってました」
「ありがとう。じゃあ、パンを焼いておこうかな」
オトウサンが志奈さんの分を準備するために立ち上がると。
「いっけない」
お母さんが慌ただしく立ち上がった。
何事かと見ると、携帯でスケジュールの確認をしている。
「今日は急ぎの用があったの忘れてた!そろそろ行かなきゃ」
一度座ってから、慌てて食べかけのトーストを食べてコーヒーを飲むと、再度立ち上がって荷物も確認しながら手に取る。
「百合さん、送って行くよ。それならもう少しゆっくり出来るんじゃない?」
落ち着いた様子で、志奈さんのトーストを焼くためのタイマーをセットしてから、オトウサンが声をかけるが、お母さんは首を振った。
「電車の中で目を通したい資料があるの。車だと酔いそうだからお気持ちだけ頂きます」
そう言って、用意されたお昼ご飯をしっかり持った。
「昼食は美味しくゆっくり感謝を込めて頂くから、ばたばたしてごめんなさい」
小走りのお母さんの見送りに、柚鈴はオトウサンと玄関まで一緒に行く。
「ごめんね、柚鈴。バタバタしてて。明日はお休みだから、ゆっくり話そう」
「うん。あんまり無理しないでね」
あまりの慌ただしさに、行ってらっしゃいの言葉をお母さんがちゃんと聞いたかもわからない。
駅までに使用している自転車に乗り込んで、あっという間に出かけて行ったお母さんを、オトウサンが見届けてから悲しげに呟いた。
「なんというか柚鈴ちゃんをドライブに誘うより、毎朝の百合さんを車に乗せる方が難しい」
その悲しげな声に思わず柚鈴が噴き出すと、オトウサンは心底、困った顔をした。
「笑い事じゃないんだよ。百合さんの職場は通勤で乗り換えるより車で行った方が早いのに、断固として車通勤を拒否するんだから」
「それ、オトウサンのお金で車を買うことになるからじゃないですか?」
そういうと、オトウサンはますます悲しげに顔を曇らせた。
図星らしい。
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