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第三章 5月‐結
お姉さま、午後の部がスタートしました! 5
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3年生創作ダンスが始まろうとする頃、柚鈴は同窓会用のテントを目指して移動していた。
先輩方と話している柚鈴の邪魔にならないよう距離をとって、応援合戦を見届けてしまってから絵里が同窓会テントに向かおうとするのに気付き、一緒させてもらっているのだ。
岬紫乃舞さんがいるかどうかを確認するために。
もはや、しのさんのことは大分諦めつつあったが、聞きそびれた凛子先輩の用にしろ、体育祭中に確認するには、今しか時間がない気がする。
創作ダンスの合間に同窓会テントを確認し、創作ダンスが終わったら、同窓会もしくは生徒会用のテントに戻ってきた凛子先輩に声を掛ける。
それから、借り物競争への待機場所に向かうのだ。
これなら気がかりが全部クリア出来そう、という算段である。
「それで借り物競争の方は大丈夫なの?」
「しのさん…岬紫乃舞さんが見つかると大分助かるんだけど、一応それ以外でも考えていることはある、かな」
絵里に確認されて、曖昧な返事を返すしかなく、柚鈴は誤魔化した。
しのさんが見つかれば、予定通り、しのさんと一緒に走らせてもらえればと、正直思っている。
だが新しい選択肢は一応考えていた。しかしその内容は褒められたものでもないだろう。
ペアになりたい人。
それは今現在、常葉学園の中にはいない、としか言いようがない。
とすれば、だ。
借り物競走に出ると決めておいて、もっとも選ぶには不正解な答えこそ選ぶべき答え。
つまり、誰とも一緒に走らないのが答えではないだろうか、と思えてきていた。
一人でゴールするのだ。
その後の東郷先輩からはひたすら逃げるか、もしくは断り続ける。
それが上手い答えだとは全く言えないし、どちらかと言えばダメだろうと思っていたので潔くは決断出来ない、
だが、今日一日の様々な出来事によって、柚鈴が何かを選択するとすれば、今までのどの答えよりも自分らしい気もする。
自分で考えてる分。まし、というか。
小牧先輩は素直だと評してくれたが、今の答えは全部、人の案をそのままそうかそうか、と受け取っていたばかりな気がする。
柚鈴は結局、自分でちゃんと考えてなかった。
だから新しい展開があるたびに迷ってしまう。
どのアドバイスも、悪くないどころか、柚鈴が思いつくものより断然スマートで正しい。
それでも迷ってしまうのは、結局、柚鈴が要領の良い選択肢なんてものが苦手なのだからだろうと思う。
馬鹿でも不器用と分かっていても、一番納得できる答えを選んで、後でたまにぐずぐず悩みながら、それでも自分にはそれしかなかったと結論に至るのが柚鈴らしい。
そうして嫌な気持ちもありつつ母親の再婚も後押しした不器用ものだ。
その答えもわりかし悪くはなかった、と勿論思っている。
それどころか、一番良かったかもしれない、と思うことも増えてきている。
多分、それは。
少しは図々しい義姉のせいでもあるだろう。
柚鈴が呆れるほどべたべたしたがるし、助言者は要らないと思わせるあの人のせい。
だから一番柚鈴らしい上手い答えでないけれど、もしかしたら一番なのかもしれないという一つの手段。
王道とは言い難いものではあり、中々思い切れない答えなのだが。
出来れば、しのさんと一緒に走らせてもらいたい。
あんまり独創的なことはしたくはない、というのが正直な所だ。
テントに着く頃には、三年生の創作ダンスが始まるところだった。
明智さんが中を覗く間に、思わず緊張して柚鈴はグラウンドを眺める。
しのさん、見つからなかったらどうしよう。
いやいや、見つかったらどうすればいいんだっけ?
うだうだと悩む気持ちが我ながら鬱陶しい。
三年生の創作ダンスの曲が始まっていた。
出来れば意識を逸らしたくて、知っている先輩を探して視線を彷徨わせてると、後ろから目隠しされた。
「だーれだ」
よく響くその声に。
今日探していたその声の持ち主の存在が真後ろで、結局柚鈴は創作ダンスどころでなくなってしまった。
先輩方と話している柚鈴の邪魔にならないよう距離をとって、応援合戦を見届けてしまってから絵里が同窓会テントに向かおうとするのに気付き、一緒させてもらっているのだ。
岬紫乃舞さんがいるかどうかを確認するために。
もはや、しのさんのことは大分諦めつつあったが、聞きそびれた凛子先輩の用にしろ、体育祭中に確認するには、今しか時間がない気がする。
創作ダンスの合間に同窓会テントを確認し、創作ダンスが終わったら、同窓会もしくは生徒会用のテントに戻ってきた凛子先輩に声を掛ける。
それから、借り物競争への待機場所に向かうのだ。
これなら気がかりが全部クリア出来そう、という算段である。
「それで借り物競争の方は大丈夫なの?」
「しのさん…岬紫乃舞さんが見つかると大分助かるんだけど、一応それ以外でも考えていることはある、かな」
絵里に確認されて、曖昧な返事を返すしかなく、柚鈴は誤魔化した。
しのさんが見つかれば、予定通り、しのさんと一緒に走らせてもらえればと、正直思っている。
だが新しい選択肢は一応考えていた。しかしその内容は褒められたものでもないだろう。
ペアになりたい人。
それは今現在、常葉学園の中にはいない、としか言いようがない。
とすれば、だ。
借り物競走に出ると決めておいて、もっとも選ぶには不正解な答えこそ選ぶべき答え。
つまり、誰とも一緒に走らないのが答えではないだろうか、と思えてきていた。
一人でゴールするのだ。
その後の東郷先輩からはひたすら逃げるか、もしくは断り続ける。
それが上手い答えだとは全く言えないし、どちらかと言えばダメだろうと思っていたので潔くは決断出来ない、
だが、今日一日の様々な出来事によって、柚鈴が何かを選択するとすれば、今までのどの答えよりも自分らしい気もする。
自分で考えてる分。まし、というか。
小牧先輩は素直だと評してくれたが、今の答えは全部、人の案をそのままそうかそうか、と受け取っていたばかりな気がする。
柚鈴は結局、自分でちゃんと考えてなかった。
だから新しい展開があるたびに迷ってしまう。
どのアドバイスも、悪くないどころか、柚鈴が思いつくものより断然スマートで正しい。
それでも迷ってしまうのは、結局、柚鈴が要領の良い選択肢なんてものが苦手なのだからだろうと思う。
馬鹿でも不器用と分かっていても、一番納得できる答えを選んで、後でたまにぐずぐず悩みながら、それでも自分にはそれしかなかったと結論に至るのが柚鈴らしい。
そうして嫌な気持ちもありつつ母親の再婚も後押しした不器用ものだ。
その答えもわりかし悪くはなかった、と勿論思っている。
それどころか、一番良かったかもしれない、と思うことも増えてきている。
多分、それは。
少しは図々しい義姉のせいでもあるだろう。
柚鈴が呆れるほどべたべたしたがるし、助言者は要らないと思わせるあの人のせい。
だから一番柚鈴らしい上手い答えでないけれど、もしかしたら一番なのかもしれないという一つの手段。
王道とは言い難いものではあり、中々思い切れない答えなのだが。
出来れば、しのさんと一緒に走らせてもらいたい。
あんまり独創的なことはしたくはない、というのが正直な所だ。
テントに着く頃には、三年生の創作ダンスが始まるところだった。
明智さんが中を覗く間に、思わず緊張して柚鈴はグラウンドを眺める。
しのさん、見つからなかったらどうしよう。
いやいや、見つかったらどうすればいいんだっけ?
うだうだと悩む気持ちが我ながら鬱陶しい。
三年生の創作ダンスの曲が始まっていた。
出来れば意識を逸らしたくて、知っている先輩を探して視線を彷徨わせてると、後ろから目隠しされた。
「だーれだ」
よく響くその声に。
今日探していたその声の持ち主の存在が真後ろで、結局柚鈴は創作ダンスどころでなくなってしまった。
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