恋は一途に、彼は全盲

めでんノベルチーム

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胸の鼓動、武道館!

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潤と親父そして剛は日本武道館に向かった。車中の潤は心の高鳴りが止まらなかった。

『大人になった亜衣を見れる・・・!亜衣のそばで演奏できる・・・!!亜衣、待ってろ!今いくからな』

潤は自分でも抑えきれないくらい興奮して胸が高鳴っていた。

そのころ亜衣は、日本武道館・出演者楽屋にいた。第一部第二部のリハーサルが終了し、本番が始まろうとしている。
亜衣は出番を待っている間も、潤の目が見えるようになったのか、日本武道館に来てくれているのか、不安になる気持ちと、『潤、あなたがいないと意味がないの。』そう願う気持ちが、亜衣の心の中を行ったり来たりしていた。

そしてついに、ライブコンサート第一部が始まった。まだ潤と剛も親父さんも来ていない。自分の出番までに間に合うのか、亜衣は本当に不安になり始めていた。
第一部は順調に盛り上がりながら進み、ついに第二部、亜衣の出番がやってきた。

一方そのころ剛は「潤・・・まずいな、三崎さんの新人歌手発表会は20時からだろ?ぎりぎりか・・・もしかすると間に合わないかもしれない。」
剛は思った。潤と亜衣ならもう一度奇跡を起こしてくれるかもしれない、むしろどうか、どうか奇跡を起こしてほしい。そう心に思いながら車を走らせていた。

出番が近づいていた亜衣は、不安になっていた。その亜衣の表情に気づいたスカウト担当は、「どうしたんだ?俺でよかったら話してみろ」

亜衣「私の大事なひとが来ていないの。潤っていうの。潤がいないと意味が無いの。ここに来るはずになっているのに。」

担当「・・・そうか、連絡は取れないのか?」

亜衣「親友である剛くんなら連絡がとれると思う・・・」

担当「じゃあ、俺がとってやる、お前は心配せず、三崎亜衣の新人歌手発表会のことだけを考えるんだ。・・・あ、三崎、その、剛くんとやらの電話番号を教えろ、・・・早く、時間がないぞ」

亜衣「わかりました!」

そして亜衣は剛の電話番号をスカウト担当に教えた。すぐに担当は剛に電話をかけた。

突然スマートフォンの着信音がなった剛は車を運転中だった。すぐにハザードランプを点灯させ、道路の左側に路駐させ、通話に出た。

剛「どちら様でしょうか?」

担当「・・・あ、もしもし、剛さんですか?」

剛「あーはい、そうです」

担当「三崎亜衣のスカウト担当をさせてもらったものです。日本武道館には、あとどのくらいで到着しますか?」

剛「夜8時過ぎ頃には武道館に着けるかと思います。遅れて申し訳ありません。」

担当「そんなこと・・・心配するな、こっちでなんとかするさ、剛さん達はそのままこっちへ向かってくれ、くれぐれも、安全運転でな。じゃ、準備があるからまた。あとで会おう。」

そして通話が終わった。

スカウト担当「今ならまだ間に合う!早急に手を打たないとだめだ。俺、司会のところへ行ってくる。亜衣、詳しいことはあとで話す、とりあえず行ってくる」
そう言い、担当は司会者のもとへ向かった。

司会者を前にしてスカウト担当はこう言った。
「第一部を終了したら15分間の休憩を挟んでくれ。つまりこうだ、三崎亜衣新人歌手発表会は8時15分から開始する。急で悪いがなんとかお願いする。・・・ピアノ演奏者が急に変更になりました、とでも言っておけばいいだろう?頼む」

そういいスカウト担当は亜衣のもとへ戻っていった。
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