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本作品
いざ、夢の舞台へ
しおりを挟むスカウト担当は亜衣のもとへ戻っていった。
しばらくたって、司会の声が聞こえてきた。「これで第一部コンサートは終了となります。通常の予定ですとこのあと8時から、新人歌手デビュー発表会になっていましたが15分間遅らせて始めさせてもらいます。ご来場のみなさまには、15分間休憩となりますので、よろしくお願いします。」
亜衣のもとへ戻ったスカウト担当はこう言った。
「三崎、喜べ。潤がこっちに向かっているぞ!」
亜衣「本当ですか!」
担当「ああ、本当だ。時間をずらしたのは剛と連絡をとった時、8時では間に合わないかもしれないと思い、急遽時間をずらしたんだ。よかったな三崎!これで思いっきりやれるだろ。」
亜衣「はい!私にとって最大の心の味方です!・・・潤の心に響くよう心を込めて、“私を抱いて”を歌いたいと思います。」
『 コンサート第二部 』
司会「それでは、お時間となりましたので、これより新人歌手三崎亜衣デビュー発表会を開幕いたします!・・・心に染みる歌声をあなたへ・・・それでは、新人歌手の三崎亜衣さん、舞台の中央へどうぞ・・・」
亜衣が舞台中央に立つと、客席からあふれんばかりの拍手がおきた。そして会場が次第に静かになりかけた時だった。
潤と剛、親父が日本武道館についた。間に合ったのだ。
剛「潤、俺らにかまわず会場の亜衣の元にいけ!」
潤「・・・わかった。剛、親父、ありがとう!いってきます・・・!」
そう言い潤は車を降り、早々と亜衣の元へと会場に入っていった。潤は周りのことなど目に入らなかった。
客席通路を進む。
舞台を目の前にする潤。
亜衣「(・・・潤、間に合ったのね!)」
客席『なんだ?どうした?』
潤「やっと亜衣をこの目で見れた・・・」
・・・。
潤「・・・・・・亜衣!!」
潤「俺、目が見えるようになったんだ!」
潤「亜衣、お前のおかげだ!」
亜衣「・・・潤、私が見えるのね!」
潤「あぁ、本当に見えるよ!」
亜衣「・・・よかった。」
潤「・・・。」
会場の客が見守る中で2人は泣いた。嬉しくて嬉しくて、泣かずにはいられなかった。
舞台袖から司会が突然出てきた。
司会「あなたは誰ですか?」
亜衣「・・・急遽、代わってもらったピアノを演奏する、高岡潤さんです。」
司会「あ、すいませんそうでしたか、では高岡さん、舞台に上がってピアノ演奏の準備をお願いします。」
会場の客はあっけに取られていた。
潤はゆっくり歩き舞台に上がり、ややしばらくして亜衣を見つめた。そして亜衣に囁いた。
潤「・・・亜衣きれいだよ・・・」
亜衣は幸せすぎて茫然と立ち尽くしていた。
司会「亜衣さん、亜衣さん?大丈夫ですか?亜衣さーん!亜衣さーん!亜衣さーん?」
亜衣「・・・・・・ハッすみません!大丈夫です」
亜衣は司会に声をかけられ、我に返った。
司会「本当に大丈夫ですか?歌えますか?」
亜衣「大丈夫です!」
司会「会場のみなさま!大変長らくおまたせいたしました、三崎亜衣さんに歌ってもらいましょう!デビュー曲“私を抱いて”です、それではどうぞ!」
亜衣はピアノの潤のほうを見て、「いくよ」と合図をして弾きはじめた。そして亜衣が歌い出した。
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