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【チャプター 18】
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妻は、手早く料理を温め直すと食卓へと並べると、
「さあ、食べましょう。私、もうお腹ぺこぺこ」
席に着くなり、さっそく箸を手にして合掌した。
中沢もつられるように料理を口にした。
気づけば、今日1日、何も口にしていなかった。
料理を口にしたとたん、それまで感じなかった空腹がどっと押しよせてきた。
幸福感がゆっくりと心を満たしていく。
それとともに温かいものが胸にこみ上げてきて、なぜだか涙が溢れてきた。
それをごまかそうと、喉が詰まったふりをして大げさに胸を叩いた。
「大丈夫?」
妻が心配そうにそう言って、グラスに水を注いで差し出してくれた。
どんな些細なことでも気遣ってくれるやさしい妻がいる。
なんと幸せなことだろうか。
そんな妻を疑っていた自分が恥ずかしくてならない。
中沢はそのとき、胸に誓った。
これからもずっと、妻を愛しつづけていく、と。
この妻を、何があっても信じつづける、と。
幸福に包まれながら食事を終えると、中沢は浴室に向かった。
湯船にゆったりと浸かる。
すると、心身ともに疲れきっていたことがよくわかった。
わずかに眠ったとはいえ、夢にうなされたことで、疲れが取れるどころか余計に蓄積していた。
それだけになおさらだった。
それにしても、先ほどのあの欲情はどうしたことだろうか。
伸ばした手を拒まれたあの日から、妻の身体には一切触れず、欲情を覚えたりもしなかった。
むろん自分自身で慰めることも、風俗のたぐいの店に足を運んだりすることもなかった。
もう妻を抱くことはないだろう、そう思ってもいたほどだ。
だから、衝動的に起きた性的欲求に中沢は驚いていた。
きっと、恐怖に凍りついた心が解放され、安堵したことで、吐き出されることなく溜まっていた本能が、出口を求めてこみ上げてきたのかもしれない。
いや、もしくは、迫りくる恐怖に晒されて逃げ場を失ったことで、肉体の奥底に眠る獣が眼を醒まし、張りつめた 緊張が解かれたとたんに牙を剥きだそうとしたのだろうか。
そしてまたいまも、妻から肩透しを食ったことで一度は治まっていた欲情が、肉体を痺れさせながら一点へと集まってきている。
獣の本能ともいえる欲情は、塊となって膨張し、力を漲らせていく。
中沢は湯船の中に眼を落とした。
欲情の塊は、力強く脈動しながら湯の中で揺れている。
すぐにでもその力を吐き出そうと猛っている。
(いますぐ抱きたい……)
その欲情のままに中沢は湯船を上がり、脱衣場に置かれたパジャマに着替えると2階へと上がっていった。
「さあ、食べましょう。私、もうお腹ぺこぺこ」
席に着くなり、さっそく箸を手にして合掌した。
中沢もつられるように料理を口にした。
気づけば、今日1日、何も口にしていなかった。
料理を口にしたとたん、それまで感じなかった空腹がどっと押しよせてきた。
幸福感がゆっくりと心を満たしていく。
それとともに温かいものが胸にこみ上げてきて、なぜだか涙が溢れてきた。
それをごまかそうと、喉が詰まったふりをして大げさに胸を叩いた。
「大丈夫?」
妻が心配そうにそう言って、グラスに水を注いで差し出してくれた。
どんな些細なことでも気遣ってくれるやさしい妻がいる。
なんと幸せなことだろうか。
そんな妻を疑っていた自分が恥ずかしくてならない。
中沢はそのとき、胸に誓った。
これからもずっと、妻を愛しつづけていく、と。
この妻を、何があっても信じつづける、と。
幸福に包まれながら食事を終えると、中沢は浴室に向かった。
湯船にゆったりと浸かる。
すると、心身ともに疲れきっていたことがよくわかった。
わずかに眠ったとはいえ、夢にうなされたことで、疲れが取れるどころか余計に蓄積していた。
それだけになおさらだった。
それにしても、先ほどのあの欲情はどうしたことだろうか。
伸ばした手を拒まれたあの日から、妻の身体には一切触れず、欲情を覚えたりもしなかった。
むろん自分自身で慰めることも、風俗のたぐいの店に足を運んだりすることもなかった。
もう妻を抱くことはないだろう、そう思ってもいたほどだ。
だから、衝動的に起きた性的欲求に中沢は驚いていた。
きっと、恐怖に凍りついた心が解放され、安堵したことで、吐き出されることなく溜まっていた本能が、出口を求めてこみ上げてきたのかもしれない。
いや、もしくは、迫りくる恐怖に晒されて逃げ場を失ったことで、肉体の奥底に眠る獣が眼を醒まし、張りつめた 緊張が解かれたとたんに牙を剥きだそうとしたのだろうか。
そしてまたいまも、妻から肩透しを食ったことで一度は治まっていた欲情が、肉体を痺れさせながら一点へと集まってきている。
獣の本能ともいえる欲情は、塊となって膨張し、力を漲らせていく。
中沢は湯船の中に眼を落とした。
欲情の塊は、力強く脈動しながら湯の中で揺れている。
すぐにでもその力を吐き出そうと猛っている。
(いますぐ抱きたい……)
その欲情のままに中沢は湯船を上がり、脱衣場に置かれたパジャマに着替えると2階へと上がっていった。
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