29 / 55
新しい生活
29 Weirdo【1】
しおりを挟む
「まだ違和感あるなぁ」
小紅はコンビニのホットスナックを食べながらだらだらと話している。
俺たちはクライアントと打ち合わせした帰りで、地下鉄のホームにいた。空腹に耐えかねた小紅が匂いの強いそれを買ったせいでタクシーに乗車拒否されたからだ。
「違和感?」
「おーじサマの角っこの丸さ」
ああ、と納得した。彼の言わんとすることはわかる。
Commandを振りかざすことに躊躇があり、以前ほど人に向けなくなった。使わないわけではないが。
効率を思えば周囲の人間をもっと手足のように従わせるべきだが、Subだったころの体験のせいで余計なことを考えてしまう。
「Domの……昔の感覚を取り戻しきれていない、というのは確かにあるな」
「Subが長かったとはいえ、重症だねぇ」
「情けが判断を鈍らせている」
「武士?」
アナウンスが列車の到着予告をしている。俺たちの後ろには長い列ができていた。
小紅はホットスナックの最後のかけらを口に放り、なにか考え事をしながらもぐもぐと噛んでいた。
ごくんと飲み込んだとき、ちょうど電車が来る。
「恋人作ったら?」
「なんだと?」
目の前の扉が開き、後ろから押されるように乗り込んだ。車両中央あたりに流れつき、詰まっていく人混みの中で窮屈に吊り革をつかむ。
発車すると、小紅が話の続きをする。
「いっそ、SubのパートナーができればDomらしくいられるんじゃない? 本能も刺激されるだろうし」
「うーむ……」
一理あるのか?
「最近、杜上さんの名前が話に出てこないよね」
久々に千裕の苗字を聞いてぎくりとする。
「だからなんだ、急に」
「夜、決まった時間になると机のスマホをチラッと見てるの知ってるんだよ」
自分のことなのに初耳だ。本当か? 本当なら、無意識すぎて自覚がなかった。
千裕が迎えに来るわけがないのに、スマホを気にするなんて。
「習慣引きずってたらそりゃまだSub気分でいちゃうでしょ。作りなよ、切り替えるきっかけ」
過去ではなく未来に目を向けろ──小紅の言うことは至極正しかった。
「しかし……そんな簡単に恋人など」
「ちょうどいい人、知ってるよ」
小紅の声に車内放送が被る。目的の駅に到着し、扉が開くところだった。
俺たちは降り損ねないよう慌てて人をかき分ける。
その話はそのままうやむやになった。
■ ■ ■
休日(実質勤務日)の隙間時間。小紅にファミレスへ呼び出されたと思ったら、いきなり意味のわからないことを言われた。
「おーじサマの不誠実極まりない恋活に協力してくれそうな、同じくらいのクズを呼んだよ」
「クズって言ったか?」
恋活? ──数日前に地下鉄でした会話が蘇る。「ちょうどいい人がいる」とかなんとか言われたな、そういえば。まさかまだ覚えていたとは。
「どんな人かはすぐにわかるから、あとは二人で話し合って」
ボックス席で向かいに座る小紅は、テーブルのオムライスを完食すると立ち上がった。どうやら自分だけ先に会社に戻る気らしい。
「紹介もせず二人きりにするつもりか?」
バカな話に付き合わず一緒に席を立ちたかったが、仕事の電話があったせいで食べ始めるのが遅かったため、俺のタルタルチキン南蛮はまだ皿に残っている。
「いやーお待たせ、寝坊しちゃって」
男が歩いてきたかと思うと、図々しく席に身体をねじ込んで座った。
帰ろうとしていた小紅が男と壁に挟まれて出られなくなっている。
「ちょっと、波七! 退いてよっ」
波七と呼ばれた男は長い髪を派手な白に染めており、どう見ても会社員ではない。イマドキの奇抜な服を着こなす目元涼しい美青年。童顔の小紅とは違うたぐいの中性的な雰囲気がある。
「はじめまして、大慈くん。波七 梅之介です。同い年だよ」
小紅はすでに名前を伝えているようだ。興味津々な様子で俺を眺めている。
「小紅~。こんな上玉の知り合いがいるのにずっと紹介してくれなかったんだ? ひどいなぁ」
「そもそもパレードランドでドタキャンしたのはそっち……ちょ、ちょっと、何っ?」
波七が小紅の肩を抱き寄せ、自分の膝をぽんぽんと叩いた。
「最近連絡くれないから、見捨てられたかと思っちゃった。──小紅、ごろんして」
「し、しない、人前でするわけないよっ」
いま発されたCommandのようなものからはDomの力を感じなかった。だから小紅も反応しない。SubがDomのふりをしてPlayを再現するロールプレイもあるらしいが、どういうつもりで。
「どうして? 《やってよ》」
ハッと驚く。さっきとは違い、いまのは本物のCommandだ。
小紅は真っ赤な顔を引きつらせ、俺と波七を交互に見る。そして観念したように彼の膝枕に頭を乗せた。SubはCommand受けておきながら無視を続けるのもストレスになる。嫌な相手でなければ従うほうが楽なのだ。
あの気の強い小紅が恥じらいを見せるのは意外だった。いつもは堂々としているし、文句ばかりで生意気だ。プライベートなPlayだからだろうか。
「ううぅ、だから先に帰りたかったのに……」
テーブルがあるため、俺の視界から小紅が消える。恥ずかしさに耐えるうめきだけが聞こえていた。
「よしよし、小紅、《良い子だね》」
Rewardを与える波七は、下に落としていた視線をこちらへ向けた。「ヒントは与えたよ」とばかりに。
「おまえ、Switchか」
「せーかい。便利でしょ」
説明するより早いから、小紅を巻き込んでやって見せたのだろう。彼はSubの状態でやってきて、俺の目の前でDomに転換した。つまり、第二性の切り替えを制御できる先天性Switch。
切り替わる速度はSwitchによる。俺が数日かけて緩やかに変化するのに対し、彼はものの数秒で変われるようだ。
テーブルの下から通路へ、小紅がにゅっと這い出した。
「帰るから! おーじサマ、ぼくとこいつとはなんでもないし、安心して便利に使ったらいいよ」
そう言い残して店を出ていく。
小紅の後ろ姿を見送りながら、波七はテーブルに頬杖をついた。
「つれないよねぇ」
「どういう知り合いなんだ」
「大学が同じだったんだ。俺のフィクサーくん」
「フィクサー?」
「そう。教授と寝まくってたら急に話しかけてきて」
「ん? んん、まあ続けろ」
「タダでヤらせるな、期末試験内容とかもらってこい、答えは教えてやるから……って。初対面なのにコキ使われてさー。留年してだらだら学生割引で生きていこうと思ってたのに、おかげさまで優秀な成績で卒業」
「よ、かった……な? 小紅に恩があるってこと……だな?」
「なわけないよ! 身の丈に合わない会社に就職しちゃってもう大変。二ヶ月でトんだ。天下の印籠・学生証も新卒カードも失い、ただの無職! そのままこんな歳になっちゃった。あいつのせいで俺の人生ボロボロよ。なはは」
なるほどクズだ。現在の無職はどう考えても小紅のせいではない。
とはいえ、あいつもなにか理由があってこの男を呼んだはずだ。もう少し話を聞くことにする。
連絡先の交換をしながらたずねた。
「無職なら、どうやって生活しているんだ?」
「ヒモ。リッチな家をローテーションしてる。俺、顔が良くて金持ってる人をエッチで喜ばせるのが好きなんだよね」
ダメだ。本物のダメなやつだこれ。
「あ、性病検査はちゃんと受けてる! バッチリ!」
「デカい声でとんでもないことを言うな」
店員が俺たちのテーブルの前で立ち止まった。
小紅はコンビニのホットスナックを食べながらだらだらと話している。
俺たちはクライアントと打ち合わせした帰りで、地下鉄のホームにいた。空腹に耐えかねた小紅が匂いの強いそれを買ったせいでタクシーに乗車拒否されたからだ。
「違和感?」
「おーじサマの角っこの丸さ」
ああ、と納得した。彼の言わんとすることはわかる。
Commandを振りかざすことに躊躇があり、以前ほど人に向けなくなった。使わないわけではないが。
効率を思えば周囲の人間をもっと手足のように従わせるべきだが、Subだったころの体験のせいで余計なことを考えてしまう。
「Domの……昔の感覚を取り戻しきれていない、というのは確かにあるな」
「Subが長かったとはいえ、重症だねぇ」
「情けが判断を鈍らせている」
「武士?」
アナウンスが列車の到着予告をしている。俺たちの後ろには長い列ができていた。
小紅はホットスナックの最後のかけらを口に放り、なにか考え事をしながらもぐもぐと噛んでいた。
ごくんと飲み込んだとき、ちょうど電車が来る。
「恋人作ったら?」
「なんだと?」
目の前の扉が開き、後ろから押されるように乗り込んだ。車両中央あたりに流れつき、詰まっていく人混みの中で窮屈に吊り革をつかむ。
発車すると、小紅が話の続きをする。
「いっそ、SubのパートナーができればDomらしくいられるんじゃない? 本能も刺激されるだろうし」
「うーむ……」
一理あるのか?
「最近、杜上さんの名前が話に出てこないよね」
久々に千裕の苗字を聞いてぎくりとする。
「だからなんだ、急に」
「夜、決まった時間になると机のスマホをチラッと見てるの知ってるんだよ」
自分のことなのに初耳だ。本当か? 本当なら、無意識すぎて自覚がなかった。
千裕が迎えに来るわけがないのに、スマホを気にするなんて。
「習慣引きずってたらそりゃまだSub気分でいちゃうでしょ。作りなよ、切り替えるきっかけ」
過去ではなく未来に目を向けろ──小紅の言うことは至極正しかった。
「しかし……そんな簡単に恋人など」
「ちょうどいい人、知ってるよ」
小紅の声に車内放送が被る。目的の駅に到着し、扉が開くところだった。
俺たちは降り損ねないよう慌てて人をかき分ける。
その話はそのままうやむやになった。
■ ■ ■
休日(実質勤務日)の隙間時間。小紅にファミレスへ呼び出されたと思ったら、いきなり意味のわからないことを言われた。
「おーじサマの不誠実極まりない恋活に協力してくれそうな、同じくらいのクズを呼んだよ」
「クズって言ったか?」
恋活? ──数日前に地下鉄でした会話が蘇る。「ちょうどいい人がいる」とかなんとか言われたな、そういえば。まさかまだ覚えていたとは。
「どんな人かはすぐにわかるから、あとは二人で話し合って」
ボックス席で向かいに座る小紅は、テーブルのオムライスを完食すると立ち上がった。どうやら自分だけ先に会社に戻る気らしい。
「紹介もせず二人きりにするつもりか?」
バカな話に付き合わず一緒に席を立ちたかったが、仕事の電話があったせいで食べ始めるのが遅かったため、俺のタルタルチキン南蛮はまだ皿に残っている。
「いやーお待たせ、寝坊しちゃって」
男が歩いてきたかと思うと、図々しく席に身体をねじ込んで座った。
帰ろうとしていた小紅が男と壁に挟まれて出られなくなっている。
「ちょっと、波七! 退いてよっ」
波七と呼ばれた男は長い髪を派手な白に染めており、どう見ても会社員ではない。イマドキの奇抜な服を着こなす目元涼しい美青年。童顔の小紅とは違うたぐいの中性的な雰囲気がある。
「はじめまして、大慈くん。波七 梅之介です。同い年だよ」
小紅はすでに名前を伝えているようだ。興味津々な様子で俺を眺めている。
「小紅~。こんな上玉の知り合いがいるのにずっと紹介してくれなかったんだ? ひどいなぁ」
「そもそもパレードランドでドタキャンしたのはそっち……ちょ、ちょっと、何っ?」
波七が小紅の肩を抱き寄せ、自分の膝をぽんぽんと叩いた。
「最近連絡くれないから、見捨てられたかと思っちゃった。──小紅、ごろんして」
「し、しない、人前でするわけないよっ」
いま発されたCommandのようなものからはDomの力を感じなかった。だから小紅も反応しない。SubがDomのふりをしてPlayを再現するロールプレイもあるらしいが、どういうつもりで。
「どうして? 《やってよ》」
ハッと驚く。さっきとは違い、いまのは本物のCommandだ。
小紅は真っ赤な顔を引きつらせ、俺と波七を交互に見る。そして観念したように彼の膝枕に頭を乗せた。SubはCommand受けておきながら無視を続けるのもストレスになる。嫌な相手でなければ従うほうが楽なのだ。
あの気の強い小紅が恥じらいを見せるのは意外だった。いつもは堂々としているし、文句ばかりで生意気だ。プライベートなPlayだからだろうか。
「ううぅ、だから先に帰りたかったのに……」
テーブルがあるため、俺の視界から小紅が消える。恥ずかしさに耐えるうめきだけが聞こえていた。
「よしよし、小紅、《良い子だね》」
Rewardを与える波七は、下に落としていた視線をこちらへ向けた。「ヒントは与えたよ」とばかりに。
「おまえ、Switchか」
「せーかい。便利でしょ」
説明するより早いから、小紅を巻き込んでやって見せたのだろう。彼はSubの状態でやってきて、俺の目の前でDomに転換した。つまり、第二性の切り替えを制御できる先天性Switch。
切り替わる速度はSwitchによる。俺が数日かけて緩やかに変化するのに対し、彼はものの数秒で変われるようだ。
テーブルの下から通路へ、小紅がにゅっと這い出した。
「帰るから! おーじサマ、ぼくとこいつとはなんでもないし、安心して便利に使ったらいいよ」
そう言い残して店を出ていく。
小紅の後ろ姿を見送りながら、波七はテーブルに頬杖をついた。
「つれないよねぇ」
「どういう知り合いなんだ」
「大学が同じだったんだ。俺のフィクサーくん」
「フィクサー?」
「そう。教授と寝まくってたら急に話しかけてきて」
「ん? んん、まあ続けろ」
「タダでヤらせるな、期末試験内容とかもらってこい、答えは教えてやるから……って。初対面なのにコキ使われてさー。留年してだらだら学生割引で生きていこうと思ってたのに、おかげさまで優秀な成績で卒業」
「よ、かった……な? 小紅に恩があるってこと……だな?」
「なわけないよ! 身の丈に合わない会社に就職しちゃってもう大変。二ヶ月でトんだ。天下の印籠・学生証も新卒カードも失い、ただの無職! そのままこんな歳になっちゃった。あいつのせいで俺の人生ボロボロよ。なはは」
なるほどクズだ。現在の無職はどう考えても小紅のせいではない。
とはいえ、あいつもなにか理由があってこの男を呼んだはずだ。もう少し話を聞くことにする。
連絡先の交換をしながらたずねた。
「無職なら、どうやって生活しているんだ?」
「ヒモ。リッチな家をローテーションしてる。俺、顔が良くて金持ってる人をエッチで喜ばせるのが好きなんだよね」
ダメだ。本物のダメなやつだこれ。
「あ、性病検査はちゃんと受けてる! バッチリ!」
「デカい声でとんでもないことを言うな」
店員が俺たちのテーブルの前で立ち止まった。
67
あなたにおすすめの小説
番を拒み続けるΩと、執着を隠しきれないαが同じ学園で再会したら逃げ場がなくなった話 ――優等生αの過保護な束縛は恋か支配か
雪兎
BL
第二性が存在する世界。
Ωであることを隠し、平穏な学園生活を送ろうと決めていた転校生・湊。
しかし入学初日、彼の前に現れたのは――
幼い頃に「番になろう」と言ってきた幼馴染のα・蓮だった。
成績優秀、容姿端麗、生徒から絶大な信頼を集める完璧なα。
だが湊だけが知っている。
彼が異常なほど執着深いことを。
「大丈夫、全部管理してあげる」
「君が困らないようにしてるだけだよ」
座席、時間割、交友関係、体調管理。
いつの間にか整えられていく環境。
逃げ場のない距離。
番を拒みたいΩと、手放す気のないα。
これは保護か、それとも束縛か。
閉じた学園の中で、二人の関係は静かに歪み始める――。
世界で一番優しいKNEELをあなたに
珈琲きの子
BL
グレアの圧力の中セーフワードも使えない状態で体を弄ばれる。初めてパートナー契約したDomから卑劣な洗礼を受け、ダイナミクス恐怖症になったSubの一希は、自分のダイナミクスを隠し、Usualとして生きていた。
Usualとして恋をして、Usualとして恋人と愛し合う。
抑制剤を服用しながらだったが、Usualである恋人の省吾と過ごす時間は何物にも代えがたいものだった。
しかし、ある日ある男から「久しぶりに会わないか」と電話がかかってくる。その男は一希の初めてのパートナーでありSubとしての喜びを教えた男だった。
※Dom/Subユニバース独自設定有り
※やんわりモブレ有り
※Usual✕Sub
※ダイナミクスの変異あり
共の蓮にて酔い咲う
あのにめっと
BL
神原 蓮華はΩSub向けDom派遣サービス会社の社員である。彼はある日同じ職場の後輩のαSubである新家 縁也がドロップしかける現場に居合わせる。他にDomがいなかったため神原が対応するが、彼はとある事件がきっかけでαSubに対して苦手意識を持っており…。
トラウマ持ちのΩDomとその同僚のαSub
※リバです。
※オメガバースとDom/Subユニバースの設定を独自に融合させております。今作はそれぞれの世界観の予備知識がないと理解しづらいと思われます。ちなみに拙作「そよ風に香る」と同じ世界観ですが、共通の登場人物はいません。
※詳細な性的描写が入る場面はタイトルに「※」を付けています。
※他サイトでも完結済
お客様と商品
あかまロケ
BL
馬鹿で、不細工で、性格最悪…なオレが、衣食住提供と引き換えに体を売る相手は高校時代一度も面識の無かったエリートモテモテイケメン御曹司で。オレは商品で、相手はお客様。そう思って毎日せっせとお客様に尽くす涙ぐましい努力のオレの物語。(*ムーンライトノベルズ・pixivにも投稿してます。)
竜帝陛下の愛が重すぎて身代わりの落ちこぼれ薬師は今日も腰が砕けそうです 〜呪いを解いたら一生離さないと宣言されました〜
レイ
BL
「死ぬ覚悟はできています。でも、その前に……お口、あーんしてください」
魔力を持たない「無能」として実家で虐げられていた薬師のエリアン。
彼に下されたのは、触れるものすべてを焼き尽くす「死の竜帝」ヴァレリウスへの、身代わりの婚姻だった。
愛されSubは尽くしたい
リミル
BL
【Dom/Subユニバース】
玩具メーカーの取締役開発部長Dom(37)×元子役の大学生Sub(20)
かつて天才子役として名を馳せていた天使 汐は、収録中にSub drop(サブドロップ)に陥り、生死の境をさまよう。
不安定になっていた汐を救ったのは、スーツ姿の男だった。
素性や名前も知らない。でも、優しく撫でて「いい子」だと言ってくれた記憶は残っている。
父親の紹介で、自身の欲求を満たしてくれるDomを頼るものの、誰も彼も汐をひたすらに甘やかしてくる。こんなにも尽くしたい気持ちがあるのに。
ある夜、通っているサロンで不正にCommand(コマンド)を使われ、心身ともにダメージを負った汐を助けたのは、年上の男だ。
それは偶然にも15年前、瀕死の汐を救った相手──深見 誠吾だった。
運命的な出会いに、「恋人にもパートナーにもなって欲しい」と求めるも、深見にきっぱりと断られてしまい──!?
一筋縄ではいかない17才差の、再会から始まるラブ!
Illust » 41x様
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる