53 / 55
財前大慈の生活
53 Look【3】 *R18
しおりを挟む
振り返ろうとすると足元がおぼつかず、千裕に支えられながらカウンターに背中を預ける。
顔を見合わせてみれば、やはり千裕はまだ満足していないように見える。股間のそれも元気そうだ。
俺の視線がまっすぐにそこへ向いていることに気付いた千裕は、バツが悪そうに頬を赤らめる。
「どうした、言わないのか」
「なにをですか?」
「Come」
俺の言葉の意味を理解して、千裕は手をこちらに差し伸べた。
「……《Come》」
その手を取れば、引き寄せられてソファへ押し倒される。
千裕は暑そうに残りの服を脱ぎ捨てた。肉欲と第二性の欲求がありありと表情からにじみ出ている。
欲望をまっすぐに向けられているのが自分だと実感するたび、新鮮に驚けてしまう。
同時に、求められる喜びを知る。
脚を持ち支えられた。後孔に先端があてがわれる。
挿入しやすいように腰を浮かせると、千裕はさらに距離を詰めて、俺の中に入ってきた。
「っは、ぁ……、ぁ……」
さっきとは違い、優しく奥を小突くようなピストンで身体を甘やかされていく。
「がんばれそうですか?」
俺が無理をしていないか気にしているらしい。
平気だと頷けば、ストロークが深くなっていく。
「ふ、うぅ……っ!」
与えられる快楽にすっかり身を委ね、無防備に声をこぼしてしまう。
「気持ち良いですか? 《教えて》」
「きもちいい……っ、千裕の、おく、届いて……っ、そこ、イイっ……!」
「ここ?」
Speakに従った褒美に弱いところを突かれる。そこばかり攻められれば、たまらず千裕にしがみついた。
「あ、ぁっ! んんっ……!」
思考が曖昧になってくる。自分が彼の声に溶け、ふわふわするこの感覚──Sub spaceの中にいるとやっと自覚する。
「千裕っ、Look、ほしい──っん、あぁっ……!」
「トんじゃいそうなんですか? ダメですよ、《Look》」
「はぁっ、はぁっ……! ぁっ……!」
命令の力を借りて彼の瞳を覗き込む。こうしていれば意識を繋ぎ止められるような気がして。
見つめあうと彼も快楽を得ていることが伝わってくる。千裕の飢えを誰でもない自分が満たせてやれることが嬉しかった。
心の中で唱える。Look──俺だけを見て、感じてくれ。
「こえ、聞きたい……っ」
そうねだれば身を寄せられた。結果的に深くなる接合の感触に、喉を震わせてよがってしまう。
目と鼻の先に彼の顔があり、息遣いまでよく聞こえる。
「《なんて言ってほしいですか?》」
「すき、好きだっ……千裕っ、ちひろっ」
千裕はわずかに目を見開いた。それを見て、俺は質問の意図を読み違えたのだと気付く。Commandを聞かれていたのに、馬鹿正直なことを言ってしまった。まあ、いいか。
「好き、好きです、大慈さん、ずっと……!」
「っぁ、あっ、千裕っ……!」
押しつぶすように攻められ、逃げ場なく喘がされる。
彼の唇に進んで顔を寄せた。舌を絡ませ、発情の熱を味わう。
「っ……で、る……!」
千裕が余裕のない声を漏らし、俺の首筋に額を埋めた。
一層激しくなる抽迭の最中、重なった肌に汗が伝う。
「ぁ、あ……っ! 千裕っ……!」
俺の中で果て、背中を震わせる千裕の呼吸に聞き入っていた。
「は、っ……はっ……、……っ」
うっとりとした吐息が、Rewardとして地良く俺の鼓膜を撫でる。
彼の絶頂に引きずられるように、自分も密やかにイっていた。Subの恍惚は穏やかで長い。
脱力して狭いソファの上で重なりあい、余韻に浸る千裕の髪を撫でる。
暑苦しくも思うが、それ以上に幸福感で満たされていた。
リラックスしきった脳が睡魔を呼び寄せていることに気付き、うとうとしながら裕の腕をつかむ。これだけは言わねばならない。
「明日、四時……朝イチ、仕事ある、から……起こせ……」
「こんなときまで……」
目を閉じると、あきれた声が聞こえた。
顔を見合わせてみれば、やはり千裕はまだ満足していないように見える。股間のそれも元気そうだ。
俺の視線がまっすぐにそこへ向いていることに気付いた千裕は、バツが悪そうに頬を赤らめる。
「どうした、言わないのか」
「なにをですか?」
「Come」
俺の言葉の意味を理解して、千裕は手をこちらに差し伸べた。
「……《Come》」
その手を取れば、引き寄せられてソファへ押し倒される。
千裕は暑そうに残りの服を脱ぎ捨てた。肉欲と第二性の欲求がありありと表情からにじみ出ている。
欲望をまっすぐに向けられているのが自分だと実感するたび、新鮮に驚けてしまう。
同時に、求められる喜びを知る。
脚を持ち支えられた。後孔に先端があてがわれる。
挿入しやすいように腰を浮かせると、千裕はさらに距離を詰めて、俺の中に入ってきた。
「っは、ぁ……、ぁ……」
さっきとは違い、優しく奥を小突くようなピストンで身体を甘やかされていく。
「がんばれそうですか?」
俺が無理をしていないか気にしているらしい。
平気だと頷けば、ストロークが深くなっていく。
「ふ、うぅ……っ!」
与えられる快楽にすっかり身を委ね、無防備に声をこぼしてしまう。
「気持ち良いですか? 《教えて》」
「きもちいい……っ、千裕の、おく、届いて……っ、そこ、イイっ……!」
「ここ?」
Speakに従った褒美に弱いところを突かれる。そこばかり攻められれば、たまらず千裕にしがみついた。
「あ、ぁっ! んんっ……!」
思考が曖昧になってくる。自分が彼の声に溶け、ふわふわするこの感覚──Sub spaceの中にいるとやっと自覚する。
「千裕っ、Look、ほしい──っん、あぁっ……!」
「トんじゃいそうなんですか? ダメですよ、《Look》」
「はぁっ、はぁっ……! ぁっ……!」
命令の力を借りて彼の瞳を覗き込む。こうしていれば意識を繋ぎ止められるような気がして。
見つめあうと彼も快楽を得ていることが伝わってくる。千裕の飢えを誰でもない自分が満たせてやれることが嬉しかった。
心の中で唱える。Look──俺だけを見て、感じてくれ。
「こえ、聞きたい……っ」
そうねだれば身を寄せられた。結果的に深くなる接合の感触に、喉を震わせてよがってしまう。
目と鼻の先に彼の顔があり、息遣いまでよく聞こえる。
「《なんて言ってほしいですか?》」
「すき、好きだっ……千裕っ、ちひろっ」
千裕はわずかに目を見開いた。それを見て、俺は質問の意図を読み違えたのだと気付く。Commandを聞かれていたのに、馬鹿正直なことを言ってしまった。まあ、いいか。
「好き、好きです、大慈さん、ずっと……!」
「っぁ、あっ、千裕っ……!」
押しつぶすように攻められ、逃げ場なく喘がされる。
彼の唇に進んで顔を寄せた。舌を絡ませ、発情の熱を味わう。
「っ……で、る……!」
千裕が余裕のない声を漏らし、俺の首筋に額を埋めた。
一層激しくなる抽迭の最中、重なった肌に汗が伝う。
「ぁ、あ……っ! 千裕っ……!」
俺の中で果て、背中を震わせる千裕の呼吸に聞き入っていた。
「は、っ……はっ……、……っ」
うっとりとした吐息が、Rewardとして地良く俺の鼓膜を撫でる。
彼の絶頂に引きずられるように、自分も密やかにイっていた。Subの恍惚は穏やかで長い。
脱力して狭いソファの上で重なりあい、余韻に浸る千裕の髪を撫でる。
暑苦しくも思うが、それ以上に幸福感で満たされていた。
リラックスしきった脳が睡魔を呼び寄せていることに気付き、うとうとしながら裕の腕をつかむ。これだけは言わねばならない。
「明日、四時……朝イチ、仕事ある、から……起こせ……」
「こんなときまで……」
目を閉じると、あきれた声が聞こえた。
77
あなたにおすすめの小説
番を拒み続けるΩと、執着を隠しきれないαが同じ学園で再会したら逃げ場がなくなった話 ――優等生αの過保護な束縛は恋か支配か
雪兎
BL
第二性が存在する世界。
Ωであることを隠し、平穏な学園生活を送ろうと決めていた転校生・湊。
しかし入学初日、彼の前に現れたのは――
幼い頃に「番になろう」と言ってきた幼馴染のα・蓮だった。
成績優秀、容姿端麗、生徒から絶大な信頼を集める完璧なα。
だが湊だけが知っている。
彼が異常なほど執着深いことを。
「大丈夫、全部管理してあげる」
「君が困らないようにしてるだけだよ」
座席、時間割、交友関係、体調管理。
いつの間にか整えられていく環境。
逃げ場のない距離。
番を拒みたいΩと、手放す気のないα。
これは保護か、それとも束縛か。
閉じた学園の中で、二人の関係は静かに歪み始める――。
世界で一番優しいKNEELをあなたに
珈琲きの子
BL
グレアの圧力の中セーフワードも使えない状態で体を弄ばれる。初めてパートナー契約したDomから卑劣な洗礼を受け、ダイナミクス恐怖症になったSubの一希は、自分のダイナミクスを隠し、Usualとして生きていた。
Usualとして恋をして、Usualとして恋人と愛し合う。
抑制剤を服用しながらだったが、Usualである恋人の省吾と過ごす時間は何物にも代えがたいものだった。
しかし、ある日ある男から「久しぶりに会わないか」と電話がかかってくる。その男は一希の初めてのパートナーでありSubとしての喜びを教えた男だった。
※Dom/Subユニバース独自設定有り
※やんわりモブレ有り
※Usual✕Sub
※ダイナミクスの変異あり
共の蓮にて酔い咲う
あのにめっと
BL
神原 蓮華はΩSub向けDom派遣サービス会社の社員である。彼はある日同じ職場の後輩のαSubである新家 縁也がドロップしかける現場に居合わせる。他にDomがいなかったため神原が対応するが、彼はとある事件がきっかけでαSubに対して苦手意識を持っており…。
トラウマ持ちのΩDomとその同僚のαSub
※リバです。
※オメガバースとDom/Subユニバースの設定を独自に融合させております。今作はそれぞれの世界観の予備知識がないと理解しづらいと思われます。ちなみに拙作「そよ風に香る」と同じ世界観ですが、共通の登場人物はいません。
※詳細な性的描写が入る場面はタイトルに「※」を付けています。
※他サイトでも完結済
お客様と商品
あかまロケ
BL
馬鹿で、不細工で、性格最悪…なオレが、衣食住提供と引き換えに体を売る相手は高校時代一度も面識の無かったエリートモテモテイケメン御曹司で。オレは商品で、相手はお客様。そう思って毎日せっせとお客様に尽くす涙ぐましい努力のオレの物語。(*ムーンライトノベルズ・pixivにも投稿してます。)
竜帝陛下の愛が重すぎて身代わりの落ちこぼれ薬師は今日も腰が砕けそうです 〜呪いを解いたら一生離さないと宣言されました〜
レイ
BL
「死ぬ覚悟はできています。でも、その前に……お口、あーんしてください」
魔力を持たない「無能」として実家で虐げられていた薬師のエリアン。
彼に下されたのは、触れるものすべてを焼き尽くす「死の竜帝」ヴァレリウスへの、身代わりの婚姻だった。
愛されSubは尽くしたい
リミル
BL
【Dom/Subユニバース】
玩具メーカーの取締役開発部長Dom(37)×元子役の大学生Sub(20)
かつて天才子役として名を馳せていた天使 汐は、収録中にSub drop(サブドロップ)に陥り、生死の境をさまよう。
不安定になっていた汐を救ったのは、スーツ姿の男だった。
素性や名前も知らない。でも、優しく撫でて「いい子」だと言ってくれた記憶は残っている。
父親の紹介で、自身の欲求を満たしてくれるDomを頼るものの、誰も彼も汐をひたすらに甘やかしてくる。こんなにも尽くしたい気持ちがあるのに。
ある夜、通っているサロンで不正にCommand(コマンド)を使われ、心身ともにダメージを負った汐を助けたのは、年上の男だ。
それは偶然にも15年前、瀕死の汐を救った相手──深見 誠吾だった。
運命的な出会いに、「恋人にもパートナーにもなって欲しい」と求めるも、深見にきっぱりと断られてしまい──!?
一筋縄ではいかない17才差の、再会から始まるラブ!
Illust » 41x様
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる