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きもの科に入った理由
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突然ですが、皆様はきものの市場規模をご存知でしょうか?
一番ピークの1980年代の市場規模は1兆8000億円でしたが、2013年には3010億円、2020年は1925億円、2021年は感染症の影響で2010億円まで回復したものの、最も活気があった80年代に比べ衰退の一途を辿っているのは言うまでもないでしょう。
ちなみに感染症の影響なのか、うちの学校で請け負っている外部注文(略して外注)もその数が増えたと先生や先輩方から聞きました。
ステイホー厶で家のことに目を向ける人が増えたからですかね?
タンスの中身を整理してたら古い着物がとか、おじいちゃんおばあちゃんからお着物いただいたけど、サイズが合わないとかの理由で外注が増えたのではと考えております。
ちなみに外注では仕立て直しや、長襦袢お仕立てなどを請け負っています。(私は入学したて&まだまだ未熟な為外注はまだやってません)
ではなぜ、私はそんな衰退ジャンルな業界にこの歳で(24歳)飛び込んだのか……
着物業界を廃れさせないため?
日本文化のひとつである着物を守るため?
過疎化ジャンルに敢えて飛び込むことで、変人的な自分を演出するため?
(これは多少ある)
答えは全てNOです。
私がきもの科に入学した理由……それは……
"在宅ワークがしたかったから"
マジです。
まぁ他にも理由はございますが、一番の理由はそこです。
校長との面談時には絶対に言うまいとしてましたが……
2番目の理由としましては……
ミシンを使わなくて済んで、尚且つ自分の得意分野を活かす仕事に着きたいと思ってのことです。
何を隠そう、私、ミシンが大の苦手でして……
そのきっかけとなった話を今回はいたしましょう。
あ、ちょっとグロ注意です、痛い話とか聞くと想像出来て辛いって方はスルーしていただいても大丈夫です。
あれは約12~3年前のこと、当時私は小学校で初めてミシンを扱う授業を受けることになりました。
(当時うちの学校では小学5年で家庭科が増え、その時自分のエプロンとかを縫う授業がありました)
その時、当時の担任Sティーチャー(年中ジャージ)が授業前の注意事項を話し始めました。
「お前ら、ミシンには十分注意しろよ~。何年か前に先輩がミシンで自分の指縫う事故を起こしたことがあるから、お前らも自分の指縫わないようにしろよ~」
(指縫うって、何?!グッロ!!)
その時の注意事項があまりに怖すぎて、ろくに仕上げることが出来ずに卒業しました。
それから何年か経った後の事。
「アナベル-死霊館の人形-」という映画が公開された時の事です。
映画が公開される前から、予告がテレビで放送されますよね?
その時の予告が問題だったのです。
あの映画の予告を覚えてる方がどのくらいいるのか分かりませんが、あの映画の予告で女性がテレビを見ながらミシンを扱っていたシーンが放送されまして……
そう……女性が指をミシンで思いっきりずだだだと縫ってしまうシーンです。
その予告と小学校時代の注意事項が重なり、恐怖が倍増されました。
それからです。私がミシンに対し、恐怖の感情を抱き、触れなくなったのは……
マジで怖かった……
まぁ、きもの科に入学した今でも、たまに針で指をぶっ刺すことは多々ありますが、ぶっちゃけ手縫いなのであっても仕方ないぐらいの気持ちで日々、課題(細目)をこなしております。
というか、ほとんどの場合身と皮の間に入って行くので血が出ることは滅多にないです。
若干皮が剥けたな、ぐらいでしかないので気にしてても仕方ないです。
ていうか、多分ハンドメイドやってる方にとって手の小さい怪我とかは日常茶飯事だと思います。
特に洋裁や和裁は、アイロンや鏝を多用する為、火傷の方が怖い気がします。
特に和裁で使われる鏝と呼ばれる、金属製の小さいアイロンは、電気でアツアツにして使うので、布の上にそのまま置きっぱなしだと、若干焦げます。(絹だと少し冷やさないといけないぐらいのアツアツな奴で使います)
そんなきもの科は、朝学校についたらまずやること、自分が週番という当番であった場合は学校についたら、コテの準備をします。
きもの科の場合、地べたで座布団敷いて細目などをこなす為、教室が少し特殊です。
教室の両脇に机を並べて、それぞれ割り振られた場所で作業をします。
(私は1番前の左側です)
机が両脇に寄っているので真ん中に通路が配置されていて、そこにコテを並べていきます。
実を言うと、このコテ……モノにもよりますが、ぶっちゃけ若干重いです。
金属でできているというのもありますが、あたためて使うため機械にぶっ刺したまま運びます。
使う時は、そこから引き抜いて、使い終わったり冷えたりしたら戻します。
夏の間は、冷房の影響で冷えるのが早いらしいです。
(冬に使ったことがないので冬のことはわかんないです)
基本的にコテは出しっぱなしで、昼休みの間もあたため続けます。
コテには、木でできた持ち手もありますが、あたため過ぎると木の部分も熱くなります。
このコテ、布にクセをつけるアイロンの役割も果たしますが、それ以外にも使い道があります。
それが、印をつけると言う使い道です。
着物は基本的にまっすぐ縫って行くものですが、たまに斜めにしたり、丸くしたりしなければならないのです。
その時に役に立つのがコテです。
普段は平らな部分を、布に押し付けてシワを伸ばしたり、折り目をつけたりして使っていますが、印つけの時には、縦に持ち、布に対して垂直に押し付けます。
すると押し付けた部分が、コテの熱で凹み、印がつく。
いやぁ、先人の知恵は凄いですよね。
でもこの方法って、結構難しいんですよね……
上手くいったと思いきや、コテが熱すぎて布の焦げる匂いがしたり……押しつけが甘くて上手く印がつかなかったり……
入学してからも日々鍛錬あるのみです。
一番ピークの1980年代の市場規模は1兆8000億円でしたが、2013年には3010億円、2020年は1925億円、2021年は感染症の影響で2010億円まで回復したものの、最も活気があった80年代に比べ衰退の一途を辿っているのは言うまでもないでしょう。
ちなみに感染症の影響なのか、うちの学校で請け負っている外部注文(略して外注)もその数が増えたと先生や先輩方から聞きました。
ステイホー厶で家のことに目を向ける人が増えたからですかね?
タンスの中身を整理してたら古い着物がとか、おじいちゃんおばあちゃんからお着物いただいたけど、サイズが合わないとかの理由で外注が増えたのではと考えております。
ちなみに外注では仕立て直しや、長襦袢お仕立てなどを請け負っています。(私は入学したて&まだまだ未熟な為外注はまだやってません)
ではなぜ、私はそんな衰退ジャンルな業界にこの歳で(24歳)飛び込んだのか……
着物業界を廃れさせないため?
日本文化のひとつである着物を守るため?
過疎化ジャンルに敢えて飛び込むことで、変人的な自分を演出するため?
(これは多少ある)
答えは全てNOです。
私がきもの科に入学した理由……それは……
"在宅ワークがしたかったから"
マジです。
まぁ他にも理由はございますが、一番の理由はそこです。
校長との面談時には絶対に言うまいとしてましたが……
2番目の理由としましては……
ミシンを使わなくて済んで、尚且つ自分の得意分野を活かす仕事に着きたいと思ってのことです。
何を隠そう、私、ミシンが大の苦手でして……
そのきっかけとなった話を今回はいたしましょう。
あ、ちょっとグロ注意です、痛い話とか聞くと想像出来て辛いって方はスルーしていただいても大丈夫です。
あれは約12~3年前のこと、当時私は小学校で初めてミシンを扱う授業を受けることになりました。
(当時うちの学校では小学5年で家庭科が増え、その時自分のエプロンとかを縫う授業がありました)
その時、当時の担任Sティーチャー(年中ジャージ)が授業前の注意事項を話し始めました。
「お前ら、ミシンには十分注意しろよ~。何年か前に先輩がミシンで自分の指縫う事故を起こしたことがあるから、お前らも自分の指縫わないようにしろよ~」
(指縫うって、何?!グッロ!!)
その時の注意事項があまりに怖すぎて、ろくに仕上げることが出来ずに卒業しました。
それから何年か経った後の事。
「アナベル-死霊館の人形-」という映画が公開された時の事です。
映画が公開される前から、予告がテレビで放送されますよね?
その時の予告が問題だったのです。
あの映画の予告を覚えてる方がどのくらいいるのか分かりませんが、あの映画の予告で女性がテレビを見ながらミシンを扱っていたシーンが放送されまして……
そう……女性が指をミシンで思いっきりずだだだと縫ってしまうシーンです。
その予告と小学校時代の注意事項が重なり、恐怖が倍増されました。
それからです。私がミシンに対し、恐怖の感情を抱き、触れなくなったのは……
マジで怖かった……
まぁ、きもの科に入学した今でも、たまに針で指をぶっ刺すことは多々ありますが、ぶっちゃけ手縫いなのであっても仕方ないぐらいの気持ちで日々、課題(細目)をこなしております。
というか、ほとんどの場合身と皮の間に入って行くので血が出ることは滅多にないです。
若干皮が剥けたな、ぐらいでしかないので気にしてても仕方ないです。
ていうか、多分ハンドメイドやってる方にとって手の小さい怪我とかは日常茶飯事だと思います。
特に洋裁や和裁は、アイロンや鏝を多用する為、火傷の方が怖い気がします。
特に和裁で使われる鏝と呼ばれる、金属製の小さいアイロンは、電気でアツアツにして使うので、布の上にそのまま置きっぱなしだと、若干焦げます。(絹だと少し冷やさないといけないぐらいのアツアツな奴で使います)
そんなきもの科は、朝学校についたらまずやること、自分が週番という当番であった場合は学校についたら、コテの準備をします。
きもの科の場合、地べたで座布団敷いて細目などをこなす為、教室が少し特殊です。
教室の両脇に机を並べて、それぞれ割り振られた場所で作業をします。
(私は1番前の左側です)
机が両脇に寄っているので真ん中に通路が配置されていて、そこにコテを並べていきます。
実を言うと、このコテ……モノにもよりますが、ぶっちゃけ若干重いです。
金属でできているというのもありますが、あたためて使うため機械にぶっ刺したまま運びます。
使う時は、そこから引き抜いて、使い終わったり冷えたりしたら戻します。
夏の間は、冷房の影響で冷えるのが早いらしいです。
(冬に使ったことがないので冬のことはわかんないです)
基本的にコテは出しっぱなしで、昼休みの間もあたため続けます。
コテには、木でできた持ち手もありますが、あたため過ぎると木の部分も熱くなります。
このコテ、布にクセをつけるアイロンの役割も果たしますが、それ以外にも使い道があります。
それが、印をつけると言う使い道です。
着物は基本的にまっすぐ縫って行くものですが、たまに斜めにしたり、丸くしたりしなければならないのです。
その時に役に立つのがコテです。
普段は平らな部分を、布に押し付けてシワを伸ばしたり、折り目をつけたりして使っていますが、印つけの時には、縦に持ち、布に対して垂直に押し付けます。
すると押し付けた部分が、コテの熱で凹み、印がつく。
いやぁ、先人の知恵は凄いですよね。
でもこの方法って、結構難しいんですよね……
上手くいったと思いきや、コテが熱すぎて布の焦げる匂いがしたり……押しつけが甘くて上手く印がつかなかったり……
入学してからも日々鍛錬あるのみです。
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