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第1章 伝説の幕開け
俺、遭難する
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俺は彼女に村へ帰るまでの護衛を頼まれた。受けるかどうか多少悩んだが、ここまできたら乗りかかった舟だ。俺は彼女の護衛を引き受けた。
一緒に行動する上で互いの名前を知らないのは不便だ。まずは互いに自己紹介をしようと試みた。同い年の子と話をするのは初めてなので緊張する。
俺の村では俺が最年少なのだ。俺と1番近い歳の子でも5歳離れている。
「ま、まずは互いに自己紹介をしよう。俺の名はアイク・フォン・ドラグレン、村までの間よろしくな!」
俺は山を下りながらそう言った。
彼女の村はドンドリオンの山の麓にあるらしい。ドンドリオンの山は標高1500メートルほどだ。
もう日も暮れ始めているため、一刻も早く村に着く必要がある。
人族は一部の亜人種を除いてみな昼行性だ。夜行性の野獣相手は分が悪い。
そんなことを考えていると
「私の名前はレイファ・シック・ウォートン。レイファでいいわ。こちらこそよろしくね!」
彼女は危険のない人物だと分かると、積極的にコミュニケーションをとろうとするタイプらしい。
俺に対しての話し方が馴れ馴れしい感じがする。
もちろん、警戒されているよりは良いのだが命の恩人に対しての喋り方では無いと思う。
俺たちは暗くなってきている中、他愛もない話をしながらゆっくりと下山していった。
かれこれ30分ほど経っただろうか。辺りはほぼ真っ暗になりまだ微かに日が差していた。
明るい内に着かなければ危険なためペースを上げようと声を掛けようとしたその時、ぐぅー……という可愛い音が聞こえた。
音のした方を見るとそこにはレイファが顔を赤くしてこちらを見ていた。
「わ、私の音じゃないんだからね。勘違いしないでよね!」
とまくし立てるように言った。どう考えても無理があるだろ……
しかし、俺はこの短い時間で彼女の性格をなんとなくわかっていた。
こういう時は揚げ足をとったらダメなのだ。すぐに、怒って手が出る。
彼女の力など俺にとっては大したものじゃない。しかし、女の子のたんぱらを甘んじて受ける度量も男には必要だろう。
だが俺はどういう反応になるのか予想しながら
「今のは流石に無理があるだろう?」
と思ったことを素直に言い、
「あ、あなたは女の子の気持ちが分かってない!」
と恥ずかしがりながら殴ってくるレイファの拳を貧弱だなぁ、と思いながら受けていた。
しかし、お腹が減っているのは俺も同じことなので
「レイファ、そろそろご飯にしよう。さっきこの山を少し登ったところに川があったからそこで魚を捕まえて俺の魔法で焼いて食べよう。」
と声を掛けた。
レイファはまだ怒っているようで、
「あなたの施しは受けないわ。自分で食べ物を探してくる!」
と言ってどこかへ行ってしまった。全く、面倒くさい性格の女の子だ……
夜の山は危険なので俺は彼女の跡を追うことにした。
彼女は啖呵切って走っていった割にすぐ追いつけた。
どうやらお腹が減って力が出なかったようだ。
こんなやりとりをしている間にもう、日が暮れてしまった。
「もう日が暮れてしまった。夜だと君が離れた時、守りきれる自信がない。あまり俺から離れるな!」
俺は彼女がまた走り出すことのないよう少し強く言いつけた。
彼女は
「ごめん、護衛を頼んだのは私なのに勝手に恥ずかしがってあなたのことを困らせて……」
根は素直でいい子なのだ。ちょっとわがままでたんぱらを起こしてしまうだけだ。
遠くから野獣の遠吠えが聞こえた。俺は彼女の手を掴み引き寄せ、辺りを見渡してみた。
…………ここ、どこ?
どうやら俺たちは視界が悪い中走り回ったため遭難してしまったらしい。
一緒に行動する上で互いの名前を知らないのは不便だ。まずは互いに自己紹介をしようと試みた。同い年の子と話をするのは初めてなので緊張する。
俺の村では俺が最年少なのだ。俺と1番近い歳の子でも5歳離れている。
「ま、まずは互いに自己紹介をしよう。俺の名はアイク・フォン・ドラグレン、村までの間よろしくな!」
俺は山を下りながらそう言った。
彼女の村はドンドリオンの山の麓にあるらしい。ドンドリオンの山は標高1500メートルほどだ。
もう日も暮れ始めているため、一刻も早く村に着く必要がある。
人族は一部の亜人種を除いてみな昼行性だ。夜行性の野獣相手は分が悪い。
そんなことを考えていると
「私の名前はレイファ・シック・ウォートン。レイファでいいわ。こちらこそよろしくね!」
彼女は危険のない人物だと分かると、積極的にコミュニケーションをとろうとするタイプらしい。
俺に対しての話し方が馴れ馴れしい感じがする。
もちろん、警戒されているよりは良いのだが命の恩人に対しての喋り方では無いと思う。
俺たちは暗くなってきている中、他愛もない話をしながらゆっくりと下山していった。
かれこれ30分ほど経っただろうか。辺りはほぼ真っ暗になりまだ微かに日が差していた。
明るい内に着かなければ危険なためペースを上げようと声を掛けようとしたその時、ぐぅー……という可愛い音が聞こえた。
音のした方を見るとそこにはレイファが顔を赤くしてこちらを見ていた。
「わ、私の音じゃないんだからね。勘違いしないでよね!」
とまくし立てるように言った。どう考えても無理があるだろ……
しかし、俺はこの短い時間で彼女の性格をなんとなくわかっていた。
こういう時は揚げ足をとったらダメなのだ。すぐに、怒って手が出る。
彼女の力など俺にとっては大したものじゃない。しかし、女の子のたんぱらを甘んじて受ける度量も男には必要だろう。
だが俺はどういう反応になるのか予想しながら
「今のは流石に無理があるだろう?」
と思ったことを素直に言い、
「あ、あなたは女の子の気持ちが分かってない!」
と恥ずかしがりながら殴ってくるレイファの拳を貧弱だなぁ、と思いながら受けていた。
しかし、お腹が減っているのは俺も同じことなので
「レイファ、そろそろご飯にしよう。さっきこの山を少し登ったところに川があったからそこで魚を捕まえて俺の魔法で焼いて食べよう。」
と声を掛けた。
レイファはまだ怒っているようで、
「あなたの施しは受けないわ。自分で食べ物を探してくる!」
と言ってどこかへ行ってしまった。全く、面倒くさい性格の女の子だ……
夜の山は危険なので俺は彼女の跡を追うことにした。
彼女は啖呵切って走っていった割にすぐ追いつけた。
どうやらお腹が減って力が出なかったようだ。
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「もう日が暮れてしまった。夜だと君が離れた時、守りきれる自信がない。あまり俺から離れるな!」
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彼女は
「ごめん、護衛を頼んだのは私なのに勝手に恥ずかしがってあなたのことを困らせて……」
根は素直でいい子なのだ。ちょっとわがままでたんぱらを起こしてしまうだけだ。
遠くから野獣の遠吠えが聞こえた。俺は彼女の手を掴み引き寄せ、辺りを見渡してみた。
…………ここ、どこ?
どうやら俺たちは視界が悪い中走り回ったため遭難してしまったらしい。
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