2 / 3
キミを幸せにするデータ(中編)
しおりを挟む
「神宮司くんが放課後にカフェに付き合ってくれる確率……97%!」
「……いや、公野さん? なんのことだ?」
「ベンティアドショットヘーゼルナッツバニラアーモンドキャラメルエキストラホイップモカソースランバチップチョコレートクリームフラペチーノを私が頼むから、神宮司くんは抹茶フラペチーノベンティエスプレッソショットチョコレートシロップエキストラホイップモカソースがけを頼んでね! シェアしよシェア」
「なんの呪文だ!?」
病院での一件以来、私と神宮司くんは放課後カフェに繰り出すくらい仲良くなった。
……まぁ? 私が一方的にアプローチしているだけなんですが?
でも、毎日放課後が楽しみで仕方がない。
もちろん桃色的感情もあるけれど、単純に神宮司君と遊ぶのが面白いのだ。
どうして高3の秋まで絡まなかったのか。今さらながら後悔が募る。
「キミのデータは論理的ではないな。根拠がまるで感じられない」
「そう言いながらちゃっかり放課後デートに付き合ってくれる神宮司くんだった」
「か、勘違いするでないぞ!? 知見を深める為にそのクソ長い名称の商品を飲んでみたくなっただけなのだからな!」
かわいいか、キミは。
男のツンデレってこんなに萌えるの? えらくキュンキュンしたのだけど。
「おっと。公野さん、こちら側を歩くが良い。道路側の方が危険な確率91%だからな」
もう……好き!
神宮司君の全てが好き!
嫌いな所が一切ない!
なんなのこの人!? なんでこんなイケメンが女子に人気ないの!?
もし人気あったら私が嫉妬で狂う確率100%だからいいのだけど。
「それにしても、わざわざこんな降りそうな日に行かなくても良かったのではないか? これから雨に変わる確率88%だぞ」
「雨が降ってきたら同じ傘に入れてね。降水確率を知っているということは折り畳み傘持っているんでしょ?」
「当然だ。データに基づいた最善の行動を取るのが俺、神宮司伸三郎の特色だからな!」
「わーい相合傘楽しみにしているね」
「あ、相合——っ!?」
おぉ? ちょっと顔赤くなった?
やった。神宮司くんが意識してくれている。
ふっふっふ。あかりちゃんの熱烈アプローチは効いてきているみたいだね。
「こんなに上手い飲み物なんて俺のデータにないぞ!」
パリ―ン!
どうやら神宮司君のデータにないほど抹茶フラペチーノベンティエスプレッソショットチョコレートシロップエキストラホイップモカソースがけは美味しかったらしい。
「私のヤツあげるからそっちも頂戴」
「間接キスの可能性100パーセントぉぉぉぉぉぉぉっ!!」
パリ―ン、パリ―ン!
最近分かったのだけど、神宮司君の眼鏡が割れる時って『データにないことが起こったから』ではなく『神宮司君の予想を上回る出来事が起きた』場合に起こるらしい。
見ている分にはとても愉快なんだけど、日々の眼鏡代は大丈夫なのだろうか?
「……む? 雨脚が強くなってきたな」
「あらら。本当だ。暗くなってきたし、今日はこのくらいで切り上げようか」
「そうだな」
「『今日は』ってことは、次がある確率100%だね」
「…………」
パリーン。
顔を真っ赤にさせながら無言でメガネが割れている。
もしかして照れているときもメガネ割れるのかな?
そうだったら嬉しいな。
メガネの修理代が増す神宮司君には気の毒だけど。
「い、いくぞ! 送っていってやる!」
「あかりちゃんが嬉しい確率100%」
「最近のキミは本当に俺に影響されているな。ま、まぁ、喜んでもらえて幸いではあるが」
「手を繋いでもらえると200%に跳ね上がるんだけど?」
「確率が100%を超えることは化学的に有りえないからな!? 全く、キミのデータには根拠というのが本当に——」
ぶつくさ言いながら、大きな手で包み込むように私の手を握ってくれている。
……うん。
あかりちゃんが嬉しい確率300%にまで跳ね上がりました。
ぽつぽつと雨が降っている。
秋とはいえ暑い日が続くので、このひんやりとした雨の空気はちょっぴり気持ち良い。
「公野さん、もっとこっちへ入れ。濡れるぞ」
「う、うん」
それにしても近い。
相合傘なのだから当たり前だけなのど物理的に距離が近い。
しかもこの人、身を屈めて私の高さに合わせてくれている。
さりげない行動がイケメンなんだよなぁ。
「ふぅむ。川が増水しているな」
「ね。雨の日に川見るのってなんかテンションあがるよね!?」
「……共感度87%」
「わかってるねぇ神宮司くん。私達さりげなく気が合うよね」
「……ま、否定はしないさ」
なんか、ちょっといい感じ?
もうちょっとムードが高まったら、告白とかしちゃったりなんか——
「むっ!!」
「ど、どうしたの!?」
急に神宮司くんが私に傘を預けて急に走り出した。
「……にゃあぁ!」
「ね、猫が流されてる!?」
大変!
土手際で猫が川に落ちてしまっており、流されながらもがくように苦しんでいる。
「助けなきゃ!!」
「ま、待て! 川に入る気か!? 無理だ! 危険すぎる! この天気で気温だって低いのだ! この時期に河川に飛び込むのは自殺行為すぎる」
「私達より猫ちゃんの方が寒いわよ!」
「駄目だ! ……もう、あの子猫が助かる確率は——23%だ」
神宮司くんがいうならばその数値は事実に近いのだろう。
だけど、私はその言葉を聞いて安堵した。
口元で笑みを作って見せて、私は強がるように神宮司くんに言葉を返す。
「ありがとう神宮司君。23%も助かる確率あるんだ。だったら私は……キミのデータを信じるよ!」
「待て!!」
制止する神宮司くんを振り切って、私は土手際をダッシュする。
猫ちゃんが岸からドンドン離れるように流されてしまう。
手を伸ばすだけじゃ届かないか。
なら、やっぱりこうするしかないよね
ザパンッ!!
上着と靴を脱ぎ棄て、私は川に飛び込み、子猫に手を伸ばす。
当たり前だけど足が付かない。
しかも……想定より水が冷たい。
服が水を吸い込んで気を抜くと沈んでしまいそうだ。
でも——それだけだ。
寒さを我慢し、必死のバタ足で川の流れに抵抗すればいい。
必死に手を伸ばした手はねこちゃんの首根っこを……掴んだ!
よし!
後は……陸地に戻る……あ、あれ?
必死にバタ足しても全然前へ進むことができない。
どうして!?
「——川は……陸地側よりも……中心部の方が流れが速いのだ!」
神宮司くん!
神宮司くんが川の中にまで私を追いかけてくれていた。
自分で危険だって言ったのに……
「俺に捕まっていろ! それと絶対に子猫のことも離すなよ!」
「……うん!」
私は子猫を片手でしっかりと抱え込み、反対の手で神宮司くんの首回りに腕を絡めた。
彼も若干苦しそうにしているが、それでも懸命に陸へ向かって泳ぎ続けている。
「うぉぉぉぉぉぉぉっ!」
すごい!
ものすごい速さのバタ足で私と子猫ちゃんを抱えたままの状態でグングンと前へ進んでいく。
でも、みるみる顔色が悪くなっている。
苦しいんだ……当然だ。
私も彼の負担を減らす為一緒になってバタ足を行う。
「神宮司くん、頑張って! 私達が助かる確率は——」
「分かっているさ。俺たちが助かる確率は——」
これが単なる強がりだということは分かっている。
だけど、こういう苦しい境遇での精一杯の強がりは確かな勇気を齎してくれる。
だから私たちは声を揃えて大きな叫びを轟かせることにした。
「「100パーセントだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」」
「……いや、公野さん? なんのことだ?」
「ベンティアドショットヘーゼルナッツバニラアーモンドキャラメルエキストラホイップモカソースランバチップチョコレートクリームフラペチーノを私が頼むから、神宮司くんは抹茶フラペチーノベンティエスプレッソショットチョコレートシロップエキストラホイップモカソースがけを頼んでね! シェアしよシェア」
「なんの呪文だ!?」
病院での一件以来、私と神宮司くんは放課後カフェに繰り出すくらい仲良くなった。
……まぁ? 私が一方的にアプローチしているだけなんですが?
でも、毎日放課後が楽しみで仕方がない。
もちろん桃色的感情もあるけれど、単純に神宮司君と遊ぶのが面白いのだ。
どうして高3の秋まで絡まなかったのか。今さらながら後悔が募る。
「キミのデータは論理的ではないな。根拠がまるで感じられない」
「そう言いながらちゃっかり放課後デートに付き合ってくれる神宮司くんだった」
「か、勘違いするでないぞ!? 知見を深める為にそのクソ長い名称の商品を飲んでみたくなっただけなのだからな!」
かわいいか、キミは。
男のツンデレってこんなに萌えるの? えらくキュンキュンしたのだけど。
「おっと。公野さん、こちら側を歩くが良い。道路側の方が危険な確率91%だからな」
もう……好き!
神宮司君の全てが好き!
嫌いな所が一切ない!
なんなのこの人!? なんでこんなイケメンが女子に人気ないの!?
もし人気あったら私が嫉妬で狂う確率100%だからいいのだけど。
「それにしても、わざわざこんな降りそうな日に行かなくても良かったのではないか? これから雨に変わる確率88%だぞ」
「雨が降ってきたら同じ傘に入れてね。降水確率を知っているということは折り畳み傘持っているんでしょ?」
「当然だ。データに基づいた最善の行動を取るのが俺、神宮司伸三郎の特色だからな!」
「わーい相合傘楽しみにしているね」
「あ、相合——っ!?」
おぉ? ちょっと顔赤くなった?
やった。神宮司くんが意識してくれている。
ふっふっふ。あかりちゃんの熱烈アプローチは効いてきているみたいだね。
「こんなに上手い飲み物なんて俺のデータにないぞ!」
パリ―ン!
どうやら神宮司君のデータにないほど抹茶フラペチーノベンティエスプレッソショットチョコレートシロップエキストラホイップモカソースがけは美味しかったらしい。
「私のヤツあげるからそっちも頂戴」
「間接キスの可能性100パーセントぉぉぉぉぉぉぉっ!!」
パリ―ン、パリ―ン!
最近分かったのだけど、神宮司君の眼鏡が割れる時って『データにないことが起こったから』ではなく『神宮司君の予想を上回る出来事が起きた』場合に起こるらしい。
見ている分にはとても愉快なんだけど、日々の眼鏡代は大丈夫なのだろうか?
「……む? 雨脚が強くなってきたな」
「あらら。本当だ。暗くなってきたし、今日はこのくらいで切り上げようか」
「そうだな」
「『今日は』ってことは、次がある確率100%だね」
「…………」
パリーン。
顔を真っ赤にさせながら無言でメガネが割れている。
もしかして照れているときもメガネ割れるのかな?
そうだったら嬉しいな。
メガネの修理代が増す神宮司君には気の毒だけど。
「い、いくぞ! 送っていってやる!」
「あかりちゃんが嬉しい確率100%」
「最近のキミは本当に俺に影響されているな。ま、まぁ、喜んでもらえて幸いではあるが」
「手を繋いでもらえると200%に跳ね上がるんだけど?」
「確率が100%を超えることは化学的に有りえないからな!? 全く、キミのデータには根拠というのが本当に——」
ぶつくさ言いながら、大きな手で包み込むように私の手を握ってくれている。
……うん。
あかりちゃんが嬉しい確率300%にまで跳ね上がりました。
ぽつぽつと雨が降っている。
秋とはいえ暑い日が続くので、このひんやりとした雨の空気はちょっぴり気持ち良い。
「公野さん、もっとこっちへ入れ。濡れるぞ」
「う、うん」
それにしても近い。
相合傘なのだから当たり前だけなのど物理的に距離が近い。
しかもこの人、身を屈めて私の高さに合わせてくれている。
さりげない行動がイケメンなんだよなぁ。
「ふぅむ。川が増水しているな」
「ね。雨の日に川見るのってなんかテンションあがるよね!?」
「……共感度87%」
「わかってるねぇ神宮司くん。私達さりげなく気が合うよね」
「……ま、否定はしないさ」
なんか、ちょっといい感じ?
もうちょっとムードが高まったら、告白とかしちゃったりなんか——
「むっ!!」
「ど、どうしたの!?」
急に神宮司くんが私に傘を預けて急に走り出した。
「……にゃあぁ!」
「ね、猫が流されてる!?」
大変!
土手際で猫が川に落ちてしまっており、流されながらもがくように苦しんでいる。
「助けなきゃ!!」
「ま、待て! 川に入る気か!? 無理だ! 危険すぎる! この天気で気温だって低いのだ! この時期に河川に飛び込むのは自殺行為すぎる」
「私達より猫ちゃんの方が寒いわよ!」
「駄目だ! ……もう、あの子猫が助かる確率は——23%だ」
神宮司くんがいうならばその数値は事実に近いのだろう。
だけど、私はその言葉を聞いて安堵した。
口元で笑みを作って見せて、私は強がるように神宮司くんに言葉を返す。
「ありがとう神宮司君。23%も助かる確率あるんだ。だったら私は……キミのデータを信じるよ!」
「待て!!」
制止する神宮司くんを振り切って、私は土手際をダッシュする。
猫ちゃんが岸からドンドン離れるように流されてしまう。
手を伸ばすだけじゃ届かないか。
なら、やっぱりこうするしかないよね
ザパンッ!!
上着と靴を脱ぎ棄て、私は川に飛び込み、子猫に手を伸ばす。
当たり前だけど足が付かない。
しかも……想定より水が冷たい。
服が水を吸い込んで気を抜くと沈んでしまいそうだ。
でも——それだけだ。
寒さを我慢し、必死のバタ足で川の流れに抵抗すればいい。
必死に手を伸ばした手はねこちゃんの首根っこを……掴んだ!
よし!
後は……陸地に戻る……あ、あれ?
必死にバタ足しても全然前へ進むことができない。
どうして!?
「——川は……陸地側よりも……中心部の方が流れが速いのだ!」
神宮司くん!
神宮司くんが川の中にまで私を追いかけてくれていた。
自分で危険だって言ったのに……
「俺に捕まっていろ! それと絶対に子猫のことも離すなよ!」
「……うん!」
私は子猫を片手でしっかりと抱え込み、反対の手で神宮司くんの首回りに腕を絡めた。
彼も若干苦しそうにしているが、それでも懸命に陸へ向かって泳ぎ続けている。
「うぉぉぉぉぉぉぉっ!」
すごい!
ものすごい速さのバタ足で私と子猫ちゃんを抱えたままの状態でグングンと前へ進んでいく。
でも、みるみる顔色が悪くなっている。
苦しいんだ……当然だ。
私も彼の負担を減らす為一緒になってバタ足を行う。
「神宮司くん、頑張って! 私達が助かる確率は——」
「分かっているさ。俺たちが助かる確率は——」
これが単なる強がりだということは分かっている。
だけど、こういう苦しい境遇での精一杯の強がりは確かな勇気を齎してくれる。
だから私たちは声を揃えて大きな叫びを轟かせることにした。
「「100パーセントだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」」
0
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
大好きな幼なじみが超イケメンの彼女になったので諦めたって話
家紋武範
青春
大好きな幼なじみの奈都(なつ)。
高校に入ったら告白してラブラブカップルになる予定だったのに、超イケメンのサッカー部の柊斗(シュート)の彼女になっちまった。
全く勝ち目がないこの恋。
潔く諦めることにした。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
私に告白してきたはずの先輩が、私の友人とキスをしてました。黙って退散して食事をしていたら、ハイスペックなイケメン彼氏ができちゃったのですが。
石河 翠
恋愛
飲み会の最中に席を立った主人公。化粧室に向かった彼女は、自分に告白してきた先輩と自分の友人がキスをしている現場を目撃する。
自分への告白は、何だったのか。あまりの出来事に衝撃を受けた彼女は、そのまま行きつけの喫茶店に退散する。
そこでやけ食いをする予定が、美味しいものに満足してご機嫌に。ちょっとしてネタとして先ほどのできごとを話したところ、ずっと片想いをしていた相手に押し倒されて……。
好きなひとは高嶺の花だからと諦めつつそばにいたい主人公と、アピールし過ぎているせいで冗談だと思われている愛が重たいヒーローの恋物語。
この作品は、小説家になろう及びエブリスタでも投稿しております。
扉絵は、写真ACよりチョコラテさまの作品をお借りしております。
俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。
true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。
それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。
これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。
日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。
彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。
※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。
※内部進行完結済みです。毎日連載です。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる