暗殺者の少女、四大精霊に懐かれる。〜異世界に渡ったので、流浪の旅人になります〜

赤海 梓

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第2章 海を目指して

第39話 空から降ってきた女の子

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 私は街を見ながら少しずつ離れていった。

「楽しかったね、四季折祭」

「ああ。次回の夏季四季折祭も来るか?」

「いやぁ……、そんなに頻繁にはいいかな……」

 普通に怖い思いもしたし。正直しばらくは行きたくない。

「あはは……」

「次の村、レグノンってどんなのが有名なんだっけー?」

「そうね~、確か凄く綺麗な夜空が見える村だった気がするわ~」

「僕も昔行ったことありますが、その時はかなり曇っていまして、綺麗な夜空とやらは見れませんでした」

「ふーん、綺麗な夜空か。いいねぇ! 早く行きたい!」

 前世で見た私の空の殆どは戦火の煙によって蓋されていた。
 夜空に星など、気にもした時はなかった。
 だからこそ行きたくなった。皆が見たい見たいと言うのなら、それ相応に期待をしてしまうから。

「どっどどど!!」

「? 誰か何か言った?」

「シルフっぽい声だったけど……?」

「いや、私じゃ……」

「どくでありますぅぅぅぅう!!!!」

「「「「「!!?!?」」」」」

 斜め上の空から女の子が降ってくる!?

「あああああ!!」


 『蝶華心得』縮地・烏天狗しゅくち・からすてんぐ


 私は素早く落下地点まで滑るように移動し、女の子を受け止める体勢に入る。

「よっ」

 私は迎えるように跳び、両手を広げる。
 そして腕の中に収まった子は私よりも少し小さく、白髪に白の兎耳が生えた女の子であった。
 よく見ると片手にシンプルだが豪勢な槍を片手にしていた。

 私は衝撃を完全に殺し、そのままその女の子を下ろしてあげる。

「あっ、あああ、えと、感謝するであります!」

「いいっていいって。それより君は?」

「あ、はい! 自分はウサミ=グリフォア=クウラエンターと申す者であります!」

 そのウサミと名乗った女の子は、私に敬礼をする。

「えっと、長い名前だね?」

「自分は王国公式警察部隊エリスフランメ、その副隊長をしております! 名前が長いのは元隊長の娘であるが故であり、みなからはクウラ副隊長と呼ばれているであります!」

「クウラ……副隊長!?」

「エリスフランメ……!?」

「えっ、そんな、どう見ても子供じゃーん!」

「失礼でありますな! まぁよく言われるので仕方ないのではありますが……。これでも自分は20歳を超えているであります!」

「えー! 見えなーい!」

「童顔に低身長……ルックスの悩みの種は年々辛くなっているのであります……」

 まぁ、確かに見た目だけで見たらほとんど13歳かそこら……。それなのに20歳超えの副隊長という肩書き……。
 兎耳のせいか、さらに幼く見えてしまう。

「頭がバグりそうだね」

「ふむ。ここまで年齢を詐称できるルックスもまた珍しい」

「……バカにしてるでありますか」

「いやいや。それよりもエリスフランメって?」

 その問いにサラマンダーが答える。

「エリスフランメ、王国が誇る最強の武装集団です。治安維持活動、犯罪者逮捕、その他魔物討伐もする場合があるんです」

「その通り! 自分はまだまだ未熟ではありますが、そんな組織の副隊長を任されているのであります!」

「へー、めっちゃ凄いね……」

「というか、なんで空から降ってきたのかしら~?」

 ああ、たしかに。目を回しながら空高くから落ちてきたよな、この子。

「それは、自分のスキルと魔法が関係しているのであります! 少し離れるでります!」

 そうしてクウラは槍を前に出し、構える。


 スキル『真龍突きしんりゅうづき

 爆裂ばくれつ魔法『真撃爆破カースド・エクスプロージョン


 槍で突いたその先端から、爆発が発生する。

「おお」

「これが自分の戦闘スタイル、槍の先端から爆発させて相手を倒す。名付けて『真爆の槍しんばくのやり』であります!」

「すごーい! クウラ……って言えばいいんだっけ! かっくい~!」

「ほらシルフ、困っちゃうから寄らないの」

 私は今にも抱きつかんとするシルフの首根っこを掴み、クウラから離す。
 変装は続行している為、これ程の実力者なら触られるだけで変装は見破られるだろう。
 精霊とバレるのは得策じゃない。変に情報が広まるのは破滅の第一歩だ。

「うげぇ~。離してぇ~」

「あははっ、可愛い子でありますな!」

 ……こう見えて1000年以上生きているらしいが……。まあ言わないでおこう。

「てか、爆裂魔法を使う自体まで陥ってるなら今の状況って大丈夫なの?」

「それは大丈夫であります! 自分が討伐しようとしていた魔物は、上空から肉片になった事をこの目で確認済みであります!」

「へぇ……強いんだね」

「まぁ相手が弱かったこともありますゆえ……。そうだ、受け止めてくれたお礼として、我が隊そろってお礼をしたいのでありますが、着いてきてくれるでありますか!」

「うーん、どうする?」

 私は皆に問いかける。
 するとモースは冷静に告げた。

「辞めておこう。私たちは他人と深く関われば、奴らに狙われかねん」

「あー、たしかに。お礼されちゃうと人質としての価値、優先順位が高まっちゃうもんね。やめとこっか」

 そう軽く話し合った後、私は答えを出す。

「ごめんね、私たち急ぎの用事があるからお礼は大丈夫かな」

「そうでありますか……。ですが! 自分はいつでも役に立つ所存でありますゆえ! 見かけたらいつでも頼って欲しいのであります!」

「うん! ありがとね、クウラ!」

 こうして私たちは特別深く関わることなく分かれるのであった。

 ちなみに、クウラは……

「それでは皆さん、お元気で!」

 そう言い放ち、地面に槍を突き刺す。


 爆裂魔法『真撃爆破カースド・エクスプロージョン』!


 ドカァァァン!と大爆発が起こり、クウラは空の彼方へと消えていった。
 独特な子だったなぁ……。

 そう思いつつも、私は旅を再開するのであった。
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