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プロローグ:4 邂逅。九尾の少女
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「…」
今は師匠の葬式。
「こいつは気の毒だったな、オリス」
「…ガゼンさん」
「俺もあの大将の死を告げられた時は、もう何が何だか分からなくなっちまった。大将の死は間もなくだって、何となくわかっていたはずなのにな」
「…はい」
「…大将の料理は絶品だった。知識と経験で身につけた感覚から素早く料理を提供する事が出来る。料理の申し子と言っても過言では無い」
「…」
「…ったく、シャキッとしろ。最後に大将はなんか言ってなかったか?どうせあの人の事だ。お前には笑っていて欲しいって言ってたんじゃないのか?」
「…!」
「へっ、図星か。じゃあ笑顔でいろ。ずっと笑顔でいろとは言わない。本当に悲しい時以外は笑ってりゃいい。そうすりゃ勝手に幸福がにじりよって来る」
「…はい…」
「…しゃあねえ。終わったら飲みに行くぞ。俺の奢りだ。たんと飲め」
「…いいんですか?」
「はっ、タダ酒と聞いて口数増えてんじゃねえよ。まぁ、それぐらいがお前には丁度いいがな」
「…馬鹿にして」
「馬鹿になんてしてないさ。お前は要領はいいが、自分の感情に対しての対処が不器用なんだ。だから、酒で全部吐き出すのがお前には似合ってるよ」
「…そうですか」
そして俺は師匠の葬式が終わった後、ガゼンさんと近くの居酒屋で飲むことになったのだった。
◇◇◇
「オリスと飲むのは初めてだな。大将とは一緒に飲んだのか?」
「はい。最初で最後の師匠との晩酌でした。…俺は、あの晩酌だけは絶対に忘れない。忘れられない」
「そうだろうな。俺も未だに初めての時の酒は忘れてねぇ。あの味はクソほど美味かった」
「…」
「…はっ、何暗い空気になってんだ!!大丈夫だ、酒さえ飲みゃ嫌なことはスっと忘れる!パッと笑顔になった方が、天国の大将も喜ぶってもんだ!!」
「…ええ、そうですね!今日は飲みましょう!!すいませーん!生ジョッキ4つお願いします!!」
「おう、俺の分までありがとな」
「いや、4杯全部俺のですけど」
「…そうか。おう」
「さっ、ガゼンさんも頼んで!!今日はヤケ酒ですよ!!」
「…ああ!!もう財布の事はどうでもいい!!好きなだけ飲むぜぇ!!」
そして俺は酒が届き次第、ジョッキ4杯を数分で空にし、もう5杯頼むのであった。
ガゼンさんも、5杯くらいを一気飲みしていた。
「お~う、そうだオリス。お前、大将の店は継ぐのか?」
「え…?あ~確かに、あまり考えていなかったなぁ…」
「お前はまだ若いんだし、最低あと1人くらい従業員はほしいんじゃあねえか?」
「う~ん、確かにそうなんだがなぁ~。生憎ずっと店を手伝ってたから、知り合いがあまりいないし、常連さんに従業員頼むのもなぁ~。まぁ何とかなるでしょうよ、とりあえず店は次ぎますよ~」
「おう、本当かオリス!!いや~、あの店がなくなっちまったら俺ァ困るからよ、本当に助かったぜぇ!」
「はっはっは~、別にそんなそんな」
そこから酒をグイッと飲む。
「えぁっとと、ん?あれ?飲みす…」
そして俺は倒れる。
「…?」
まずい、飲みすぎだ…。身体にアルコール、が周りすぎて、もう何、も…考え…られ…な…
「…!」
「おう、大丈夫かオリス」
「ここは…?」
「俺の家だ。あの酒場と家が近いんだ」
「そうですか。ありがとうございます…」
そうして礼を言おうと起き上がった時、
ビキィッ!!
「痛ってぇ!」
「おう、無理すんな。飲みすぎで頭痛めてんだ。ほら、水持ってきたからゆっくり飲んで休め」
「…すみません、わざわざ」
「良いってことよ。それより腹減ってねえか?なんか適当なもんつくれるぞ?」
「今はあまり、お腹は空いてないです」
「そうか。じゃあもっかい寝てろ」
「…ありがとうございます」
これで一休み、かと思ったが、ガゼンさんは部屋を出ていかない。どうしたのだろうか。
「昨日は酒の勢いで店を継ぐなんて言っていたが、本気か?正直店の経営というのは大変だ。経営における素人が1人いたところで店は大して回らないぞ」
「…それはなんとかしますよ」
「あやふやにしてはいけない。ここは店を自分で持つにあたって鮮明にしなければならないところだぞ」
「いえ、問題を後回しにしているわけではありません。必死こいて勉強して、従業員も雇って、現状維持が続く程度の平和な店にしてみせる。みんなが酒を飲んでおちゃらける店にする。これは絶対です。私の意地ですから」
「へぇ…。良い眼してるな。いいぜ。お前の覚悟は充分に伝わったよ。お前の飯は酒の次に美味いんだ。期待しとくぜ」
そしてガゼンさんは部屋を出る。
窓の外は涼しい快晴だ。とても心地が良い。
「…寝るか」
そんなこんなで俺は、師匠の店を継ぐ決心をしたのだった。
◇◇◇
翌日、俺は店に戻っていた。外には休業中の張り紙を張り、冷蔵庫の食材も捨てたり加工したりして、処理をした。腐らせるのはもったいないからな。師匠にげんこつされちまう。
それから今俺はとある重要な問題に直面していた。
「よく考えたら俺友達いなさすぎる問題ーー!」
そりゃあそうだ。この世界に来てからは師匠とお客さん以外だと、買い出しの時によく会う売店のおばちゃんくらいだ。
人の温もりとかを求めてこの世界に来たのに、歳上のおじさん等々としか話していないーー!
これはマズイ。なかなかにマズイ。そもそもこんな人間関係では従業員を雇うだなんて夢のまた夢だ。
ガンガンガン
「くっそ、なにか対策を考えなければ…」
ガン、ドンドンッ
「俺が友達を作る?無理だ。初対面の人との談笑は無理すぎる」
ドンドンドンドンドン
「何年ぼっちやってきてると思ってんだ。1500年ぞ?」
ゴンゴンドンドン
「なにか他の手立てを考えなければ」
ガンガンガ
「るっさいわ!ドア壊れるっての!…って、お前」
ドアを必死に叩いていたのは、同い年か少し年下程度の少女だった。
「入れて…匿って…お願いっ…!」
俺は迷った。どう考えてもこの子は普通じゃない。そりゃそうだ。
金髪で九つの尾を持つ狐の獣人なんて、初めて見たのだ。明らかにこの世界では…いや、全知を語っていた前世の頃ですら異様な姿であったのだった。
「…いいよ、入れ」
でも俺は断れなかった。断りたくなかった。俺は知っている。人の温もりを知れずに人生を送った人の冷たい瞳を。
「あ…ありがとうございますっ…!」
彼女はそそくさと店の中へ入り、厨房まで逃げ、頭を抱えてうずくまった。
「…どうしたんだ?」
「私、今追われてて、ごめんなさい、迷惑ならここから出ていくんですけど、裏社会の人間が、そして…」
「落ち着け。まずはさっき作ったスープだ。根菜がいっぱい入ってるし、温まるぞ」
「あっありがと…いただきます…」
…この子は多分悪い子ではないだろう。俺の経験談だがわかるのだ。食材に対して感謝を述べ、どんな時でも「いただきます」を言える人は美しい。この子はいい子だ。
「もう1回だ。具体的に、落ち着いて、何があったか教えてくれるか?」
「…私は気がつけば森の中にいました。最近知ったのですが、1万年に1度産まれるという幻の聖女『九尾』という種族なのだそうです」
1万年に1人…!だから今まで聞いた事も無かったわけだ。
「ここ最近までは森で平和に暮らしていました。動物たちと戯れて、木の実や山菜で毎日過ごしてきました。ですが、珍しいからと私を狙う人間が出てきました。私は魔術の才に恵まれてるので追い払えたのですが、いつの間にか私を狙う人間は増え、死体でもいいと言い始める人まで出てきたのです」
「それで、裏社会というのは?」
「…私の髪の毛は催眠効果があるみたいで、それを悪用しようとしてる人間がどうやら反社会的勢力らしくて…」
「…そっか」
この瞳に嘘偽りは無い。この子は信用できる。
「いいよ。好きなだけここにいればいい」
「本当ですか!助かりま…」
「だけど1つ、条件がある」
「条件…まさか、身体を差し出せと申すのですか!?」
「そんな訳ないだろ」
「…すみません」
顔が真っ赤になっていて愛らしい。…じゃなくて、
「この店は丁度従業員が1人しかいなくなってまともに経営ができない状況に陥ってしまっているんだ。だからここで提案だ」
「提案…?」
「うちの従業員になれ。雑用を大体任せるつもりだ」
「雑用…」
「それから衣食住と賃金は渡す。どうだ。悪くない提案だろ」
「…!!大丈夫です。私、やっぱり大丈夫な気がするので森に帰りますね…!」
「急にどうし…」
いや、わかるぞ。この気配は明らかに普通の人間じゃない。闇の気配…殺気…!
「大丈夫だ。俺が守ってみせるからな」
「…!!」
俺は彼女を守ることを決めて、覚悟を決めるのだった。
今は師匠の葬式。
「こいつは気の毒だったな、オリス」
「…ガゼンさん」
「俺もあの大将の死を告げられた時は、もう何が何だか分からなくなっちまった。大将の死は間もなくだって、何となくわかっていたはずなのにな」
「…はい」
「…大将の料理は絶品だった。知識と経験で身につけた感覚から素早く料理を提供する事が出来る。料理の申し子と言っても過言では無い」
「…」
「…ったく、シャキッとしろ。最後に大将はなんか言ってなかったか?どうせあの人の事だ。お前には笑っていて欲しいって言ってたんじゃないのか?」
「…!」
「へっ、図星か。じゃあ笑顔でいろ。ずっと笑顔でいろとは言わない。本当に悲しい時以外は笑ってりゃいい。そうすりゃ勝手に幸福がにじりよって来る」
「…はい…」
「…しゃあねえ。終わったら飲みに行くぞ。俺の奢りだ。たんと飲め」
「…いいんですか?」
「はっ、タダ酒と聞いて口数増えてんじゃねえよ。まぁ、それぐらいがお前には丁度いいがな」
「…馬鹿にして」
「馬鹿になんてしてないさ。お前は要領はいいが、自分の感情に対しての対処が不器用なんだ。だから、酒で全部吐き出すのがお前には似合ってるよ」
「…そうですか」
そして俺は師匠の葬式が終わった後、ガゼンさんと近くの居酒屋で飲むことになったのだった。
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「オリスと飲むのは初めてだな。大将とは一緒に飲んだのか?」
「はい。最初で最後の師匠との晩酌でした。…俺は、あの晩酌だけは絶対に忘れない。忘れられない」
「そうだろうな。俺も未だに初めての時の酒は忘れてねぇ。あの味はクソほど美味かった」
「…」
「…はっ、何暗い空気になってんだ!!大丈夫だ、酒さえ飲みゃ嫌なことはスっと忘れる!パッと笑顔になった方が、天国の大将も喜ぶってもんだ!!」
「…ええ、そうですね!今日は飲みましょう!!すいませーん!生ジョッキ4つお願いします!!」
「おう、俺の分までありがとな」
「いや、4杯全部俺のですけど」
「…そうか。おう」
「さっ、ガゼンさんも頼んで!!今日はヤケ酒ですよ!!」
「…ああ!!もう財布の事はどうでもいい!!好きなだけ飲むぜぇ!!」
そして俺は酒が届き次第、ジョッキ4杯を数分で空にし、もう5杯頼むのであった。
ガゼンさんも、5杯くらいを一気飲みしていた。
「お~う、そうだオリス。お前、大将の店は継ぐのか?」
「え…?あ~確かに、あまり考えていなかったなぁ…」
「お前はまだ若いんだし、最低あと1人くらい従業員はほしいんじゃあねえか?」
「う~ん、確かにそうなんだがなぁ~。生憎ずっと店を手伝ってたから、知り合いがあまりいないし、常連さんに従業員頼むのもなぁ~。まぁ何とかなるでしょうよ、とりあえず店は次ぎますよ~」
「おう、本当かオリス!!いや~、あの店がなくなっちまったら俺ァ困るからよ、本当に助かったぜぇ!」
「はっはっは~、別にそんなそんな」
そこから酒をグイッと飲む。
「えぁっとと、ん?あれ?飲みす…」
そして俺は倒れる。
「…?」
まずい、飲みすぎだ…。身体にアルコール、が周りすぎて、もう何、も…考え…られ…な…
「…!」
「おう、大丈夫かオリス」
「ここは…?」
「俺の家だ。あの酒場と家が近いんだ」
「そうですか。ありがとうございます…」
そうして礼を言おうと起き上がった時、
ビキィッ!!
「痛ってぇ!」
「おう、無理すんな。飲みすぎで頭痛めてんだ。ほら、水持ってきたからゆっくり飲んで休め」
「…すみません、わざわざ」
「良いってことよ。それより腹減ってねえか?なんか適当なもんつくれるぞ?」
「今はあまり、お腹は空いてないです」
「そうか。じゃあもっかい寝てろ」
「…ありがとうございます」
これで一休み、かと思ったが、ガゼンさんは部屋を出ていかない。どうしたのだろうか。
「昨日は酒の勢いで店を継ぐなんて言っていたが、本気か?正直店の経営というのは大変だ。経営における素人が1人いたところで店は大して回らないぞ」
「…それはなんとかしますよ」
「あやふやにしてはいけない。ここは店を自分で持つにあたって鮮明にしなければならないところだぞ」
「いえ、問題を後回しにしているわけではありません。必死こいて勉強して、従業員も雇って、現状維持が続く程度の平和な店にしてみせる。みんなが酒を飲んでおちゃらける店にする。これは絶対です。私の意地ですから」
「へぇ…。良い眼してるな。いいぜ。お前の覚悟は充分に伝わったよ。お前の飯は酒の次に美味いんだ。期待しとくぜ」
そしてガゼンさんは部屋を出る。
窓の外は涼しい快晴だ。とても心地が良い。
「…寝るか」
そんなこんなで俺は、師匠の店を継ぐ決心をしたのだった。
◇◇◇
翌日、俺は店に戻っていた。外には休業中の張り紙を張り、冷蔵庫の食材も捨てたり加工したりして、処理をした。腐らせるのはもったいないからな。師匠にげんこつされちまう。
それから今俺はとある重要な問題に直面していた。
「よく考えたら俺友達いなさすぎる問題ーー!」
そりゃあそうだ。この世界に来てからは師匠とお客さん以外だと、買い出しの時によく会う売店のおばちゃんくらいだ。
人の温もりとかを求めてこの世界に来たのに、歳上のおじさん等々としか話していないーー!
これはマズイ。なかなかにマズイ。そもそもこんな人間関係では従業員を雇うだなんて夢のまた夢だ。
ガンガンガン
「くっそ、なにか対策を考えなければ…」
ガン、ドンドンッ
「俺が友達を作る?無理だ。初対面の人との談笑は無理すぎる」
ドンドンドンドンドン
「何年ぼっちやってきてると思ってんだ。1500年ぞ?」
ゴンゴンドンドン
「なにか他の手立てを考えなければ」
ガンガンガ
「るっさいわ!ドア壊れるっての!…って、お前」
ドアを必死に叩いていたのは、同い年か少し年下程度の少女だった。
「入れて…匿って…お願いっ…!」
俺は迷った。どう考えてもこの子は普通じゃない。そりゃそうだ。
金髪で九つの尾を持つ狐の獣人なんて、初めて見たのだ。明らかにこの世界では…いや、全知を語っていた前世の頃ですら異様な姿であったのだった。
「…いいよ、入れ」
でも俺は断れなかった。断りたくなかった。俺は知っている。人の温もりを知れずに人生を送った人の冷たい瞳を。
「あ…ありがとうございますっ…!」
彼女はそそくさと店の中へ入り、厨房まで逃げ、頭を抱えてうずくまった。
「…どうしたんだ?」
「私、今追われてて、ごめんなさい、迷惑ならここから出ていくんですけど、裏社会の人間が、そして…」
「落ち着け。まずはさっき作ったスープだ。根菜がいっぱい入ってるし、温まるぞ」
「あっありがと…いただきます…」
…この子は多分悪い子ではないだろう。俺の経験談だがわかるのだ。食材に対して感謝を述べ、どんな時でも「いただきます」を言える人は美しい。この子はいい子だ。
「もう1回だ。具体的に、落ち着いて、何があったか教えてくれるか?」
「…私は気がつけば森の中にいました。最近知ったのですが、1万年に1度産まれるという幻の聖女『九尾』という種族なのだそうです」
1万年に1人…!だから今まで聞いた事も無かったわけだ。
「ここ最近までは森で平和に暮らしていました。動物たちと戯れて、木の実や山菜で毎日過ごしてきました。ですが、珍しいからと私を狙う人間が出てきました。私は魔術の才に恵まれてるので追い払えたのですが、いつの間にか私を狙う人間は増え、死体でもいいと言い始める人まで出てきたのです」
「それで、裏社会というのは?」
「…私の髪の毛は催眠効果があるみたいで、それを悪用しようとしてる人間がどうやら反社会的勢力らしくて…」
「…そっか」
この瞳に嘘偽りは無い。この子は信用できる。
「いいよ。好きなだけここにいればいい」
「本当ですか!助かりま…」
「だけど1つ、条件がある」
「条件…まさか、身体を差し出せと申すのですか!?」
「そんな訳ないだろ」
「…すみません」
顔が真っ赤になっていて愛らしい。…じゃなくて、
「この店は丁度従業員が1人しかいなくなってまともに経営ができない状況に陥ってしまっているんだ。だからここで提案だ」
「提案…?」
「うちの従業員になれ。雑用を大体任せるつもりだ」
「雑用…」
「それから衣食住と賃金は渡す。どうだ。悪くない提案だろ」
「…!!大丈夫です。私、やっぱり大丈夫な気がするので森に帰りますね…!」
「急にどうし…」
いや、わかるぞ。この気配は明らかに普通の人間じゃない。闇の気配…殺気…!
「大丈夫だ。俺が守ってみせるからな」
「…!!」
俺は彼女を守ることを決めて、覚悟を決めるのだった。
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