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第1部 星霊隊結成
第13話(7)彼を追放したものの末路
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カザンの目の前に立つその男、東雲幸紀は、カザンに対して余裕の表情で話しかける。一方のカザンは、折れた刀を投げ捨て、幸紀から後ずさるが、幸紀はカザンが離れた分だけ距離を詰めていくのだった。
「コーキ…!なぜ生きている…!!」
「死ぬ理由がなければ生きている。当然だろう」
「この死に損ないが…!」
カザンはそう言い放つと、背中に回していたショットガン、「滅魔砲」を幸紀の方に構える。
「今度こそ死ね!!」
カザンは裂帛の気合いと共に、叫び声を上げながら「滅魔砲」の引き金を引く。赤黒い銃弾が、幸紀の体に向かって飛んできた。
しかし、幸紀は全く怯まず、刀を縦に力強く振るい、銃弾ごと「滅魔砲」の銃身を真っ二つに叩き切った。
「ひぇっ…!!」
抵抗する手段を全て失ったカザンは、小さく悲鳴を上げる。「滅魔砲」の残骸を投げ捨て、カザンは幸紀の説得を始めた。
「ま、待ってくれコーキ!!お前の要求を聞かせろ!いや、聞かせてください!!人間か!?人間たちがそんなに気に入ったのか!?だったらほら、今すぐ兵を退かせて助けてやるから!な!?」
「そんな必要はない。どうせ死んでいる」
「え?」
カザンの言葉に、幸紀は短く答え、真っ黒な地面を靴で踏み鳴らす。すると、地面に、上空から見た清峰屋敷の映像が広がった。
「こ、これは…」
「お前が喉から手が出るほど欲しがっている清峰屋敷だ。お前の部下たちも、屋敷に群がっているな。さて」
幸紀はそう言うと、もう一度靴を踏み鳴らす。映像の一部が拡大され、屋敷を囲む悪魔たちの外側の部分が映し出される。
すると、その悪魔たちが次々と、山から下りてきた日菜子たちによって倒されていくのだった。
「な、なんだと…!!奴らは爆殺したはず!!」
「見込み違いはそれだけか?」
幸紀は靴を踏み鳴らす。次に映し出された映像は、屋敷の中から出てくる星霊隊のメンバーたちの姿だった。その中には、カザンが重傷を負わせたはずの焔と真理子の姿もあり、ふたりの傷は癒えていた。
「そんなはずは…!」
「あの屋敷の中には傷を癒せる人間がいた。それだけのことだ。それよりも、もっと面白いものを見せてやる」
幸紀は靴を鳴らし、再び日菜子たちの戦う姿を映し出す。少し待つと、無傷で堂々と指揮を執る清峰の姿が映っていた。
「バカな…!!絶対に、あの女だけは殺せたはずだ!縄には呪いもかけたし、爆弾も確かに爆発した!なのに、なぜ生きているんだ!?」
「俺が助けてやった。それだけの話だ」
状況を信じられずに声を荒げるカザンに対し、幸紀は冷静に言う。そんな幸紀に対して、カザンは感情を爆発させた。
「コーキィ!!貴様、なぜ我々の邪魔をする!!貴様が邪魔をしなければ!俺は屋敷を奪って出世できたのに!!この汚れた血の入った裏切り者め!!」
カザンは幸紀に対して指を突きつけながら詰問する。それに対し、幸紀は無言で刀を振るい、突きつけられたカザンの腕を切り飛ばした。
「ぬぁあああ!!!」
「俺が裏切り者?笑わせるな。先に俺を裏切ったのは貴様らだろう。清峰屋敷の秘密も、『天正大結界』の情報も、全て俺から得た情報だろうが。だというのに、その俺の出生を罵り、俺を追放したのは、お前だ!!」
幸紀はそう叫びながら、カザンの右足を目掛けて刀を振るう。幸紀の刀は、カザンの右足を黒い煙に変え、カザンは悲鳴を上げながら大きく姿勢を崩した。
再び刀を構える幸紀に対し、カザンはまだ斬られていない右腕を前に伸ばしながら、首を横に振った。
「悪かった!!本当にすまなかった!!お前の言う通りだ!!でも違うんだコーキ!!」
「何が」
「お前を追放したのは、俺の意思じゃないんだ!!」
「ほう?」
カザンの言葉に、幸紀は興味深そうに声をあげ、刀をカザンの首に突きつける。幸紀はそのまま尋ねた。
「では誰のせいだ」
「テルギアだよ!アカツキ侵攻軍の総指揮官!俺の直属の上司のアイツにやれって言われたんだ!」
「テルギア…悪魔神王の弟か…」
カザンの言葉に対して、幸紀はふと呟く。カザンは幸紀の呟きをよそに、愛想笑いをしながら幸紀に訴えかけた。
「な?俺は悪くないんだよ!!悪いのはテルギアたちなんだよ!!」
「…そうだな」
カザンの言葉に、幸紀は短く答える。殺されずに済みそうになったカザンは笑顔のまま眉を上げた。
「そ、そうだよな!じゃあ、俺のことは、助けてくれるよな!?」
「そうだな。俺は貴様と違って約束は守る男だ。さっき命乞いもされたことだし、殺さないでやろう」
「おぉ…!」
カザンの表情が明らかに明るくなる。その瞬間、幸紀は刀を振るった。
「ぬあぁっ!!」
瞬間、残っていたカザンの腕と足が斬り飛ばされ、黒い煙に変わる。そのままその場に姿勢を崩したカザンを、幸紀は見下ろした。
「い、痛てぇ…!こ、コーキ、殺さないって言ったろ…!!貴様、約束は守れよ…!」
「何を言っている。殺してはいないだろう。『この俺』からはこれで最後だ」
文句を言うカザンに対して、幸紀は言い返す。幸紀の言葉の意図が理解仕切れないカザンは、仰向けに倒れながら尋ねた。
「どういうことだ…?」
「手足も動かないまま、人間たちのところに放り込まれたら、どうなるだろうな?それを試してみよう」
「…!!待て、コーキ!!やめろ、やめてくれ!!」
幸紀はカザンの首を掴みながら、足元に広がる、日菜子たちの活躍する映像を見下ろす。すでに日菜子たちの活躍によって、屋敷を取り囲んでいた悪魔たちは、全て一掃されていた。
「ふん。さすが俺が見込んだだけのことはある連中だ。カザン、良かったな。楽に死ねるぞ」
「待ってくれぇえええ!!俺はまだ死にたくねぇ!!まだ、俺は、軍で出世しなくちゃならねぇんだ!!こんな!!こんな人間の!!しかも女どもに殺されるわけにはいかねえのに!!」
「お前が弱いのがいけないんだ。弱者はどんな理不尽にも耐えろ。安心しろ、お前の名は俺が語り継いでやる。人間の、非力な女たちに負けた、悪魔の面汚しとな」
「コォオオキィィイイ!!!!」
幸紀はカザンの叫びを聞き流しながらそう言うと、地面に刀を突き立てる。黒い地面に円形の穴が開くと、幸紀は足元に見える星霊隊の女性たちの元へと放り投げるのだった。
「うぅぅわぁああああ……」
カザンの悲鳴が遠のいていく。幸紀は身動きの取れないカザンが、星霊隊の女性たちに囲まれたのを見て、小さく微笑むのだった。
清峰屋敷前
「うぐぁっ!!」
上空から背中を地面に叩きつけられるようにして、カザンは地上に落ちてくる。もうすでに両腕と両足を斬り捨てられたカザンは、身動きが取れず、顔を振ってただ周囲から迫ってくる星霊隊の女性たちの姿を目の当たりにすることしかできなかった。
「くっ、来るな!!やめろ!!」
「こいつがカザンだね…!あとはこいつだけだ…!」
真っ先にカザンの近くに来た日菜子が、カザンを見て言う。それに従い、続々と星霊隊のメンバーたちが集まってきた。
「侯爵!この悪魔、どうしますか!!」
日菜子は清峰に尋ねる。尋ねられた清峰は、カザンの顔の横まで歩くと、しゃがみこんでカザンを見下ろした。
「やめろ!!寄るんじゃねぇ!!」
「カザン、お前は、私たちの仲間を大勢奪ってきた。彼や彼女たちの尊厳や、誇りや、そして命を奪ってきた。その恨み、奪われた人間の悲しみ、お前に理解させてやろう」
「やめろぉおおおお!!!!」
「星霊隊、かかれ!!」
清峰の号令がかかる。瞬間、夜明け前の暗闇が包むその周辺に、霊力による様々な色の閃光と、女性たちの掛け声、そして、カザンの最期の悲鳴が、あたりに響くのだった。
「コーキ…!なぜ生きている…!!」
「死ぬ理由がなければ生きている。当然だろう」
「この死に損ないが…!」
カザンはそう言い放つと、背中に回していたショットガン、「滅魔砲」を幸紀の方に構える。
「今度こそ死ね!!」
カザンは裂帛の気合いと共に、叫び声を上げながら「滅魔砲」の引き金を引く。赤黒い銃弾が、幸紀の体に向かって飛んできた。
しかし、幸紀は全く怯まず、刀を縦に力強く振るい、銃弾ごと「滅魔砲」の銃身を真っ二つに叩き切った。
「ひぇっ…!!」
抵抗する手段を全て失ったカザンは、小さく悲鳴を上げる。「滅魔砲」の残骸を投げ捨て、カザンは幸紀の説得を始めた。
「ま、待ってくれコーキ!!お前の要求を聞かせろ!いや、聞かせてください!!人間か!?人間たちがそんなに気に入ったのか!?だったらほら、今すぐ兵を退かせて助けてやるから!な!?」
「そんな必要はない。どうせ死んでいる」
「え?」
カザンの言葉に、幸紀は短く答え、真っ黒な地面を靴で踏み鳴らす。すると、地面に、上空から見た清峰屋敷の映像が広がった。
「こ、これは…」
「お前が喉から手が出るほど欲しがっている清峰屋敷だ。お前の部下たちも、屋敷に群がっているな。さて」
幸紀はそう言うと、もう一度靴を踏み鳴らす。映像の一部が拡大され、屋敷を囲む悪魔たちの外側の部分が映し出される。
すると、その悪魔たちが次々と、山から下りてきた日菜子たちによって倒されていくのだった。
「な、なんだと…!!奴らは爆殺したはず!!」
「見込み違いはそれだけか?」
幸紀は靴を踏み鳴らす。次に映し出された映像は、屋敷の中から出てくる星霊隊のメンバーたちの姿だった。その中には、カザンが重傷を負わせたはずの焔と真理子の姿もあり、ふたりの傷は癒えていた。
「そんなはずは…!」
「あの屋敷の中には傷を癒せる人間がいた。それだけのことだ。それよりも、もっと面白いものを見せてやる」
幸紀は靴を鳴らし、再び日菜子たちの戦う姿を映し出す。少し待つと、無傷で堂々と指揮を執る清峰の姿が映っていた。
「バカな…!!絶対に、あの女だけは殺せたはずだ!縄には呪いもかけたし、爆弾も確かに爆発した!なのに、なぜ生きているんだ!?」
「俺が助けてやった。それだけの話だ」
状況を信じられずに声を荒げるカザンに対し、幸紀は冷静に言う。そんな幸紀に対して、カザンは感情を爆発させた。
「コーキィ!!貴様、なぜ我々の邪魔をする!!貴様が邪魔をしなければ!俺は屋敷を奪って出世できたのに!!この汚れた血の入った裏切り者め!!」
カザンは幸紀に対して指を突きつけながら詰問する。それに対し、幸紀は無言で刀を振るい、突きつけられたカザンの腕を切り飛ばした。
「ぬぁあああ!!!」
「俺が裏切り者?笑わせるな。先に俺を裏切ったのは貴様らだろう。清峰屋敷の秘密も、『天正大結界』の情報も、全て俺から得た情報だろうが。だというのに、その俺の出生を罵り、俺を追放したのは、お前だ!!」
幸紀はそう叫びながら、カザンの右足を目掛けて刀を振るう。幸紀の刀は、カザンの右足を黒い煙に変え、カザンは悲鳴を上げながら大きく姿勢を崩した。
再び刀を構える幸紀に対し、カザンはまだ斬られていない右腕を前に伸ばしながら、首を横に振った。
「悪かった!!本当にすまなかった!!お前の言う通りだ!!でも違うんだコーキ!!」
「何が」
「お前を追放したのは、俺の意思じゃないんだ!!」
「ほう?」
カザンの言葉に、幸紀は興味深そうに声をあげ、刀をカザンの首に突きつける。幸紀はそのまま尋ねた。
「では誰のせいだ」
「テルギアだよ!アカツキ侵攻軍の総指揮官!俺の直属の上司のアイツにやれって言われたんだ!」
「テルギア…悪魔神王の弟か…」
カザンの言葉に対して、幸紀はふと呟く。カザンは幸紀の呟きをよそに、愛想笑いをしながら幸紀に訴えかけた。
「な?俺は悪くないんだよ!!悪いのはテルギアたちなんだよ!!」
「…そうだな」
カザンの言葉に、幸紀は短く答える。殺されずに済みそうになったカザンは笑顔のまま眉を上げた。
「そ、そうだよな!じゃあ、俺のことは、助けてくれるよな!?」
「そうだな。俺は貴様と違って約束は守る男だ。さっき命乞いもされたことだし、殺さないでやろう」
「おぉ…!」
カザンの表情が明らかに明るくなる。その瞬間、幸紀は刀を振るった。
「ぬあぁっ!!」
瞬間、残っていたカザンの腕と足が斬り飛ばされ、黒い煙に変わる。そのままその場に姿勢を崩したカザンを、幸紀は見下ろした。
「い、痛てぇ…!こ、コーキ、殺さないって言ったろ…!!貴様、約束は守れよ…!」
「何を言っている。殺してはいないだろう。『この俺』からはこれで最後だ」
文句を言うカザンに対して、幸紀は言い返す。幸紀の言葉の意図が理解仕切れないカザンは、仰向けに倒れながら尋ねた。
「どういうことだ…?」
「手足も動かないまま、人間たちのところに放り込まれたら、どうなるだろうな?それを試してみよう」
「…!!待て、コーキ!!やめろ、やめてくれ!!」
幸紀はカザンの首を掴みながら、足元に広がる、日菜子たちの活躍する映像を見下ろす。すでに日菜子たちの活躍によって、屋敷を取り囲んでいた悪魔たちは、全て一掃されていた。
「ふん。さすが俺が見込んだだけのことはある連中だ。カザン、良かったな。楽に死ねるぞ」
「待ってくれぇえええ!!俺はまだ死にたくねぇ!!まだ、俺は、軍で出世しなくちゃならねぇんだ!!こんな!!こんな人間の!!しかも女どもに殺されるわけにはいかねえのに!!」
「お前が弱いのがいけないんだ。弱者はどんな理不尽にも耐えろ。安心しろ、お前の名は俺が語り継いでやる。人間の、非力な女たちに負けた、悪魔の面汚しとな」
「コォオオキィィイイ!!!!」
幸紀はカザンの叫びを聞き流しながらそう言うと、地面に刀を突き立てる。黒い地面に円形の穴が開くと、幸紀は足元に見える星霊隊の女性たちの元へと放り投げるのだった。
「うぅぅわぁああああ……」
カザンの悲鳴が遠のいていく。幸紀は身動きの取れないカザンが、星霊隊の女性たちに囲まれたのを見て、小さく微笑むのだった。
清峰屋敷前
「うぐぁっ!!」
上空から背中を地面に叩きつけられるようにして、カザンは地上に落ちてくる。もうすでに両腕と両足を斬り捨てられたカザンは、身動きが取れず、顔を振ってただ周囲から迫ってくる星霊隊の女性たちの姿を目の当たりにすることしかできなかった。
「くっ、来るな!!やめろ!!」
「こいつがカザンだね…!あとはこいつだけだ…!」
真っ先にカザンの近くに来た日菜子が、カザンを見て言う。それに従い、続々と星霊隊のメンバーたちが集まってきた。
「侯爵!この悪魔、どうしますか!!」
日菜子は清峰に尋ねる。尋ねられた清峰は、カザンの顔の横まで歩くと、しゃがみこんでカザンを見下ろした。
「やめろ!!寄るんじゃねぇ!!」
「カザン、お前は、私たちの仲間を大勢奪ってきた。彼や彼女たちの尊厳や、誇りや、そして命を奪ってきた。その恨み、奪われた人間の悲しみ、お前に理解させてやろう」
「やめろぉおおおお!!!!」
「星霊隊、かかれ!!」
清峰の号令がかかる。瞬間、夜明け前の暗闇が包むその周辺に、霊力による様々な色の閃光と、女性たちの掛け声、そして、カザンの最期の悲鳴が、あたりに響くのだった。
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