乙女ゲームの余り物たちと結婚させられるために異世界から召喚されました

そいみるくてぃー

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「片足引いてー、引いてない足を曲げてー、スカートちょっと持って」
「だから大丈夫だよミズキ。殿下は厳しくないから」
「こーしゃくかっかじゃないの!ジョエル!王子様の前で怒らないだろうけど、出来なかったらあとで言われそう」
「その適当な言い方も直されるよ絶対。ジョエル様に言われる前に教えるね」
「やだー、ノアは優しくしてね」
「ジョエル様も普段より充分優しいけどね」
「じゃあノアはもっと優しくして」

頬にキスしてあげれば喜んで抱き締めてくれる

「する!僕はミズキを怒ったりしないよ」
「お二人とも、王城のましてや廊下でいちゃついている場合ではありませんよ」
「やだーミシェルさんもジョエルみたい。ママだよママ。ねー、ノアもそう思うでしょ?」
「いや、僕は思わないよ」
「えーひどーい」
「ほら、御二人とも行きますよ。あと少しですから」

だだっ広い廊下や階段をもう延々と歩いてる気がする。お城ってマジ広い。マジ城。語彙力死んでる。マジ城

「ほら、あちらですよ。ジョエル様もお待ちでいらっしゃいますね」

扉の前でこちらを見て待っていたのはジョエルだった。正装。ブラックタイがよく似合っている

「ノアールは制服ではないのですか?」
「ミシェル様にブラックタイでいいと。ミズキに合わせるなら今回はタキシードのほうがいいだろうって」
「そうですね。恐らく制服なのはロランだけでしょうから。格式ばってない楽な晩餐でしょう。ミズキ、そんなに緊張しなくていいですよ」

見上げればちゅっと軽くキスをされて手を握られる

「カーテシーもまだ完璧じゃなくていいから。これから頑張っていきましょうね」

頑張らなくてはいけないらしい。




扉が開いたら挨拶、扉が開いたら挨拶
ミシェルさんが扉をあければ王子様がいた。王子様の斜め後ろには近衛のロランさん。

「本日はお招き頂きありがとうございます、こーしゃくかっか」

よし、完璧。ちゃんとできた。下向いてるからジョエルの反応は見えないけど多分平気。

「ミズキ、こちらこそ来てくれて嬉しいよ」

よし顔あげていい、体勢も元に戻す。あーほんとしんどい。ドレスだと膝がつけないからだっけ?日本人だから礼でいいじゃんとか思っちゃう。そもそも横にいるあたしの夫達は膝ついてないじゃん

まぁ挨拶はなんとかなったし食事は美味しい。そしてお酒もとってもおいしい。なんか説明してくれてるけどよくわかんない。ブドウの品種?とか言われてもさっぱり。

「今度ワイナリー連れていってください」

とだけお願いしたら王子様は大喜びだった。

「では貴女の御披露目が終わったら日付を確保しようか」
「いいえ殿下、御披露目が終われば今度は結婚式がありますので。殿下達と楽しく馬車に乗って泊まりがけで行くというのはしばらく無理ですね」
「結婚式!?もう決まっているのか!?」
「えぇ。殿下が楽しく支度をしている間に日取りを決めてまいりましたよ。つい先程」

またバチバチしてる二人をよそにあたしはノアと楽しく料理を進める

「今の何品目だった?」
「6じゃない?お肉だったし。次サラダとチーズだよ」
「またお酒進むやつじゃーん。さっきのお魚のソースめっちゃおいしかったよね」
「ミズキ様がお気に召したようでしたらシェフにも伝えますね。喜びますよ」

お皿を下げにきてくれたミシェルさんに言われた。なんか名前長くて覚えてないんだけどね。なんだっけ?素材、調理方法、ソースの順番だっけ?

「ミシェルさんどうもありがとう」
「えぇ。お酒は次もこちらの選んだものでよろしいですか?」
「うん。たのしみ」

この世界にきてよかったことはお酒飲み放題なことかも。幸せ。あんま悪酔いしないし最高。

「ねぇジョエル、結婚式って言ってたけどさ、ジョエルとノアのご両親に挨拶とか行かなくていいの?」
「私の父には会ったでしょう?母にもということでしたら御披露目が終わったら行きましょうか」
「ノアのところは?」
「うちも聞いてみます。ミズキがわざわざ挨拶したいとなれば断ることはないでしょうから」

顔合わせ2回もあるのか面倒だなーとか思ってしまう。ホテルとかに集合して1回で済ませられるものじゃない?むしろ住んでる部屋がホテルみたいなもんだし来てもらうほうがよくない?とかここで言ったらまた怒られそうだし今度言おう。

「本当に結婚するんだな…」

カトラリーを置いた王子様が溜め息をつきながらそう呟いた。

「えぇそうですよ殿下。今日のこの場も公爵としてお祝いしてくださるから御用意してくださったのですよね?かわいい家臣二人が遂に妻帯者になれると」
「かわいいのはノアールだけだが」

まーた始まった。少しは喧嘩しないで会話はできないのだろうか?聞いてる方も疲れる

「私はミズキ様が一番かわいいと思いますよ。私のお姫様」

ふと耳元でそう囁かれドキっとしてしまう。ミシェルさんがお酒を注ぎにきてくれたのだ。ノアとは反対側だからノアには聞こえてないと思うけど、不意打ちは恥ずかしいからやめてほしい

ちょくちょく目は合うが、合った瞬間そらされる騎士にも参った。当然昨日のあたしのせいだ。普通ふらついただけで男性の股間に顔を埋めるだろうか?ラッキースケベにも程がある。あの場合はどちらがラッキーだったのかはわからないが。それにしても立派なモノをお持ちであった。あれで絶倫?恐ろしいわ

そしてようやく気付く、ジョエルと王子様が話すから場の空気が悪くなるからだと。あたしが王子様と話せばよくない?
そういえば窓から見える池?沼?の向こうにあるめっちゃかわいい家?いや、家なんて大きさじゃないけど家。

「こーしゃくかっか、窓から見えるおうち、すごくかわいいですね」
「あぁ、あれは私の離宮だ。私的なものだからそこまで大きくないが」
「えー!?王子様、じゃない。こーしゃくかっかってお城に住んでるんじゃないの!?」
「住まいは城にもあるし基本は離宮だが城の外に公爵邸もある」

やべぇな。マジで王子様ってかんじ。3つも家いらなくね?

「別荘もありますよね」

王子様ってハンパないわ。不動産そんないる?マジ雲の上の人。そもそも夜に自分の家照らす?警備的な都合?休まらなさそう。イルミネーション的な?いや、時期も日本と同じなら今は夏だからイルミネーションじゃないか。早めのハロウィン?早すぎじゃね?

その離宮にこの場の6人で暮らしていくことになるなんてこのときは思いもしなかったんだから。








「お招きありがとうございました」
「ミズキがよければまた誘ってもいいだろうか?」
「はい。ノアとジョエルがよければ」

ノアはいいって言うけどジョエルはダメって言うと思う。
なんか王子様必死だよね。そんなに結婚したいの?

「では、おやすみ」

王子様にほっぺにキスされてびっくりしてたら一瞬で部屋に戻ってきてた。え?なに?マジック?

「あぁミズキ、頬があのバカ王子に汚されてしまいましたね」

ハンカチで人の頬をすごい勢いで拭ってくるのはジョエル。ファンデーション落ちる、チークはもう絶対落ちてる。

「ごめんねミズキ、ジョエル様に言われて3人で転移しちゃったけど酔ったりしてない?頭痛いとか気持ち悪いとかない?」
「うん、大丈夫。でもびっくりした。いきなりいつもの部屋にいるんだもん」
「では、私は仕事が残っているので執務室に行きます。ノア、ミズキを頼みましたよ。明日はとにかくダンスレッスンですから。あと早い時間にルネが仮縫いの調整に来ますので」

ジョエルはまた消えた。

「渡しそびれちゃった…」
「ピアス?」
「うん。でもジョエル様忙しいから」
「明日二人でジョエルのところに行って渡せばいいじゃん?探検よ探検」
「じゃあ僕が案内してあげる。ね、一緒にお風呂はいろ」

ぎゅーっと抱きついてくるかわいい夫にキスをして二人でお風呂に入ることにする。



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