乙女ゲームの余り物たちと結婚させられるために異世界から召喚されました

そいみるくてぃー

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「で?演目は?」
「ジョエルに聞かないとわかんない」
「貴女は自分の予定も把握していないのか?」
「してるしてる。今日はビアガーデンごっこやるの。マチアス様もくる?」
「お生憎様。貴女のドレスの仕上げがあるから無理だ。」

今日はマチアスさんのドレスの試着だった。もうほぼ出来ているからあとはギャザーの寄せ具合の調整とかだった。すげー。めっちゃ綺麗に見える。女をあげるドレスとはこーゆーものなんだと思う。しかも頼んだのは1着だったのにもう1着はついでで作ったと今日持ってきてくれた。あともう1着を結婚式用に作ってる最中らしい。仕事が早い。

「うちも白といこうじゃないか。ファヴォリとどちらを選ぶかは貴女次第だが」

こっわ。自分の方を選べと言ってるようなものじゃないか。今度来たときにはミシェルにコルセットを締めてもらってまた採寸すると言われてあの苦しさが戻ってきたようだった。うえっ。

「これからガーデンパーティーなんだろう?これを着ていけばいい。着付けてやるから」

今日もらったドレスだ。うん。エロくみえる。髪はおろしたままのほうがいいかも。巻いてサイドに寄せておこ。

「その病気かと思うほどの執着の痕はなんとかしたほうがいい」

知ってます。観劇に行く日まではつけるの禁止だと二人に言わなくちゃならない。そもそもタートルネックがあまり好きじゃないから本当にやめてもらいたい。キスマーク消す魔術はないとか魔術も万能じゃなくてちょっとショックだった。だからマチアス様になんかすごいコンシーラーとファンデ駆使してもらって目立たないようにしてもらった。






「それで?誘ったのは最初に考えてた人だけ?」
「うん。知らない人いてもどうしようもなくない?あー、先生の奥様は知らない人かも。ルネさんの奥さんは妊娠中だから来れないし。」

ノアと話ながら歩いて庭まで向かう。行くまでがちょっと遠いけど。途中でトラブルにも巻き込まれたけど無事庭に着いた。想像と違う景色が広がっていて開いた口が塞がらない。
BBQ的な、とか提案したのに、レンガで組み立てられて鉄板が上についている立派な調理台が用意されてシェフ付き。鉄板焼形式だ。あとビール飲みたいって言ったけど、簡易バーができてるなんて知らなかった。樽まである。テーブルセットもいくつかあるし、これはビアガーデンじゃない、マチアスさんが言っていたガーデンパーティーだ。全部人がやってくれるタイプのやつ。ちなみに日傘もノアが差してくれている。

「思ってたのとちがう…」
「え?不満だった?」
「いや、ちがうんだけどさ。立派すぎてびっくりした。缶ビールとホームセンターで買った安いセットとかでやるのを想像してたから華やかすぎてびっくりしただけ」

ジョエルとノアが準備してくれたらしい。それよりこのシェフの方々は?と聞いたらいつもあたしのごはんを用意してくれてる人達らしい。とにかく本当に感謝していると伝えておいた。食事の時間はバラバラだろうし本当に迷惑ばかりかけている気がする。でもシェフもお酒飲みながら調理してくれるみたいだから一緒に楽しめそうでよかった。

人も集まったしお酒飲み始めるけどジョエルが来ない。あとミシェルとロランも。まぁノアがいればいいんだけど。

「だからさー、緑とお花は白。でね、バラのトンネルみたいなのをくぐってバージンロード歩きたいの」
「とっくにバージンじゃない女がバージンロードとか笑えるわ」

先生はひどい。新婦が歩くからバージンロードなのに。世の中処女でバージンロード歩くやつのほうが絶対に少ない!

「あなた、異世界の花嫁様にそんなこと言ってはいけませんわ」

先生の奥さんはなんかもうモデルみたいだった。クールビューティーだった。そうか、先生が着れるドレスを着るくらいだから背も高いはずだ。思わず姉御と呼びたくなるタイプの人。

「でも侯爵家の跡取りと筆頭魔術師様とのご結婚が城の庭のガーデンウエディングでいいのかしら?招待客も入りきらないんではなくて?」
「それは思ったわ。いくらミズキ様がこの世界のことを知らなくても規模が小さいと思うの。てっきり大聖堂でマスコミもたくさんいれて大々的に行うのかと思ってたわ。」
「私もそう思ってたわよ…もうファヴォリみんなでミズキ様の衣装をベルラインのトレーン長めで作り始めてるところだったのに…ガーデンウエディングならトレーン長めもベルラインも厳しいわ…パターンまで出来ているのよ」

この会話、女性は先生の奥様だけ。あとの二人は男性である。

「ドレスはマチアス様が白いドレスを仕立てるそうで、そちらが私達の結婚式のメインドレスになるとジョエル様が」

ノアがいったことはあたし初耳だった。さっき貴女次第とか言ってたから、部屋を出たあとジョエルと会って決めたんだと思う。マチアス様のどや顔が浮かぶ。ルネさんは怒りに震えているけど。

「あの野郎…でも待って?うちはうちでカラードレスを急げと先程連絡があったと言われたわ。小規模なガーデンウエディングでもお色直しをするの?」
「ジョエル様がミズキには何を着せてもいいということで。今日のこの催しも結婚式の予行だと」
「そういうことね…わかったわ。花は白がいいと言ったわね。緑と白でと。」

でもなにか忘れてる

「なんとかブルーがいるんじゃないっけ?結婚式って」

ルネさんに睨まれた気がするけどなにもかんじなかったことにする。先生の奥さんがちゃんと教えてくれた。サムシングブルーよって。なにか青いものを結婚式にとのこと。フォーってことは4つ?ノアが言うには残りはジョエルが準備しているらしい。全部ジョエルに頼りっぱなしな気がする。

「リングピローか席次表になさい。もしくはハンカチに刺繍よ。貴女の夫は青い目も髪もしていないからアクセサリーはよくないわ」
「リングピローってこの世界も指輪交換するの?」
「まぁ形式的にね」

日本が作ったゲームだからちゃんとそれっぽいのはあるのか。三三九度はなさそうだけど、ケーキ入刀とかファーストバイトはありそう。親への手紙はあたしの親この世界にいないからないな。助かった。友人とか上司とかのスピーチはあるのかな?え?誰に頼む?ジョエルもノアも友達は…いなさそうだ。これは古代文字のおじいちゃん達に頼むしかない。バージンロードも父はいないしどうするんだ?もしかしてノアのパパとジョエルのパパと両腕組んで入場?讃美歌とかわかんないしどうしよう

「先生、結婚式のマナーとか教えてください…」
「いいわよ。依頼が来ると思っていたもの。私の愛おしい妻と一緒にね」
「他の夫にいいと言われたらよ。申し訳ありませんわミズキ様、この人ったら勝手に言ってしまって」

先生達の家庭は奥さんの愛を得るための駆け引きの毎日らしい。そんな家庭疲れる。その旦那様達を見て喜ぶこの奥さん相当な人だわ。あたしからしてみたら奥さんにも教えてもらわないと困ることある気がするんだけど。

ルネさんはどこから出したかわからないけれどスケッチブックにデザインをおこし始めた。先生と奥さんがこーでもないあーでもないと言いながら。私はノアと簡易バーで立ちながら飲んでいる。

「結婚式って1か月後なんだね。ジョエルも早めに教えてくれたらよかったのに」
「ジョエル様は早く結婚式したかったみたいだからね」
「ジョエルだけ?ノアは?」
「…僕も。早くミズキと結婚式がしたかった」

あーもう!こーゆーところが好きっ!しかもちゅーもしてくれるし、かわいい!本当に好きっ!

「そういえばジョエルは?遅くね?」
「もうすぐ来るって言ってたけど」

ジョエルは男を従えてやってきた。なんかもう笑顔がこわいけどなにがあったんだろう






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