乙女ゲームの余り物たちと結婚させられるために異世界から召喚されました

そいみるくてぃー

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古代文字研究所へ行ったらおじいちゃん達数人が頭を抱えていた。

「今までみたことのない象形だ…」
「文脈から探りたくても前後も理解できぬ」
「そもそも文字なのだろうか」

あーでもないこーでもないとおじいちゃん達は言う。これは言ってもいいだろう。

「浮気男」
「「「え?」」」
「おじいちゃん達読めないのこれでしょ?浮気男って書いてある。前後も読んでいい?」
「そもそも何がかかれているんじゃ?」
「浮気男は玉とったあと、勃起が出来るなら竿も切り落とす」

全員がビビった。これあれだわ、玉ヒュン。ノアとジョエルの前で話すのはやめよう。

「法律みたいなものか?」
「そこまで仰々しくはないかも。ルールみたいなかんじ。でもさ、浮気するほど女の人選べたってことじゃない?」

全員が息を飲んだ。え?玉ヒュン?どうみても違うけど。

「ミズキ殿、とんでもない発見だぞこれは」
「素晴らしい!歴史が覆る!」

とりあえずどういうことかわからないけれど、おじいちゃん達は楽しそうだった。

「ねぇ、仕事終わったらさ、みんなでお酒飲もうよ。あたしの旦那様達が用意してくれるよ」
「いいな!今日の業務は終わらせたくはないが、ミズキ殿の歓迎会もしていないから丁度いいだろう」
「食堂に言ってオードブルを用意してもらおう!」
「わしは氷を魔術師団から仕入れてくるぞ!」

おじいちゃん達は散々になって歓迎会の準備をしてくれるみたいだ。
あたしはといえばここの扉を開けて待機していた近衛の人に声をかける

「ねぇ、ノアとジョエルは?」
「お二人とも仕事へ行かれております。」
「遅くなるかもしれないから、迎えに来たら先に部屋に帰っててって伝えておいてくれる?」
「お戻りの際は…」
「騎士様達がいるでしょ?よろしく」

初そうな男性の相手が一番得意だ。手練れよりもいい。少し手を取って目線を反らせずお願いすれば聞いてくれる。

「かしこまりました」

その言葉を待っていた!
ノアとジョエルが邪魔とは言わない。おじいちゃん達が畏まってしまったらかわいそうだからだ。お酒は楽しく飲むものであって、人に気をつかって飲むのは美味しくないと思う。




「だからそう言っていただろ!」
「お前の立てた仮説とは大分違っていた!」

とりあえずお酒が入ると騒がしくなるのは異世界も一緒らしい。あたしの歓迎会というより、職場で楽しくお酒を飲めることが楽しいみたいだ。

「ミズキ殿はどうやってここに来たんだい?」

しゃがんで転んだら地面なくて落ちてきたって言ったら引いてた。しかも男達に囲まれて王子様に暴言吐かれたって言っといた。

「あの殿下がかい?そんな方じゃないんだけどね」
「恥ずかしくてそんな態度をとってしまうんだよ。まだまだ青いってことだ」

おじいちゃん達は笑っていた。まだ青いと。前回の異世界の花嫁の件も元婚約者の件もまだ青いガキだからと。すげーな年長者。王子様のことをガキ扱い。この前のダンスの練習のことも言えば机を叩いて大笑いしていた。あたしは笑えない。

まぁ色んな話をして、帰ろうと扉を開けたらロランがいた。

「どうしたの?」
「部屋まで送る。転移より歩きたいだろ?」

おぉ、よくわかったな。早く帰れる転移も魅力的だけど、遅い時間に城の中を歩いたことがなかったからちょっと歩いてみたかった。

「酔い冷ましにちょうどいいかも。じゃあ騎士様よろしく」

久々に腕を組んで歩いた。最初はエスコートの形だったけれど、あたしが酔っているからと腕を組んでくれた。ナイトだナイト。ナイトが騎士?ん?近衛は?

「王族を御護りするための騎士だ」

へぇー。思ったことに返事してくれるとかロランやるな。あと久しぶりにこんな筋肉に寄り添う。ノアもジョエルもペラペラなわけじゃないけど、ここまでじゃない。

「やっぱ鍛えてるの?」
「まぁ…ミズキの夫殿達よりは」
「だよねー。マッチョ。腹筋も割れてるよね?」

シャツを捲るのは悪いかと思ったから服の上からさわってみた。割れてる。すごっ。下ってどこまで割れてるんだろうって手を下半身の近くまで持っていったら、組んでる腕を引かれて壁に押し付けられた。やだっ壁ドン!

「ミズキ、これ以上俺を弄ぶのはやめてくれ」
「もてあそんでなんて…」
「こんなにしておいてか?」

手首を掴まれて当てられたのはロランのロランというか息子というか…

「相変わらずご立派な」
「そうではない…いや、そうだけれども」
「抜いてほしいの?」

ちがうらしい。否定された。

「事故でない口づけを…してもいいだろうか」

ここ廊下だけど。いくら時間は遅めとはいえ城の中はまだ歩いている人もいるだろう。あと少しで部屋なんだけどと言えば、もうここ辺りは部屋の前にいる近衛の守備範囲だからなんの問題もないらしい。なんのだ?あとキスって言わないで口づけなのがまた

「んっ…ぅっ」

いいもなにも言ってないのにがっつりディープだった。身長差も結構あるから首がしんどい。あとお酒が入ってるしもう立ってられない。足が崩れると同時にお姫様抱っこされてた。すげー。騎士すげー。あれ?ノアは?騎士?

「ノアールは騎士ではない」
「へぇー。あたしにとっては騎士だし王子様だけどね」

部屋まであと少しだけど眠い。このまま寝たらヤバイから首に手だけ回させてもらう。これで落ちない大丈夫。






*****




「ミズキっ!」

彼女達が住まう部屋をノックしようとしたら向こうから開いた。夫の一人、彼女からは騎士で王子様と呼ばれた国の筆頭魔術師がでてきた。

「疲れていたのだろう。眠っている」
「ロラン様…手、出しましたよね」 

隠すことはできないらしい。あぁと肯定したら部屋へ通された。意外だった。絶対に他人を入れないと思った部屋に通されたのだから。彼女を寝かせてくると言ったノアとなぜかソファに座って向かいの席を勧めてくるジョエル殿。なんだこの気まずさは…

「ロラン、貴方もミズキに懸想していたとは。まぁ一番可能性が高いのは貴方ですね」

何を言っているのかはよくわからなかったが、説明はしてもらえた。要はノアールが殿下を含めた我々3人に見合う女性として彼女を召喚したから好きになってしまうのは必然とのこと。ノアールが選ばれたのはノアールが願ったから。ジョエル殿は本当に偶然だそうだ。
ミシェルからはノアールに、夫が無理だとしても恋人として彼女のそばにいたいと申し出があったようで、ミズキが承諾すればいいと返答しているとのことだ。
なぜ俺が一番可能性が高いのかは、ダンスの練習が楽しそうだったというノアールからの報告だという。よくわからないが嬉しい気持ちにはかわりがない。

「まぁ私も、ミズキが認めれば夫が増えようと恋人として貴方達を囲おうと何も不満はありません」

その貼り付けたような笑顔には不満が滲み出ているような気もするが、口に出してしまえば厄介なことになるので絶対に口には出さない。

「しかし彼女は複数の夫を持つことに抵抗があると」
「夫はそうです。しかし恋人、もしくは性行為だけの関係にある男性複数と同時進行だったことは聞いています。前回の彼女よりもすんなり受け入れてくれるはずですよ」

前回のといえばヒナか。殿下には言えなかったが正直ヒナと婚姻関係になるつもりはなかった。若気の至りというか殿下と同じ女を共有するものだと思っていたから。しかし今は殿下を出し抜いてでもミズキがほしい。夫達の協力…ではない、同意も得られたことだ。部下達も協力してくれているのだからなんとか彼女の寵を得られるよう努力する他ない。


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