単身赴任しているお父さんの家に押し掛けてみた!

小春かぜね

文字の大きさ
70 / 167

第69話 我が家の長女 その11

しおりを挟む
「咲子を甘やかせ過ぎたのかな?」

「はぁ?」

 宮子は怪訝けげんの顔をする。

「何言っているの!?」
「頭…大丈夫!?」

「えっ、違うのか……?」

「そんな訳有るか!」
「甘やかすだけで、普通の女性はそんな行動はしないよ!」
「あなたに、あからさまな好意が有るから出来るんだし、あなたも知らない内に咲子に好意を持って居るから、そう成っているんだよ。ふざけるのもいい加減にして!!」」

「あっ、あぁ……そうなんだ」

「あなたと咲子がどうなろうが知った事では無いが、お母さんや私を巻き込まないでね!」

「その辺は大丈夫だよ……。母さんにも似たような事は言われたし」

「あなたと咲子が男女関係に成ってしまったら、私はあなたとの縁を完全に切る!」

 何時もより口調が強い宮子。
 大分酒が回ってきた!?

「そんな事は起きないから大丈夫だよ!」
「父さんだって、人生終わらせたくは無いし…」

「ふん!」
「そう願っているわ!!」

 宮子は日本酒をぐっと飲んでいる。
 酒は余り飲めないと言った割には結構飲んでいる。俺に対して嘘を付いていた!?

 俺はもう少し、宮子に咲子の事を聞こうとしたが、風呂場の方から物音が聞こえる。咲子が風呂から上がったのだろう……。俺の予想は当たっていて、しばらくすると引き戸が開く。

「うん!」
「やっぱり、夏はエアコンだね!!」
「気持ちいい~~。んっ……」

 咲子は俺が酒を飲んで居るの気づいたようだ。

「お父さん……。また、飲んでいるの?」

 咲子は少し不機嫌そうに言う。

「まっ、まぁ……咲子」
「俺1人じゃ無くて、宮子と一緒に飲んでいるから!!」

 俺はそう言うと、咲子は宮子の方を見る。

「あれ? お姉ちゃんどうしたの!?」
「一緒にお酒なんて飲んじゃって!!」

 咲子はびっくりしながら言う。そして、宮子はばつが悪そうに言う。

「……このお酒、お父さんが大好きだった銘柄のお酒なんだよ」
「あいつが偶然飲んでいたから、一口貰っただけ…」

「お父さんのお酒…?」
「あぁ…そう言う事……」

 咲子は最初、首をかしげていたが、その言葉で何かを察したらしく、一瞬真顔に成るが直ぐに戻る。

「じゃあ、お姉ちゃんとお父さんが折角飲んでいるのだし、何かおつまみでも作ろうか?」

「あっ、大丈夫だよ。咲子。俺はこれで終わるから…」

「うん。咲子」
「お姉ちゃんも、これでお終いだから!」

「……そうなの?」
「なら、良いけど……。私もジュース持って来よ!」

 咲子はジュースを注ぎに一度部屋から出た。
 俺は小声で宮子に訪ねる。

「宮子…」
「咲子はどの辺まで知っている?」

「全部。……私が知っている事は全て話した」
「私のさっきの言葉で咲子も気付いたし、どうなるだろうね?」

 宮子は不敵な笑みをこぼしながら、コップに入っていた日本酒を一気に空けた!

 その後、しばらくの間は居間で3人は過ごしたが、宮子が咲子に声を掛けて、2人は先に寝室に向かって行った。
 日本酒の5合瓶は半分以上減っており、1人当たり最低1合以上は飲んでいる計算に成る。

 咲子が今まで起こしていた行動を俺は思い出すと、咲子の行動は全て意図が有っての行動と成る。
 咲子と2人で居る間、色んな事をしたが咲子にとっては、計画的な行動だったのだろうか?
 最終の方で何故、母さんがこちらに来たのが謎だが、母さんも感づいて居たのかも知れない……
 テーブルの片付けと雑用を済ませてから俺は寝室に向かった。

 寝室に向かうと案の定と言うか、2枚の布団には宮子と咲子がそれぞれ寝ていた。
 俺は咲子を起こさないように、咲子の横に体を滑り込ませる。
 試しに宮子の横に入っても良かったが、ろくな目に遭わない事は分り切っているのでしない……

 宮子は明日の午前中に帰る予定で、咲子は明後日の午後に帰る予定。
 咲子が事実を知っているのならば、俺ももう気にする必要は無い。
 健全な親子関係を守り通して、咲子を無事母さん達に戻す事を心に決めて、俺は眠りに就いた。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

異世界に転移したら、孤児院でごはん係になりました

雪月夜狐
ファンタジー
ある日突然、異世界に転移してしまったユウ。 気がつけば、そこは辺境にある小さな孤児院だった。 剣も魔法も使えないユウにできるのは、 子供たちのごはんを作り、洗濯をして、寝かしつけをすることだけ。 ……のはずが、なぜか料理や家事といった 日常のことだけが、やたらとうまくいく。 無口な男の子、甘えん坊の女の子、元気いっぱいな年長組。 個性豊かな子供たちに囲まれて、 ユウは孤児院の「ごはん係」として、毎日を過ごしていく。 やがて、かつてこの孤児院で育った冒険者や商人たちも顔を出し、 孤児院は少しずつ、人が集まる場所になっていく。 戦わない、争わない。 ただ、ごはんを作って、今日をちゃんと暮らすだけ。 ほんわか天然な世話係と子供たちの日常を描く、 やさしい異世界孤児院ファンタジー。

異世界に転移してしまった私、古民家をもらったのでカフェを始めたら大盛況。国王陛下が頻繁に来るのですが、どうしたらいいですか?

来栖とむ
ファンタジー
ブラック企業で疲れ果てた30歳の元OL・美里(みさと)が転移した先は、見渡す限りの深い森。 そこで彼女が授かったのは、魔女の称号……ではなく、一軒の**「日本の古民家」**だった! 亡き祖母が遺したその屋敷には、異世界では失われたはずの「お醤油」「お味噌」「白いお砂糖」という禁断の調味料が眠っていて――。 「えっ、唐揚げにそんなに感動しちゃうの?」 「プリン一口で、国王陛下が泣いちゃった……!?」 おにぎり、オムライス、そして肉汁溢れるハンバーグ。 現代日本の「当たり前」が、この世界では常識を覆す究極の美食に。 お掃除のプロな親子や、お忍びの王様、さらにはツンデレな宮廷料理人まで巻き込んで、 美味しい香りに包まれた、心もお腹も満たされるスローライフが今、始まります!

英雄の番が名乗るまで

長野 雪
恋愛
突然発生した魔物の大侵攻。西の果てから始まったそれは、いくつもの集落どころか国すら飲みこみ、世界中の国々が人種・宗教を越えて協力し、とうとう終息を迎えた。魔物の駆逐・殲滅に目覚ましい活躍を見せた5人は吟遊詩人によって「五英傑」と謳われ、これから彼らの活躍は英雄譚として広く知られていくのであろう。 大侵攻の終息を祝う宴の最中、己の番《つがい》の気配を感じた五英傑の一人、竜人フィルは見つけ出した途端、気を失ってしまった彼女に対し、番の誓約を行おうとするが失敗に終わる。番と己の寿命を等しくするため、何より番を手元に置き続けるためにフィルにとっては重要な誓約がどうして失敗したのか分からないものの、とにかく庇護したいフィルと、ぐいぐい溺愛モードに入ろうとする彼に一歩距離を置いてしまう番の女性との一進一退のおはなし。 ※小説家になろうにも投稿

【完結】元Sランク受付嬢の、路地裏ひとり酒とまかない飯

旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
ギルド受付嬢の佐倉レナ、外見はちょっと美人。仕事ぶりは真面目でテキパキ。そんなどこにでもいる女性。 でも実はその正体、数年前まで“災厄クラス”とまで噂された元Sランク冒険者。 今は戦わない。名乗らない。ひっそり事務仕事に徹してる。 なぜって、もう十分なんです。命がけで世界を救った報酬は、“おひとりさま晩酌”の幸福。 今日も定時で仕事を終え、路地裏の飯処〈モンス飯亭〉へ直行。 絶品まかないメシとよく冷えた一杯で、心と体をリセットする時間。 それが、いまのレナの“最強スタイル”。 誰にも気を使わない、誰も邪魔しない。 そんなおひとりさまグルメライフ、ここに開幕。

裏庭係の私、いつの間にか偉い人に気に入られていたようです

ルーシャオ
恋愛
宮廷メイドのエイダは、先輩メイドに頼まれ王城裏庭を掃除した——のだが、それが悪かった。「一体全体何をしているのだ! お前はクビだ!」「すみません、すみません!」なんと貴重な薬草や香木があることを知らず、草むしりや剪定をしてしまったのだ。そこへ、薬師のデ・ヴァレスの取りなしのおかげで何とか「裏庭の管理人」として首が繋がった。そこからエイダは学び始め、薬草の知識を増やしていく。その真面目さを買われて、薬師のデ・ヴァレスを通じてリュドミラ王太后に面会することに。そして、お見合いを勧められるのである。一方で、エイダを嵌めた先輩メイドたちは——?

【完結】モブのメイドが腹黒公爵様に捕まりました

ベル
恋愛
皆さまお久しぶりです。メイドAです。 名前をつけられもしなかった私が主人公になるなんて誰が思ったでしょうか。 ええ。私は今非常に困惑しております。 私はザーグ公爵家に仕えるメイド。そして奥様のソフィア様のもと、楽しく時に生温かい微笑みを浮かべながら日々仕事に励んでおり、平和な生活を送らせていただいておりました。 ...あの腹黒が現れるまでは。 『無口な旦那様は妻が可愛くて仕方ない』のサイドストーリーです。 個人的に好きだった二人を今回は主役にしてみました。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

美人同僚のおまけとして異世界召喚された私、無能扱いされ王城から追い出される。私の才能を見出してくれた辺境伯様と一緒に田舎でのんびりスローライ

さら
恋愛
美人な同僚の“おまけ”として異世界に召喚された私。けれど、無能だと笑われ王城から追い出されてしまう――。 絶望していた私を拾ってくれたのは、冷徹と噂される辺境伯様でした。 荒れ果てた村で彼の隣に立ちながら、料理を作り、子供たちに針仕事を教え、少しずつ居場所を見つけていく私。 優しい言葉をかけてくれる領民たち、そして、時折見せる辺境伯様の微笑みに、胸がときめいていく……。 華やかな王都で「無能」と追放された女が、辺境で自分の価値を見つけ、誰よりも大切に愛される――。

処理中です...