単身赴任しているお父さんの家に押し掛けてみた!

小春かぜね

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第70話 我が家の長女 その12

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 翌朝……

 その日は俺と咲子が朝食作りをして、宮子と供に朝食を取る。
 ちなみに朝食のメニューは、ご飯(白米)、味噌汁(油揚げ・わかめ)、目玉焼き・千切りキャベツで有る。
 咲子は普段通りの食事をして、宮子も咲子からの返答以外は黙々と食べている。

 昨夜の話し合いで少し距離が縮まったと感じていたが、一晩経てばいつも通りの宮子で有った。しかし、目には見えない何かが変わった感じもした……。邪気が減ったと言うべきだろうか?

 朝食の後は家事を済ませてから、宮子が帰宅を希望したため宮子を車で駅に送る。
 ファミレスで昼食をご馳走しようと俺は思っていたが、宮子はやんわりと断った。
 それは、電車内で寝てしまいそうだからの理由で有る。俺との食事が嫌では無く、今後の事の考えての事らしい。
 今までの宮子だったら何も言わずに拒絶をしていたのに、今日の宮子は理由を付けてから断った。話し合いの効果は有ったのかも知れない。

 駅近くの駐車場に車を止めて、宮子を咲子と一緒に改札まで送る。
 俺は歩きながら宮子に声を掛ける。

「宮子」
「……あまり、たいした持て成しが出来なくて悪かったな…」

 俺がそう話し掛けると宮子は静かに答える。

「本当よ。全く…」
「本当は牛ステーキが食べたかったのに、妹さんのおかげで、すき焼きに成ったからね…」

「えっ!?」
「そうなの!!」
「咲子から聞いた話では宮子が、すき焼きを希望したと言っていたぞ」

「たしかに牛肉絡みで、すき焼きを希望したけど本来の希望とは違ったわ!」

 俺は宮子の言葉で咲子の方に顔を向ける。
 咲子は『アチャー』の顔をしていた。
 俺は咲子に事実を確認しようとするが……

「咲子を責めないで!」
「どんな形でも、それを望んだ結果だから。何時もとは違うすき焼きだったけど、あれはあれで美味しかったわ」

 宮子は俺にそう言い終えると、咲子の方に顔を向ける。

「咲子……」
「一時の感情で行動するのでは無く、先を考えてから行動するのよ」
「じゃあ、お姉ちゃんは先にお母さん達の元へ帰るね」

「あっ、うん。……バイバイお姉ちゃん」

「じゃあ、あなたも元気でね……」
「私達を困らせる事はしないでね……。信じているから」

 俺に対しては、冷めた口調で宮子はそう言うが、最後の方の言葉は、俺を気遣っている気もした。

「電車の時間も近いから……、この辺にしておくわ」
「咲子バイバイ!」

「うん。バイバイ~」

 咲子には笑顔で声を掛けて宮子は改札に入って行った……

「ふぅ~」

 俺は思わずため息が出てしまう。

「お父さん、お疲れ…」

「本当、疲れたよ……咲子。さっきの事は本当か?」

「えっ?」
「あっ、まぁ、そう…」

 咲子は素直に言う。

「別に宮子がステーキを食べたがっていたら、咲子が作らなくても良かったのに」

「そうだけど……、あの時間から外食に行くのは、私は嫌だったし、お父さんもお家ご飯の方が良かったでしょ?」

「間違っては無いが…」

「なら、それで良いじゃない!」
「お姉ちゃんも納得していたし、解決、解決!」

 のほほんと言う咲子。
 この辺の所も本当に母さんと似ている。

「さて、帰る前に昼食はどうしようか?」
「ファミレスでも行くか。咲子?」

 俺は昼食の相談を咲子とするが……

「お父さん!」
「どうせ外で食べるなら、この前行った喫茶店で昼食を食べたい!!」
「今日はランチはやっているのでしょ!」

 咲子はそう言ってきた。

「あそこで良いのか?」
「今日は土曜日だから、ランチはやっていると思うが種類が限られるぞ!」

「別に良いじゃない!」
「喫茶店でお昼を食べるとか、大人に成った気分を味わえるし♪」

 無邪気に咲子はそう言う。
 咲子も都市部で働くように成れば、嫌と言うほど味わえると思うのだが……

 俺の昼食の場合は、企業向け仕出し弁当屋さんが入っているので、日替わり弁当で有る。
 美味しい不味いと言うより、仕事中の合間に食べる食事は食べる楽しみより、とにかく食べる事に成っているので、如何いかに早く食べて、余暇を楽しむかが重点と成ってしまっている……

(まぁ、何事も経験か…)
「じゃあ、お昼は例の喫茶店で食べるか!」

「うん!」
「そうしよ!!」

 俺と咲子は昼食を取るために、家近くの喫茶店に向かう事にした。 
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