単身赴任しているお父さんの家に押し掛けてみた!

小春かぜね

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第71話 喫茶店での昼食 その1

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 家近くの喫茶店だから、アパートの駐車場に車を止めて、そこからは徒歩で喫茶店に向かう。喫茶店に到着してドアを開く。

『カラン、カラン』

「いらっしゃいませ~」

 今日は喫茶店の奥さんが対応してくれる。

「……あら、昼食時に来るとは珍しいわね」

「ええ……たまには」

「娘さんも一緒なのね!」

 喫茶店の奥さんはそう言うと、咲子は軽く会釈をする。

「2人ならテーブルの方が良いわね!」
「案内するわ……あそこの奥の席にどうぞ!」

 奥さんは歩きながら席に案内してくれる。俺と咲子は案内された席に座る。
 実は言うと、この喫茶店で昼食を取るのは初めてで有る。

 しばらくすると奥さんは、お冷やとおしぼりを持ってくる。

「注文が決まったら、声を掛けてね」

 と言い残して、奥さんは席から離れていく。

「さて、何が有るのかな?」

 俺はメニューを開こうとすると咲子が言ってくる。

「お父さん」
「あの黒板にランチのメニューが書いて有るよ!」

 咲子はそう言いながら指で示す。

「あれが今日のランチか…」

 黒板に書いて有る今日のランチを見てみると……ポークカツレツ。ライス・味噌汁付きと書いて有った。
 もちろん、カレー・パスタ等、メニューに有る料理も注文出来る。

(ポークカツレツか…。値段もランチだから手頃だし、これにするか?)

 俺は今日のランチを頼む事に決めて、メニューを見ている咲子の希望を聞いてみる。

「咲子はどうする?」

「私もランチだけど、デザート頼んでも良い?」

「デザート?」
「まぁ、良いけど…」

「私ね、ホットケーキが食べたい!」

「えっ!?」
「ランチ食べて、デザートにホットケーキ!?」
「まぁ、良いけど……」

「じゃあ私は、今日のランチとホットケーキセット!」

 ここ最近は、咲子の食生活を見ているから別に驚きもしないが、咲子と外食をすると意外に金銭面のダメージが大きい事がやっと分かってきた。
 俺と咲子が一緒に行動して、途中で取る食事は軽食を含めて、全て俺の財布から出しているが、日を重ねるごとに俺の財布が段々薄くなっていく……

 俺は課金ゲームもしていないし、酒は飲むが飲み歩きはしていない。
 だから、小遣いは余り気味だったのでへそくりが出来ていたが、咲子と供に生活をした影響と延長滞在で俺のへそくりは底をつき掛けていた。

(まぁ、明日で帰るわけだし、良しとしよう)

 俺は奥さんを呼んで、料理の注文とデザートの注文をする。
 ライスは大盛りが出来るみたいなので大盛りで頼む。デザートはホットケーキだから、後から出して貰えるように頼む。
 料理の注文も終えて、俺は新聞でも取りに行くかと思っていると、咲子が話し掛けてくる。

「ねぇ、お父さん…」
「少し、相談したい事が有る」

「?」
「どうした……。何か悩み事が有るのか?」

「まぁ……そんな感じ」

 俺は咲子の表情を覗うが、真剣な悩みが有るような顔では無さそうだ。
 料理が来るまでの間、咲子の相談を聞く事に成った。

「それで、相談とは……」

「真央の事なんだけどね」

「うん…」

「真央ってさ、何か私とお姉ちゃんと雰囲気が違うよね!」
「顔つきも性格も違うような気がするし……」

(咲子の奴……全て知っている筈なのに、何故ここで聞いてくる?)
(ワザと言っているのか?)
(せめて、ここが家なら事実を話すが、喫茶店だけどこの様なデリケートな話をするのは好ましくない)

「……まぁ姉妹だからと言って、みんながみんな同じには成らないよ」
「咲子は俺を好いてくれるが、宮子は俺に全然懐かないだろ」

「まぁ、そうなんだけど……この頃、少し生意気なんだよね!」

「あぁ、そっちの事か!」

「?」
「どっちの事だと思ったの?」

「いや、こっちの話…」

「私は物心ついた時から真央は知っている」
「真央をずっと可愛い妹だと思っていたけど、最近の真央は直ぐに反発するし、私の言う事も聞かない時も多くなってきた」
「その割に都合の良い時だけ、私にくっついて来るのだけどね…」

「お父さん的にはどう思う?」

「どうと言われてもな……今、一番接点が多いのは咲子だけだし…」

 しかし、意見を求められた以上は答えなければならない。
 俺は咲子の言葉で、真央の事を少し思い出してみる事にした。
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