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番外編
第15話 今日の宿泊先 その4
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おすましが来ると……真央も釜飯を茶碗に盛り付けて食べ出す。
先ほどの言葉の感じからして、釜飯は食べられるのかなと思ったが、美味しそうに食べている。
どうやら……真央はお腹具合の計算をして、焼き魚は故意に食べ無かったようだ。
俺以外の母さん達は釜飯を食べ始める。
俺はもう少し飲みたい気分だが明日の事有るし、俺だけ残って飲むのも気が引けるので、俺も早々酒を切り上げる。
焼けた肉を咲子は丁度食べようとしている。
「うぁ!」
「みんなの言う通り、凄く美味しいお肉!!」
「おろしポン酢でさっぱりだし、これは釜飯より、絶対白いご飯だよ!!」
咲子は釜飯と焼肉で一緒に食べているが、咲子の言う通りで有る。
キノコと山菜の釜飯だから、合う事は合うだろうが、俺だって白米が合うと感じる。
「白いご飯無いかな~~」
「一緒に食べると釜飯の味がぼやけるし、肉だけでは何だかな…」
咲子はそう言う。
他のお客さん達に、白いご飯が提供されていれば白米が有るはずだが、最初レストランに入った時、案内されながら周りをチラリと見たが、ここのコース全てのご飯は、釜飯の感じで有った。
諦めきれない咲子は、テーブルの横に有るドリンクメニューを見ているが、当然ご飯なんか書いて有る訳が無い。
「うぅ~~」
「ご飯が無い……」
「……聞いて見ようか?」
咲子の状況をくみ取った、宮子がそう聞く。
「…お姉ちゃん。聞いてくれるの?」
「私の親友でも白米を食べたいと言う子が居てね。聞いて見た事が有るのよ…」
「有れば良いけど…」
宮子はスタッフを呼び、直ぐにスタッフは席にやって来る。
「すいません……。ご飯いえ、白米は有りますか?」
「えっ!?」
「白米ですか!!」
スタッフは何故かびっくりした表情で言う。
『まだ、食べるの!?』の顔を一瞬する。
「ご飯は……厨房に聞いてきます…」
レストラン内のお客さんは大分少なく成ってきており、周りの話し声が少なく成った所為か、厨房からの話し声も比較的聞こえる様に成っていた。
洗い物の音やスタッフ同士の会話が聞こえる時も有ったが……
『えっ、ご飯!?』
厨房の人もびっくりしている様だ。はっきり聞こえてしまった!?
しかし、それ以外の声は聞き取れない。
釜飯を食べて、更に白いご飯を要求する宿泊客なんて、普通はいないのだろう……
しばらくすると、先ほどのスタッフが戻ってくる。
「厨房に確認を取りました所、出来るそうです…。ご飯は幾つでしょうか?」
「……咲子以外に、ご飯欲しい人」
宮子は俺達に尋ねるが、名乗り出る者は居ない。
「すいません。1つでお願いします」
「少々お待ち下さい…」
スタッフはそう言って席から離れていく。
「……意外に有る物だね」
宮子は澄ました表情で言う。
「ありがとう。お姉ちゃん!」
「こんな美味しいお肉を、白いご飯で食べなければバチが当たるよ!!」
「それは、どうも…」
咲子は感謝して、そつなく返す宮子。
何だか凄く自然なやり取りに見えた。
厨房から機械音が聞こえてしばらくすると、茶碗に盛られた白米をスタッフが運んでくる。無理して用意したのだろうか?
それを、お礼を言いながら喜んで受け取り早速、白米と焼肉を合わして食べる咲子。
「うん!」
「やっぱり最高~~。みんな勿体ないね!」
「焼肉には白いご飯だよ!!」
咲子は笑顔で、頬にご飯粒を付けながら言う。
「お母さんも、そうすれば良かったな♪」
「う~ん……でも、ワインとも合ったし、良かったね咲子♪」
母さんは、咲子にその様に言う。
「咲子の食欲には呆れるわ…」
宮子はその様に言うが、顔は微笑んでいた。
俺はその光景を眺めながら、酔い覚ましにおすましをすすった……
……
俺も釜飯を食べて、季節のフルーツも食べて家族全員が完食する。
「ふぅ~」
「流石にお腹一杯だわ♪」
母さんは、軽いため息をしながら言う。
「私(咲子)もこれ以上は食べられないな…。外食でこんなに食べたのは、焼肉以外では初めてだよ」
そう言う咲子だが、俺と咲子は何回か外食をして、毎回俺以上食べていたのに、あれでも足りなかったのか?
咲子を彼女にする男性は、咲子の食べっぷりを見たら、財布の関係で直ぐに逃げ出すなと思ってしまう。
「私(宮子)もお腹一杯だわ…」
「私(真央)も!!」
こうして……宿泊先での晩ご飯は、みんな大満足で終わりを迎えた。
(この後はどう過ごすのだろうか?)
俺はそう思いながら、全員で部屋に戻った。
先ほどの言葉の感じからして、釜飯は食べられるのかなと思ったが、美味しそうに食べている。
どうやら……真央はお腹具合の計算をして、焼き魚は故意に食べ無かったようだ。
俺以外の母さん達は釜飯を食べ始める。
俺はもう少し飲みたい気分だが明日の事有るし、俺だけ残って飲むのも気が引けるので、俺も早々酒を切り上げる。
焼けた肉を咲子は丁度食べようとしている。
「うぁ!」
「みんなの言う通り、凄く美味しいお肉!!」
「おろしポン酢でさっぱりだし、これは釜飯より、絶対白いご飯だよ!!」
咲子は釜飯と焼肉で一緒に食べているが、咲子の言う通りで有る。
キノコと山菜の釜飯だから、合う事は合うだろうが、俺だって白米が合うと感じる。
「白いご飯無いかな~~」
「一緒に食べると釜飯の味がぼやけるし、肉だけでは何だかな…」
咲子はそう言う。
他のお客さん達に、白いご飯が提供されていれば白米が有るはずだが、最初レストランに入った時、案内されながら周りをチラリと見たが、ここのコース全てのご飯は、釜飯の感じで有った。
諦めきれない咲子は、テーブルの横に有るドリンクメニューを見ているが、当然ご飯なんか書いて有る訳が無い。
「うぅ~~」
「ご飯が無い……」
「……聞いて見ようか?」
咲子の状況をくみ取った、宮子がそう聞く。
「…お姉ちゃん。聞いてくれるの?」
「私の親友でも白米を食べたいと言う子が居てね。聞いて見た事が有るのよ…」
「有れば良いけど…」
宮子はスタッフを呼び、直ぐにスタッフは席にやって来る。
「すいません……。ご飯いえ、白米は有りますか?」
「えっ!?」
「白米ですか!!」
スタッフは何故かびっくりした表情で言う。
『まだ、食べるの!?』の顔を一瞬する。
「ご飯は……厨房に聞いてきます…」
レストラン内のお客さんは大分少なく成ってきており、周りの話し声が少なく成った所為か、厨房からの話し声も比較的聞こえる様に成っていた。
洗い物の音やスタッフ同士の会話が聞こえる時も有ったが……
『えっ、ご飯!?』
厨房の人もびっくりしている様だ。はっきり聞こえてしまった!?
しかし、それ以外の声は聞き取れない。
釜飯を食べて、更に白いご飯を要求する宿泊客なんて、普通はいないのだろう……
しばらくすると、先ほどのスタッフが戻ってくる。
「厨房に確認を取りました所、出来るそうです…。ご飯は幾つでしょうか?」
「……咲子以外に、ご飯欲しい人」
宮子は俺達に尋ねるが、名乗り出る者は居ない。
「すいません。1つでお願いします」
「少々お待ち下さい…」
スタッフはそう言って席から離れていく。
「……意外に有る物だね」
宮子は澄ました表情で言う。
「ありがとう。お姉ちゃん!」
「こんな美味しいお肉を、白いご飯で食べなければバチが当たるよ!!」
「それは、どうも…」
咲子は感謝して、そつなく返す宮子。
何だか凄く自然なやり取りに見えた。
厨房から機械音が聞こえてしばらくすると、茶碗に盛られた白米をスタッフが運んでくる。無理して用意したのだろうか?
それを、お礼を言いながら喜んで受け取り早速、白米と焼肉を合わして食べる咲子。
「うん!」
「やっぱり最高~~。みんな勿体ないね!」
「焼肉には白いご飯だよ!!」
咲子は笑顔で、頬にご飯粒を付けながら言う。
「お母さんも、そうすれば良かったな♪」
「う~ん……でも、ワインとも合ったし、良かったね咲子♪」
母さんは、咲子にその様に言う。
「咲子の食欲には呆れるわ…」
宮子はその様に言うが、顔は微笑んでいた。
俺はその光景を眺めながら、酔い覚ましにおすましをすすった……
……
俺も釜飯を食べて、季節のフルーツも食べて家族全員が完食する。
「ふぅ~」
「流石にお腹一杯だわ♪」
母さんは、軽いため息をしながら言う。
「私(咲子)もこれ以上は食べられないな…。外食でこんなに食べたのは、焼肉以外では初めてだよ」
そう言う咲子だが、俺と咲子は何回か外食をして、毎回俺以上食べていたのに、あれでも足りなかったのか?
咲子を彼女にする男性は、咲子の食べっぷりを見たら、財布の関係で直ぐに逃げ出すなと思ってしまう。
「私(宮子)もお腹一杯だわ…」
「私(真央)も!!」
こうして……宿泊先での晩ご飯は、みんな大満足で終わりを迎えた。
(この後はどう過ごすのだろうか?)
俺はそう思いながら、全員で部屋に戻った。
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