単身赴任しているお父さんの家に押し掛けてみた!

小春かぜね

文字の大きさ
106 / 167
番外編

第27話 家族で水族館 その3

しおりを挟む
 食べ物が販売されている売店コーナーを見て回っていると、ある売店から母さんと真央が出て来る。

「あっ、お父さんだ!」

 真央が俺に気付いて、声を掛けて来る。

「真央は何を買ったんだ?」

「私はラーメンと別のお店で、おにぎりを買った!」

 真央はレジ袋に入った、おにぎりを俺に見せてくれる。
 ラーメンは…、呼び出しベルを持っているからベル待ちか…

「母さんは何を食べるの?」

 母さんの昼食も聞いて見る。

「私は、かけそばとカレーライスのセットだよ♪」

 本当に嬉しそうに言う母さん。
 昼食も、ガッツリだな…。あれだけ食べた朝食を、母さんは消化してしまった。
 母さんの手にも食べ物は持ってないから、ベル待ちだろう。

「じゃあ、私達は先に席に戻っているね!」

「席は宮子が座って、確保しているから!」

 俺は母さんと真央にそう告げて、昼食を選び出す……

(俺も昼は、ラーメンにしようかな?)
(うどん・そばでも良いけど、こう言う所で食べるラーメンも又、美味しいからな…)

 真央のまねをする訳では無いが、俺も麺類のお店でラーメン(醤油)を注文して、呼び出しベルを貰う。

『おにぎり』の旗がなびいているので、あそこで真央が買ったお店だと思って足を運ぶ。
 真央がおにぎりを買ったお店はお弁当屋さんらしく、おにぎりの他にも幕の内弁当や唐揚げ弁当等も売っていた。

(しまったな~~。幕の内弁当でも良かったな…)
(先に、おにぎりを買いに行くべきだった)

 当然、ラーメンのキャンセルは出来ないので、おにぎりだけを買う。
 みんなのお腹具合は判らないが、ホットスナックを売っているお店で、フライドポテトを買う。流石にこのお店は呼び出しベルの方式では無かった……
 飲み物が無いのに気付いて、自動販売機コーナーに向かう。其処で丁度ジュースを買い終えた咲子と出会う。

「あっ、お父さん!」

 俺を見つけた瞬間、走って俺の元に来る咲子。殆ど目の前なのに……

「お父さんも、ご飯買えた?」

「あぁ、買えたよ!」

 俺は先ほど買った、商品のレジ袋を咲子に見せる。

「フライドポテトも買ったの……。結構買ったんだね…」

 咲子はフライドポテトの入ったレジ袋を見るが、俺が1人で食べる量で無いと気付いたのだろう。

「これは、みんなで摘まむ奴だよ」
「後から、精算はしてくれるけど、自分の財布からお金を出すと成ると、急に節約意識が芽生えるからね!」

「へぇ~~」
「まぁ…、私も少し物足り無いかなと、思っていたから丁度良いかも!」

「ちなみに、咲子は何を食べるのだ?」

「私…?」
「私は、かけうどんとカレーのセット。麺の大盛りは出来ないと言われた…」

 最後の方は残念そうに言う咲子。母さんは“そば”だが、咲子は“うどん”か…。それも本来は大盛り!?
 この様な場所だと、使い捨て容器が中心になるし、普通の容器で大盛りは難しいからな。

(咲子の元気の秘密は、食べ物で間違いなさそうだな……)
(そうでなければ、咲子の食べたエネルギーは、みんな何処かのお肉に成っている!?)

 俺は自動販売機でお茶を買って、咲子と一緒に戻る。
 俺と咲子は席に戻ろうとするが、咲子の呼び出しベルが鳴る。

「あっ、私の料理が出来たみたい!」
「料理取ってくるね!!」

 咲子は俺にそう言って、料理を取りに行く。
 俺は席に戻ると宮子や母さんの姿は無くて、真央だけが座っていて、ジュースを飲んでいた。

「真央…。母さんや宮子は…?」

「お母さんと宮子お姉ちゃんは、料理を取りに行っている!」
「同時にベルが成っちゃたから、私はお留守番係!!」

「あぁ、成る程…」

 比較的周りに席は空いているし、飲み物をテーブルに置けば、誰かが横取りをする事は無いと言いたいが、今の時代は、変な権利が主張されているから微妙だ。人を置いとけば確実で有る。
 流石に小学生の女の子を退かしてまで、席を横取りする馬鹿は居ない筈だ。

 しばらくすると、母さん、宮子、咲子の3人で席に戻ってきた。
 母さんと咲子のメニューは先ほど聞いたから知っているが、宮子はカレーライスを頼んだようだ。3人が席に座る。

「お父さん…。悪いけど、先に頂くね…!」

 母さんと咲子と真央が頼んだのは麺類だし、宮子は只のカレーライスで無く、唐揚げが乗っているカレーライスだが、温かい内に食べた方が美味しいに決まっている。

「温かい内に食べて!」

 俺はそう言い、俺以外は昼食を食べ始める。
 母さん達が食べ始めてから1~2分位すると……、俺の呼び出しベルも鳴る。

「父さんのも出来たようだ!」
「あっ、そのフライドポテトは、みんなが摘まめるように買ったのだから食べてね!」

 俺はそう言い残し、ラーメンを取りに行く。

 ……

 ラーメンの味は、普通の醤油ラーメンで有ったが、少し中華そばの感じもして美味しかった!
 屋外で食べる食事も俺の中では久しぶりだが、空を見ながらおにぎりを食べると、何故か美味しい。母さん達も嬉しそうな顔で昼食を食べている。
 買って来たフライドポテトも綺麗に無くなり、昼食の時間は、ゆっくりと過ぎていった……
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

異世界に転移してしまった私、古民家をもらったのでカフェを始めたら大盛況。国王陛下が頻繁に来るのですが、どうしたらいいですか?

来栖とむ
ファンタジー
ブラック企業で疲れ果てた30歳の元OL・美里(みさと)が転移した先は、見渡す限りの深い森。 そこで彼女が授かったのは、魔女の称号……ではなく、一軒の**「日本の古民家」**だった! 亡き祖母が遺したその屋敷には、異世界では失われたはずの「お醤油」「お味噌」「白いお砂糖」という禁断の調味料が眠っていて――。 「えっ、唐揚げにそんなに感動しちゃうの?」 「プリン一口で、国王陛下が泣いちゃった……!?」 おにぎり、オムライス、そして肉汁溢れるハンバーグ。 現代日本の「当たり前」が、この世界では常識を覆す究極の美食に。 お掃除のプロな親子や、お忍びの王様、さらにはツンデレな宮廷料理人まで巻き込んで、 美味しい香りに包まれた、心もお腹も満たされるスローライフが今、始まります!

異世界に転移したら、孤児院でごはん係になりました

雪月夜狐
ファンタジー
ある日突然、異世界に転移してしまったユウ。 気がつけば、そこは辺境にある小さな孤児院だった。 剣も魔法も使えないユウにできるのは、 子供たちのごはんを作り、洗濯をして、寝かしつけをすることだけ。 ……のはずが、なぜか料理や家事といった 日常のことだけが、やたらとうまくいく。 無口な男の子、甘えん坊の女の子、元気いっぱいな年長組。 個性豊かな子供たちに囲まれて、 ユウは孤児院の「ごはん係」として、毎日を過ごしていく。 やがて、かつてこの孤児院で育った冒険者や商人たちも顔を出し、 孤児院は少しずつ、人が集まる場所になっていく。 戦わない、争わない。 ただ、ごはんを作って、今日をちゃんと暮らすだけ。 ほんわか天然な世話係と子供たちの日常を描く、 やさしい異世界孤児院ファンタジー。

英雄の番が名乗るまで

長野 雪
恋愛
突然発生した魔物の大侵攻。西の果てから始まったそれは、いくつもの集落どころか国すら飲みこみ、世界中の国々が人種・宗教を越えて協力し、とうとう終息を迎えた。魔物の駆逐・殲滅に目覚ましい活躍を見せた5人は吟遊詩人によって「五英傑」と謳われ、これから彼らの活躍は英雄譚として広く知られていくのであろう。 大侵攻の終息を祝う宴の最中、己の番《つがい》の気配を感じた五英傑の一人、竜人フィルは見つけ出した途端、気を失ってしまった彼女に対し、番の誓約を行おうとするが失敗に終わる。番と己の寿命を等しくするため、何より番を手元に置き続けるためにフィルにとっては重要な誓約がどうして失敗したのか分からないものの、とにかく庇護したいフィルと、ぐいぐい溺愛モードに入ろうとする彼に一歩距離を置いてしまう番の女性との一進一退のおはなし。 ※小説家になろうにも投稿

【完結】元Sランク受付嬢の、路地裏ひとり酒とまかない飯

旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
ギルド受付嬢の佐倉レナ、外見はちょっと美人。仕事ぶりは真面目でテキパキ。そんなどこにでもいる女性。 でも実はその正体、数年前まで“災厄クラス”とまで噂された元Sランク冒険者。 今は戦わない。名乗らない。ひっそり事務仕事に徹してる。 なぜって、もう十分なんです。命がけで世界を救った報酬は、“おひとりさま晩酌”の幸福。 今日も定時で仕事を終え、路地裏の飯処〈モンス飯亭〉へ直行。 絶品まかないメシとよく冷えた一杯で、心と体をリセットする時間。 それが、いまのレナの“最強スタイル”。 誰にも気を使わない、誰も邪魔しない。 そんなおひとりさまグルメライフ、ここに開幕。

裏庭係の私、いつの間にか偉い人に気に入られていたようです

ルーシャオ
恋愛
宮廷メイドのエイダは、先輩メイドに頼まれ王城裏庭を掃除した——のだが、それが悪かった。「一体全体何をしているのだ! お前はクビだ!」「すみません、すみません!」なんと貴重な薬草や香木があることを知らず、草むしりや剪定をしてしまったのだ。そこへ、薬師のデ・ヴァレスの取りなしのおかげで何とか「裏庭の管理人」として首が繋がった。そこからエイダは学び始め、薬草の知識を増やしていく。その真面目さを買われて、薬師のデ・ヴァレスを通じてリュドミラ王太后に面会することに。そして、お見合いを勧められるのである。一方で、エイダを嵌めた先輩メイドたちは——?

【完結】モブのメイドが腹黒公爵様に捕まりました

ベル
恋愛
皆さまお久しぶりです。メイドAです。 名前をつけられもしなかった私が主人公になるなんて誰が思ったでしょうか。 ええ。私は今非常に困惑しております。 私はザーグ公爵家に仕えるメイド。そして奥様のソフィア様のもと、楽しく時に生温かい微笑みを浮かべながら日々仕事に励んでおり、平和な生活を送らせていただいておりました。 ...あの腹黒が現れるまでは。 『無口な旦那様は妻が可愛くて仕方ない』のサイドストーリーです。 個人的に好きだった二人を今回は主役にしてみました。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

美人同僚のおまけとして異世界召喚された私、無能扱いされ王城から追い出される。私の才能を見出してくれた辺境伯様と一緒に田舎でのんびりスローライ

さら
恋愛
美人な同僚の“おまけ”として異世界に召喚された私。けれど、無能だと笑われ王城から追い出されてしまう――。 絶望していた私を拾ってくれたのは、冷徹と噂される辺境伯様でした。 荒れ果てた村で彼の隣に立ちながら、料理を作り、子供たちに針仕事を教え、少しずつ居場所を見つけていく私。 優しい言葉をかけてくれる領民たち、そして、時折見せる辺境伯様の微笑みに、胸がときめいていく……。 華やかな王都で「無能」と追放された女が、辺境で自分の価値を見つけ、誰よりも大切に愛される――。

処理中です...