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第1章
第2話 石蛇の魔女②
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三角の屋根、いくつかの窓、木組みの3階立ての家が隙間なく連なっていた。建物ごとに色が変わり、可愛らしさを感じる。夜深くなり、眠りについているのか、家から漏れる灯りが点々としていた。この道を照らしているのは、街灯だけだった。
ジャンヌはイラ立ちしながらアキセと一緒に歩いていた。
「なあ、機嫌を直せよ。あそこで入らなかったら、話が終わらなかっただろう」
結局アキセの思惑で事件を受けることになったジャンヌは、イラ立ちが止まらない。
あの後の話で、祭りが2日後にあり、それまでには終わらせてほしいと追加された。事件を起きている中で中止させるところが、ダリウスは今回の祭りに金をかけたらしく、中止ができないと必死な顔で言ってきた。
そんなこと知るか。こっちは仕事を休みたかったんだ。アキセのせいで。
「聞こえているのかー。おーい」
あまりにしつこく言うので、「あのね!」とアキセに向かって怒鳴る。
「私はね。付け上げられるのが大嫌いなの!」
人間が調子込んでいろいろと要求されるからだ。
「聖女が魔女を倒すのが当たり前じゃないのか」
確かに間違ってはいないが、その言い方に腹が立って仕方がない。
「これだけは言ってあげる!聖女が人間を助けるのは別にあるから!善意で助けているわけじゃないから!仕事だから!」
「聖女から言うセリフじゃねえな」
「世間で思っている清楚な聖女なんていないから、野蛮で面倒くさいから!」
「そん中に君が入っているわけ?」
「清楚じゃないけど、野蛮なことはしないわ。私」
「あんな戦いをした君が言うことか」
おそらくこの間戦ったしんくの魔女のことだろう。あの時は頭に血に上っていたため、少し野蛮な戦いをしてしまった。
「でも、どっちにしたってここに来るってことは、魔女狩りにきたんだろ」
「そうは限らないわよ」
そうと願いたい。少しは休みたいと思いながら歩いたジャンヌは、ふと一つの店に目に入る。もう夜遅く、店を片付けるところだ。その店は、光り輝く宝石を扱っているようだ。
宝石は、『光』と『呪い』を吸収する性質を持つ。エンジェライトは、『光』を吸収した光輝く宝石の総称。
「聖女様もエンジェライトが必要なんですか」
「おまえに話すことはない」
ジャンヌが歩き出す。
「エンジェライトで『光』を補充しているんだろう」
立ち止まる。
「聖女はあれだろ。聖女が魔女を倒せるのは、人で唯一『光』を扱える存在。世間ではあまり知られていないけど。聖女は、白女神(ヴァイス)の一部である日や月の『光』を吸収して力を得ている。天気で左右される時もあるから、その足りない分を『光』がたまったエンジェライトで補充している。そんなところだろ」
アキセは鼻を高くする。
「あんた、それどこで知ったの」
ジャンヌはアキセをにらみつける。
「企業秘密で」
肝心なところはやはり教えてくれない。
「あなたの魔術だって、『呪い』を込めたカースネロを使っているんでしょ」
「聖女も魔術の知識を持っていたんですね」
アキセはからかうように言う。
「馬鹿にしないでくれる」
魔術は、『呪い』を利用し、現象を起こすため、『呪い』を込めた宝石カースネロを使い、陣や記号を描き、魔術を発動する。
しかし、あの時は魔術を使っていない。あの時『光』の消失と回復が起きたのか。魔術を使った行為は見当たらなかった。魔術ではなくても、人間ができる技ではない。
この際聞いてみるか。話さないと思うが。
「あんた。この間の――」
ぎゃあああああああああああああああああああああああ。
突然、女の悲鳴がしたことで、言葉が途切れる。
悲鳴をした方へ走り出した先には、頭にバンダナを巻いた女が倒れていた。アキセが女の元に走り出し、呼吸を確認する。
「息がある」
ジャンヌは建物に映った大きい影を見る。その影は、蛇のような尾の形だった。影の尾はなびきながら町の奥へと入っていった。
「あんたは、その女を見ててな」
「おい!」
ジャンヌはアキセを無視して影を追いかける。
「ここね」
ジャンヌは影を見失いように追いかけ、着いた先は町外れにある古びた木造小屋だった。
どうやら巣らしい。
このまま入るのも危険だったので、
「よっと」
ロザリオを大きく横に振り、光の波動を小屋に向かって放つが、小屋から無数の蛇が光の波動に向かって飛び出す。蛇たちがぶつかったことで、光の波動は消えていく。ぼそぼそと蛇の死骸が地面に落ちる。
「蛇?」
小屋から物音がした。何かがジャンヌに向かって飛んでくる。
すかさず右へと飛ぶ。体制を戻し、相手の正体を確認する。
上半身が女性の体。下半身が蛇の尾。髪が無数の蛇。そして、『呪い』が広がっていた。
「そうあんたが今回の魔女ね」
ジャンヌは改めてロザリオを構える。
「殺し…て…くれ…」
「え?」
魔女は、まっすぐ飛びこんでくる。
ジャンヌはすかさず避け、流れるようにロザリオで魔女の首を落とす。
首と体が分裂した魔女は、それっきり動かなくなった。
魔女は、『呪い』を消耗し、『光』で浄化しなければ死体が残らず消えていくが、死体が残っていた。
「魔女じゃない…」
魔女だった死骸が別の姿を見せる。
下半身は、蛇の尾だったが、上半身の皮が破れ、緑色に体を覆われている。顔も人の顔ではなく、蛇の顔をしていた。
「獣人(デミ・ビースト)・・・」
蛇の獣人(デミ・ビースト)だった。
『呪い』の影響の一つ異形(デミ)化。
生物の体格、体質など変え、本来の身体能力を高める。魔族(アビス)と最も違うのが、魔力をもっていないこと。
獣人(デミ・ビースト)は、異形(デミ)化した獣がより人型に近づいた異形(デミ)種。
おそらく魔女は、似たような姿を持った種族を使い、自身の『呪い』のたまった皮をかぶせ、魔女もどきを作ったのだろう。
言っていた「殺してくれ」は、『呪い』が耐え切れず、解放されたかったのだろう。
「なんだ。もう事件解決か」
アキセが後からやってきた。
「出番なしか」
なぜかがっかりしている。
「助ける気あったんだ」
ジト目でアキセを見つめる。
「じゃあなきゃ、来ねえだろう」
ジャンヌは溜息を吐き、死体に向けて手を伸ばす。
「何するんで?」
「後処理」
死体に残っている『呪い』を白い炎で浄化し、アキセの魔術で死体を土で埋めた。
ジャンヌは違和感を残しずつ、その場を去った。
ジャンヌはイラ立ちしながらアキセと一緒に歩いていた。
「なあ、機嫌を直せよ。あそこで入らなかったら、話が終わらなかっただろう」
結局アキセの思惑で事件を受けることになったジャンヌは、イラ立ちが止まらない。
あの後の話で、祭りが2日後にあり、それまでには終わらせてほしいと追加された。事件を起きている中で中止させるところが、ダリウスは今回の祭りに金をかけたらしく、中止ができないと必死な顔で言ってきた。
そんなこと知るか。こっちは仕事を休みたかったんだ。アキセのせいで。
「聞こえているのかー。おーい」
あまりにしつこく言うので、「あのね!」とアキセに向かって怒鳴る。
「私はね。付け上げられるのが大嫌いなの!」
人間が調子込んでいろいろと要求されるからだ。
「聖女が魔女を倒すのが当たり前じゃないのか」
確かに間違ってはいないが、その言い方に腹が立って仕方がない。
「これだけは言ってあげる!聖女が人間を助けるのは別にあるから!善意で助けているわけじゃないから!仕事だから!」
「聖女から言うセリフじゃねえな」
「世間で思っている清楚な聖女なんていないから、野蛮で面倒くさいから!」
「そん中に君が入っているわけ?」
「清楚じゃないけど、野蛮なことはしないわ。私」
「あんな戦いをした君が言うことか」
おそらくこの間戦ったしんくの魔女のことだろう。あの時は頭に血に上っていたため、少し野蛮な戦いをしてしまった。
「でも、どっちにしたってここに来るってことは、魔女狩りにきたんだろ」
「そうは限らないわよ」
そうと願いたい。少しは休みたいと思いながら歩いたジャンヌは、ふと一つの店に目に入る。もう夜遅く、店を片付けるところだ。その店は、光り輝く宝石を扱っているようだ。
宝石は、『光』と『呪い』を吸収する性質を持つ。エンジェライトは、『光』を吸収した光輝く宝石の総称。
「聖女様もエンジェライトが必要なんですか」
「おまえに話すことはない」
ジャンヌが歩き出す。
「エンジェライトで『光』を補充しているんだろう」
立ち止まる。
「聖女はあれだろ。聖女が魔女を倒せるのは、人で唯一『光』を扱える存在。世間ではあまり知られていないけど。聖女は、白女神(ヴァイス)の一部である日や月の『光』を吸収して力を得ている。天気で左右される時もあるから、その足りない分を『光』がたまったエンジェライトで補充している。そんなところだろ」
アキセは鼻を高くする。
「あんた、それどこで知ったの」
ジャンヌはアキセをにらみつける。
「企業秘密で」
肝心なところはやはり教えてくれない。
「あなたの魔術だって、『呪い』を込めたカースネロを使っているんでしょ」
「聖女も魔術の知識を持っていたんですね」
アキセはからかうように言う。
「馬鹿にしないでくれる」
魔術は、『呪い』を利用し、現象を起こすため、『呪い』を込めた宝石カースネロを使い、陣や記号を描き、魔術を発動する。
しかし、あの時は魔術を使っていない。あの時『光』の消失と回復が起きたのか。魔術を使った行為は見当たらなかった。魔術ではなくても、人間ができる技ではない。
この際聞いてみるか。話さないと思うが。
「あんた。この間の――」
ぎゃあああああああああああああああああああああああ。
突然、女の悲鳴がしたことで、言葉が途切れる。
悲鳴をした方へ走り出した先には、頭にバンダナを巻いた女が倒れていた。アキセが女の元に走り出し、呼吸を確認する。
「息がある」
ジャンヌは建物に映った大きい影を見る。その影は、蛇のような尾の形だった。影の尾はなびきながら町の奥へと入っていった。
「あんたは、その女を見ててな」
「おい!」
ジャンヌはアキセを無視して影を追いかける。
「ここね」
ジャンヌは影を見失いように追いかけ、着いた先は町外れにある古びた木造小屋だった。
どうやら巣らしい。
このまま入るのも危険だったので、
「よっと」
ロザリオを大きく横に振り、光の波動を小屋に向かって放つが、小屋から無数の蛇が光の波動に向かって飛び出す。蛇たちがぶつかったことで、光の波動は消えていく。ぼそぼそと蛇の死骸が地面に落ちる。
「蛇?」
小屋から物音がした。何かがジャンヌに向かって飛んでくる。
すかさず右へと飛ぶ。体制を戻し、相手の正体を確認する。
上半身が女性の体。下半身が蛇の尾。髪が無数の蛇。そして、『呪い』が広がっていた。
「そうあんたが今回の魔女ね」
ジャンヌは改めてロザリオを構える。
「殺し…て…くれ…」
「え?」
魔女は、まっすぐ飛びこんでくる。
ジャンヌはすかさず避け、流れるようにロザリオで魔女の首を落とす。
首と体が分裂した魔女は、それっきり動かなくなった。
魔女は、『呪い』を消耗し、『光』で浄化しなければ死体が残らず消えていくが、死体が残っていた。
「魔女じゃない…」
魔女だった死骸が別の姿を見せる。
下半身は、蛇の尾だったが、上半身の皮が破れ、緑色に体を覆われている。顔も人の顔ではなく、蛇の顔をしていた。
「獣人(デミ・ビースト)・・・」
蛇の獣人(デミ・ビースト)だった。
『呪い』の影響の一つ異形(デミ)化。
生物の体格、体質など変え、本来の身体能力を高める。魔族(アビス)と最も違うのが、魔力をもっていないこと。
獣人(デミ・ビースト)は、異形(デミ)化した獣がより人型に近づいた異形(デミ)種。
おそらく魔女は、似たような姿を持った種族を使い、自身の『呪い』のたまった皮をかぶせ、魔女もどきを作ったのだろう。
言っていた「殺してくれ」は、『呪い』が耐え切れず、解放されたかったのだろう。
「なんだ。もう事件解決か」
アキセが後からやってきた。
「出番なしか」
なぜかがっかりしている。
「助ける気あったんだ」
ジト目でアキセを見つめる。
「じゃあなきゃ、来ねえだろう」
ジャンヌは溜息を吐き、死体に向けて手を伸ばす。
「何するんで?」
「後処理」
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