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世界には六つの塔がある。古の偉大なる六人の魔法使いはそれぞれ魔法の力の濃い地に塔を建て空を支える役割を担わせたのだという。
あるいは森の深くに。あるいは湖のほとりに。あるいは不毛の砂漠に。あるいは火山のふもとに。あるいは凍土の丘に。あるいは鉱山地帯の側に。
塔には魔法使いの弟子達が集まり今も技の妙味を学びながら暮らしている。
火山のふもとの塔は魔法戦を盛んに行うことで有名であった。公式の魔法戦には観戦者が多数集まり、そこで動く金は塔の資金源となっている。コホラは十二歳の時から、この塔に身を置いている。今年で二十歳になる。
コホラの自室は塔の地下にあり、地下室特有の湿っぽい空気が漂っている。
一つ年下のラエがコホラの部屋のベッドに座っている。コホラが部屋に備え付けの浴室で後ろの処理をしてから服を着て部屋に戻るとラエは照れたように微笑んだ。
コホラはほの暗い気持ちになる。コホラが十八の時にラエの性欲処理を手伝ってから、互いにこのこじれた関係を助長し続けている。
コホラの身体は熱いモノを求めていた。
コホラはラエの顔を見ることもせずラエのズボンに手をかける。
「コホラ……先にキス、したいんだが」
ズボンを下げようとしたコホラにラエが言う。コホラは面倒くさそうにラエを見やったが、大人しくキスされるためにベッドの上に乗った。
「はいはい」
ベッドの上でお互いに向き合い、ラエはコホラを抱き締める。ラエに抱き締められてコホラがむずがるように顔を背けた。
「っ……」
「こっちを見てほしい。コホラ」
ラエがコホラの耳元に唇をつけてささやく。コホラがラエを見た。コホラの瞳が僅かに潤んで揺れている。
コホラの唇にラエは優しく触れた。触れるだけ、静かに押し当てるだけの唇がもどかしくてコホラは小さく口を開く。ラエの舌がコホラの口の隙間からゆっくり侵入する。舌を絡めて、コホラはラエの舌が熱いと思う。こんな熱いモノを向けているのか、と思う。上顎を舐められて背筋が痺れるような快感が伴う。これからラエに優しく蹂躙されるのだと思うと胸が震えた。ラエの唇がコホラのそれから離れる。唾液が口と口に糸を引いた。
「めいっぱい優しくする」
ラエの瞳が熱を含んでいる。
コホラの服をラエが脱がしていく。けして乱暴ではない、丁寧な脱がし方。
コホラはそれに自身の身体が昂るのを感じた。優しくされている。こんな自分を優しく扱う男がいる。
ラエに抱かれるとコホラの頭にちらつくのは過去の出来事であった。初めて男に抱かれた時のこと。ラエではない男。男の身勝手な抱き方に耐えるしかなかった自分。
全て言ってしまいたくなる。言ったら駄目だと分かっているから言わない。ただ、ラエに全てを言った時のことを考えるとゾクゾクしてしまう。
ラエがどのくらい傷付くか、見てみたい。
そんな願望がコホラにはある。
何も知らない男を丁寧にここまで育て上げた。それを全部壊せる気がする。壊してしまいたい気がする。
ラエがコホラの胸に触る。つんと立ち上がるそこを優しく摘まむ。
そこで感じるようにした男がいる。ラエじゃない誰かがコホラを胸で感じるようにした。
ラエがもう片方のそれを舐める。
「……っ、……あ」
コホラが小さく喘ぐ。ラエがコホラを見つめて笑う、嬉しそうに。
そんな顔されると本当に言ってしまいそうになる。
ラエが胸に吸い付く。
「ぁあっ……!」
コホラが声を上げる。演技ではないけれど、まだ、本気でもない、そんな声。ラエにも分かっている。ラエはじっくりと時間をかけてコホラをとろとろにするのが好きだ。
ラエが胸の尖ったそこを舐めたり、指で優しく触ったり、摘まんだり、押し潰したりする。コホラの様子を見ながら、どうしたら気持ち良いか分かりきったそこを優しく苛めていく。
「ぅ、……く、……ん!……っんぅ!、あ!……ラエ、……ラエ!!」
「気持ち良い?」
ラエにそう聞かれてコホラは何度も頷く。追い詰められると泣きそうになる。ラエはコホラのお腹をさすった。
「こっちでも気持ち良くなろう」
ラエが微笑む。この顔、全部知った気になって喜んでいる顔を見るとコホラは意地悪をしたくなる。
「ラエ、口でしたい」
コホラの言葉にラエは顔を赤らめた。そういうとこかわいいよな、とコホラは思う。
「お前の熱いやつ、口に欲しい」
舌をさらしてコホラは言う。ラエは小さく返す。
「君、……それやると本当に最後まで搾り取るくらいずっと咥え込むから……」
「口でするの好きなんだよ。駄目か?」
「今日は……駄目だ」
ラエが断った。潤滑液を手に取る。コホラは仕方なしにラエに従った。
ラエがコホラをうつぶせにする。膝を立てさせてラエが後ろの穴に指をあてがう。穴の縁を撫でられて、コホラは焦らされているような気分になる。穴を潤滑液でどろどろにされて少しずつ指が入ってくる。焦れったい感覚に中がきゅっとうごめく。じわじわ入ってくる指を中が絡めとろうとしているのがわかる。
「ん……ッ、……ぅう、っ、っ」
喉がひきつるような声が出た。やわやわと指が中の良いところに触れる。ゆっくり、優しく、何度も、繰り返し、ラエはコホラの気持ち良いように指を動かす。コホラは快感を逃がしたくて腰を弱々しく揺する。
気持ち良くなるのを嫌がれば、嫌がるほど、後から深い快楽が来てしまう。コホラはそれを知っている。でも、ラエから与えられる快楽をそのまま受け入れることは出来ない。
次第にそれは耐えきれないような快楽を連れてくる。中がひくつくのを抑えられなくなってくる。
「可愛いなコホラ。入れていいか?」
ラエが言う。コホラが肩越しにラエを見て頷くとラエは嬉しそうな顔をした。
「動物の腸管(避妊具、性病予防用具)、絶対着けろよ……」
コホラが息も絶え絶えになんとか言う。ラエはもちろんと頷いた。ラエはそれに腸管を装着する。
ゆっくりとコホラの中に太くて硬いそれが入ってくる。
「ぁ……ぁあ、っ……うぅ、ッ、んん……!」
中がすんなりラエの男の部分を受け入れる。ラエのそれがグスグスと小刻みに動く。やわやわと気持ち良いところを重点的に責められる。ラエはコホラの腰を掴んで逃げられないようにした上でコホラに快感を染み渡らせていく。
とろとろになったそこはもう気持ち良いことしか感じられなくなっていた。
「もっと……、もっと、欲しい……!」
「コホラ、可愛い。一緒に気持ち良くなろう」
ラエの動きが次第に大きくなる。気持ち良いところ全部に当たっている気がする。全部、気持ち良い。
「ラエ……!ぁ、ああ!あ!ああぁあ、あ、あぁ!」
コホラが震えながら声を上げた。達している感覚。快感が溢れてくる。ラエもコホラの中で達した。
あるいは森の深くに。あるいは湖のほとりに。あるいは不毛の砂漠に。あるいは火山のふもとに。あるいは凍土の丘に。あるいは鉱山地帯の側に。
塔には魔法使いの弟子達が集まり今も技の妙味を学びながら暮らしている。
火山のふもとの塔は魔法戦を盛んに行うことで有名であった。公式の魔法戦には観戦者が多数集まり、そこで動く金は塔の資金源となっている。コホラは十二歳の時から、この塔に身を置いている。今年で二十歳になる。
コホラの自室は塔の地下にあり、地下室特有の湿っぽい空気が漂っている。
一つ年下のラエがコホラの部屋のベッドに座っている。コホラが部屋に備え付けの浴室で後ろの処理をしてから服を着て部屋に戻るとラエは照れたように微笑んだ。
コホラはほの暗い気持ちになる。コホラが十八の時にラエの性欲処理を手伝ってから、互いにこのこじれた関係を助長し続けている。
コホラの身体は熱いモノを求めていた。
コホラはラエの顔を見ることもせずラエのズボンに手をかける。
「コホラ……先にキス、したいんだが」
ズボンを下げようとしたコホラにラエが言う。コホラは面倒くさそうにラエを見やったが、大人しくキスされるためにベッドの上に乗った。
「はいはい」
ベッドの上でお互いに向き合い、ラエはコホラを抱き締める。ラエに抱き締められてコホラがむずがるように顔を背けた。
「っ……」
「こっちを見てほしい。コホラ」
ラエがコホラの耳元に唇をつけてささやく。コホラがラエを見た。コホラの瞳が僅かに潤んで揺れている。
コホラの唇にラエは優しく触れた。触れるだけ、静かに押し当てるだけの唇がもどかしくてコホラは小さく口を開く。ラエの舌がコホラの口の隙間からゆっくり侵入する。舌を絡めて、コホラはラエの舌が熱いと思う。こんな熱いモノを向けているのか、と思う。上顎を舐められて背筋が痺れるような快感が伴う。これからラエに優しく蹂躙されるのだと思うと胸が震えた。ラエの唇がコホラのそれから離れる。唾液が口と口に糸を引いた。
「めいっぱい優しくする」
ラエの瞳が熱を含んでいる。
コホラの服をラエが脱がしていく。けして乱暴ではない、丁寧な脱がし方。
コホラはそれに自身の身体が昂るのを感じた。優しくされている。こんな自分を優しく扱う男がいる。
ラエに抱かれるとコホラの頭にちらつくのは過去の出来事であった。初めて男に抱かれた時のこと。ラエではない男。男の身勝手な抱き方に耐えるしかなかった自分。
全て言ってしまいたくなる。言ったら駄目だと分かっているから言わない。ただ、ラエに全てを言った時のことを考えるとゾクゾクしてしまう。
ラエがどのくらい傷付くか、見てみたい。
そんな願望がコホラにはある。
何も知らない男を丁寧にここまで育て上げた。それを全部壊せる気がする。壊してしまいたい気がする。
ラエがコホラの胸に触る。つんと立ち上がるそこを優しく摘まむ。
そこで感じるようにした男がいる。ラエじゃない誰かがコホラを胸で感じるようにした。
ラエがもう片方のそれを舐める。
「……っ、……あ」
コホラが小さく喘ぐ。ラエがコホラを見つめて笑う、嬉しそうに。
そんな顔されると本当に言ってしまいそうになる。
ラエが胸に吸い付く。
「ぁあっ……!」
コホラが声を上げる。演技ではないけれど、まだ、本気でもない、そんな声。ラエにも分かっている。ラエはじっくりと時間をかけてコホラをとろとろにするのが好きだ。
ラエが胸の尖ったそこを舐めたり、指で優しく触ったり、摘まんだり、押し潰したりする。コホラの様子を見ながら、どうしたら気持ち良いか分かりきったそこを優しく苛めていく。
「ぅ、……く、……ん!……っんぅ!、あ!……ラエ、……ラエ!!」
「気持ち良い?」
ラエにそう聞かれてコホラは何度も頷く。追い詰められると泣きそうになる。ラエはコホラのお腹をさすった。
「こっちでも気持ち良くなろう」
ラエが微笑む。この顔、全部知った気になって喜んでいる顔を見るとコホラは意地悪をしたくなる。
「ラエ、口でしたい」
コホラの言葉にラエは顔を赤らめた。そういうとこかわいいよな、とコホラは思う。
「お前の熱いやつ、口に欲しい」
舌をさらしてコホラは言う。ラエは小さく返す。
「君、……それやると本当に最後まで搾り取るくらいずっと咥え込むから……」
「口でするの好きなんだよ。駄目か?」
「今日は……駄目だ」
ラエが断った。潤滑液を手に取る。コホラは仕方なしにラエに従った。
ラエがコホラをうつぶせにする。膝を立てさせてラエが後ろの穴に指をあてがう。穴の縁を撫でられて、コホラは焦らされているような気分になる。穴を潤滑液でどろどろにされて少しずつ指が入ってくる。焦れったい感覚に中がきゅっとうごめく。じわじわ入ってくる指を中が絡めとろうとしているのがわかる。
「ん……ッ、……ぅう、っ、っ」
喉がひきつるような声が出た。やわやわと指が中の良いところに触れる。ゆっくり、優しく、何度も、繰り返し、ラエはコホラの気持ち良いように指を動かす。コホラは快感を逃がしたくて腰を弱々しく揺する。
気持ち良くなるのを嫌がれば、嫌がるほど、後から深い快楽が来てしまう。コホラはそれを知っている。でも、ラエから与えられる快楽をそのまま受け入れることは出来ない。
次第にそれは耐えきれないような快楽を連れてくる。中がひくつくのを抑えられなくなってくる。
「可愛いなコホラ。入れていいか?」
ラエが言う。コホラが肩越しにラエを見て頷くとラエは嬉しそうな顔をした。
「動物の腸管(避妊具、性病予防用具)、絶対着けろよ……」
コホラが息も絶え絶えになんとか言う。ラエはもちろんと頷いた。ラエはそれに腸管を装着する。
ゆっくりとコホラの中に太くて硬いそれが入ってくる。
「ぁ……ぁあ、っ……うぅ、ッ、んん……!」
中がすんなりラエの男の部分を受け入れる。ラエのそれがグスグスと小刻みに動く。やわやわと気持ち良いところを重点的に責められる。ラエはコホラの腰を掴んで逃げられないようにした上でコホラに快感を染み渡らせていく。
とろとろになったそこはもう気持ち良いことしか感じられなくなっていた。
「もっと……、もっと、欲しい……!」
「コホラ、可愛い。一緒に気持ち良くなろう」
ラエの動きが次第に大きくなる。気持ち良いところ全部に当たっている気がする。全部、気持ち良い。
「ラエ……!ぁ、ああ!あ!ああぁあ、あ、あぁ!」
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