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ラエは好きな人、コホラと四六時中魔法戦をする仲で、なんなら数年前からベッドも共にしてしまっている。ただ、付き合っているとは思えていない。
コホラに恋愛感情を匂わせたら何かしらラエに手痛い攻撃をしてきそうな気がする。ラエにはコホラを甘やかしたい時が多大にある。優しくしたい。ただ、おそらくコホラはそれを求めていない。
ベッドの中でこれから優しくするぞと気合いを入れるとコホラは何かしら水を差す言動をする。
そのため優しくない方がいいのかと思ってそういうアブノーマルなプレイをしたことがある。するまでは半信半疑というか、まさか酷くされたいとまではコホラも思わないだろう、と、ラエは考えていた。結果として、コホラは笑えないくらい乱れに乱れた。
初めてアブノーマルなプレイをした時、ラエはコホラの乱れ方に乗りきれなかった。それでもコホラが快楽に乱れる様は魅力的だったし機嫌良く「またこういうのしよう?」と言われると応えたくなった。
次第にエスカレートする行為にあのコホラが身も世もないくらい乱れるのを何度も経験して、こんなのは本当は駄目だ、駄目なのに、と思いながらラエはコホラに酷いことをするのに熱中していった。
コホラは首を絞めると喜ぶ。頸動脈を狙って意識を飛ばされるよりは気管を圧迫して息が出来ないようにされる方が好きなようだった。首を絞めながら性行すると中がひくんひくんと嬉しそうに絡み付いてくる。背中に爪を立ててコホラは涙目になりながら中に突き立てられた男の証を締め付けてくる。よがって身悶えて堪らず絶頂に達する。
首から手を離すと激しく咳き込んで肩で息をする。コホラは落ち着くまでベッドの上で仰向けに転がっていた。
「……ラエ、……気持ち良かった」
しばらくしてうっとりとコホラが言う。声が掠れている。コホラの自室でベッドの端に座っているラエは横たわるコホラを見やる。
首に手の形のアザがついている。ラエは顔を反らし、ぽつりと言った。
「君を殺してしまいそうな気がする」
ラエにはそれが怖い。コホラは息だけでふふ、と笑った。その笑い方はまるで殺されることを、死ぬことを肯定的に捉えているようだった。
「俺は君に死んでほしくない」
ラエは自分の気持ちを言うべきだと思った。本当はコホラを大切にしたいのだ。これ以上この行き過ぎた行為を続けていてはコホラを殺してしまう予感がある。この気持ちを拒まれてこの関係が終わってしまっても言うべきだ。
「コホラ、……好きだ」
「うっわ重すぎ」
茶化されるのは不服だった。ラエが何か言わなければと考えあぐねている間にコホラが言葉を続ける。
「お前は酷いことしたくないんだよな。わかったよ。もう頼まないからそれでいいだろ。あと言っておくけどお前とは恋人にならないから」
ラエが聞きたかったことに回答を出された。望ましいものではなかったけれど、ラエは食い下がることはしない。
「……わかった」
コホラはラエの恋人にはならない。仕方ない。ラエはコホラを好きだけれど、コホラは同じ気持ちではないみたいだから。
コホラに恋愛感情を匂わせたら何かしらラエに手痛い攻撃をしてきそうな気がする。ラエにはコホラを甘やかしたい時が多大にある。優しくしたい。ただ、おそらくコホラはそれを求めていない。
ベッドの中でこれから優しくするぞと気合いを入れるとコホラは何かしら水を差す言動をする。
そのため優しくない方がいいのかと思ってそういうアブノーマルなプレイをしたことがある。するまでは半信半疑というか、まさか酷くされたいとまではコホラも思わないだろう、と、ラエは考えていた。結果として、コホラは笑えないくらい乱れに乱れた。
初めてアブノーマルなプレイをした時、ラエはコホラの乱れ方に乗りきれなかった。それでもコホラが快楽に乱れる様は魅力的だったし機嫌良く「またこういうのしよう?」と言われると応えたくなった。
次第にエスカレートする行為にあのコホラが身も世もないくらい乱れるのを何度も経験して、こんなのは本当は駄目だ、駄目なのに、と思いながらラエはコホラに酷いことをするのに熱中していった。
コホラは首を絞めると喜ぶ。頸動脈を狙って意識を飛ばされるよりは気管を圧迫して息が出来ないようにされる方が好きなようだった。首を絞めながら性行すると中がひくんひくんと嬉しそうに絡み付いてくる。背中に爪を立ててコホラは涙目になりながら中に突き立てられた男の証を締め付けてくる。よがって身悶えて堪らず絶頂に達する。
首から手を離すと激しく咳き込んで肩で息をする。コホラは落ち着くまでベッドの上で仰向けに転がっていた。
「……ラエ、……気持ち良かった」
しばらくしてうっとりとコホラが言う。声が掠れている。コホラの自室でベッドの端に座っているラエは横たわるコホラを見やる。
首に手の形のアザがついている。ラエは顔を反らし、ぽつりと言った。
「君を殺してしまいそうな気がする」
ラエにはそれが怖い。コホラは息だけでふふ、と笑った。その笑い方はまるで殺されることを、死ぬことを肯定的に捉えているようだった。
「俺は君に死んでほしくない」
ラエは自分の気持ちを言うべきだと思った。本当はコホラを大切にしたいのだ。これ以上この行き過ぎた行為を続けていてはコホラを殺してしまう予感がある。この気持ちを拒まれてこの関係が終わってしまっても言うべきだ。
「コホラ、……好きだ」
「うっわ重すぎ」
茶化されるのは不服だった。ラエが何か言わなければと考えあぐねている間にコホラが言葉を続ける。
「お前は酷いことしたくないんだよな。わかったよ。もう頼まないからそれでいいだろ。あと言っておくけどお前とは恋人にならないから」
ラエが聞きたかったことに回答を出された。望ましいものではなかったけれど、ラエは食い下がることはしない。
「……わかった」
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