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お墓参り 編
甲府から京都へ
美奈歩は率先してお墓を磨き、長い時間手を合わせていた。
多分、亡くなったお母さんに言いたい事が沢山あったんだろう。
木崎家の祖父母は柏市に住んでいて、お邪魔してお仏壇に手を合わせたあと、近くの商業施設のフードコートでご飯を食べた。
私は長崎ちゃんぽんと言えば……、のお店で皿うどんをメインに、尊さんとシェアしてたこ焼きを食べ、食後にダブルのアイスクリームをペロリと食べる。
「久しぶりに見た……」
美奈歩が恐ろしいものを見る目を向けてきたけれど、慣れている。無問題。
「篠宮さん、やばくないです? この食欲」
美奈歩はドン引きした顔で尊さんに言うけれど、彼はすでに私の胃袋で洗脳したあとだ。
「いやぁ、これが朱里の普通と思ってるから」
「普通の女の子はこんなに食べませんからね!」
そんな美奈歩は、長崎ちゃんぽんのミニサイズと、アイスクリームを一つ食べていた。
「……痩せちゃうよ……?」
私はフッと微笑み、美奈歩の肩をポンと叩く。
「化け物」
その切り返しが塩を通り越して岩塩の塊だったので、お姉ちゃんちょっと泣いちゃった。
恵と言い、どうして私の周りの女の子は塩が多いんだろう。
まぁ、クネクネとしっかり者もいるけど……。
そのあと中央自動車道を通って三時間少しで甲府に着いた。
さらに京都まで行かないとならないので、サッとお墓参りして、父方の祖父母に挨拶する。
「よく来たねぇ」
元気な祖母の姿が見られ、私はホッとする。
「お義母さん、お元気なようで良かったです」
母が言い、継父や亮平たちは少し緊張した面持ちで会釈している。
「このあと、京都まで行く予定なので、サッとしかご挨拶できないんですが……」
母はそう言って、手土産を渡す。
「澄哉のお墓参りをしてくれて、ありがとうね」
当たり前だけれど、父の位牌は母が管理している。
上村家の仏壇には、私の父と亮平たちのお母さんの位牌が収められているけれど、そう珍しい事じゃないそうだ。
当初、美奈歩は代々の上村家の仏壇に、父の位牌が入る事に拒絶感を示していたけれど、今はそれもなくなったと思っている。
今の父は「家族だから」と強く主張し、毎日父も含めてお仏壇に手を合わせてくれている。
その様子を見ると、今の父が〝父〟になってくれて良かったなと感じていた。
祖父母に尊さんを紹介すると、祖母に「いい人を見つけたねぇ」とニヤニヤされてしまった。
少し話をして結婚式にはぜひ呼んでほしいと言われたあと、私たちは甲府を辞して京都へ向かった。
甲府から京都までは車で五時間ぐらいで、その頃になると助手席に座ってるだけの私もクタクタになっていた。
私たちは京都行きに当たって、別途ホテルをとるつもりでいたけれど、祖母に『この時期はホテル代も高騰してるし、もったいないから』と言われて、みんなで祖父母の家に泊まる事となった。
六人も泊まれるのか? という疑問があるのだけれど、母方の祖父母の家は結構大きかったりする。
家は左京区の北白川にあり、京都の中でも富裕層が住むエリアなんだそうだ。
祖父は地主である他にも、代々お漬物の店を営んでいて、私たちはいつも美味しいお漬物を送ってもらっている。
私の母は言葉だけなら標準語なんだけれど、イントネーションはちょいちょい京都の音になるし、ときどき京言葉が挟まる事もある。
けれど父の前の奥さんが関東圏の女性だった事もあり、亮平や美奈歩に〝違和感〟を与えないように、極力標準語に近づけて話すようになった。
それもひとえに、新しい家族に馴染もうとしての努力だったと思っている。
「相変わらずでっか……」
過去にも隠岐家に来た事がある美奈歩は、お屋敷を前にボソッと呟く。
この辺りはヴォーリズ建築という名前の洋館が多い地区で、レトロかつハイカラなお宅が多い。
京都と言えばしっとりとした和風の日本家屋をイメージするけれど、祖父母の家は手入れされた薔薇が自慢の洋館なのだ。
「こんばんは」
チャイムを押して少しすると中からドアが開き、母が祖母の顔を見て微笑む。
多分、亡くなったお母さんに言いたい事が沢山あったんだろう。
木崎家の祖父母は柏市に住んでいて、お邪魔してお仏壇に手を合わせたあと、近くの商業施設のフードコートでご飯を食べた。
私は長崎ちゃんぽんと言えば……、のお店で皿うどんをメインに、尊さんとシェアしてたこ焼きを食べ、食後にダブルのアイスクリームをペロリと食べる。
「久しぶりに見た……」
美奈歩が恐ろしいものを見る目を向けてきたけれど、慣れている。無問題。
「篠宮さん、やばくないです? この食欲」
美奈歩はドン引きした顔で尊さんに言うけれど、彼はすでに私の胃袋で洗脳したあとだ。
「いやぁ、これが朱里の普通と思ってるから」
「普通の女の子はこんなに食べませんからね!」
そんな美奈歩は、長崎ちゃんぽんのミニサイズと、アイスクリームを一つ食べていた。
「……痩せちゃうよ……?」
私はフッと微笑み、美奈歩の肩をポンと叩く。
「化け物」
その切り返しが塩を通り越して岩塩の塊だったので、お姉ちゃんちょっと泣いちゃった。
恵と言い、どうして私の周りの女の子は塩が多いんだろう。
まぁ、クネクネとしっかり者もいるけど……。
そのあと中央自動車道を通って三時間少しで甲府に着いた。
さらに京都まで行かないとならないので、サッとお墓参りして、父方の祖父母に挨拶する。
「よく来たねぇ」
元気な祖母の姿が見られ、私はホッとする。
「お義母さん、お元気なようで良かったです」
母が言い、継父や亮平たちは少し緊張した面持ちで会釈している。
「このあと、京都まで行く予定なので、サッとしかご挨拶できないんですが……」
母はそう言って、手土産を渡す。
「澄哉のお墓参りをしてくれて、ありがとうね」
当たり前だけれど、父の位牌は母が管理している。
上村家の仏壇には、私の父と亮平たちのお母さんの位牌が収められているけれど、そう珍しい事じゃないそうだ。
当初、美奈歩は代々の上村家の仏壇に、父の位牌が入る事に拒絶感を示していたけれど、今はそれもなくなったと思っている。
今の父は「家族だから」と強く主張し、毎日父も含めてお仏壇に手を合わせてくれている。
その様子を見ると、今の父が〝父〟になってくれて良かったなと感じていた。
祖父母に尊さんを紹介すると、祖母に「いい人を見つけたねぇ」とニヤニヤされてしまった。
少し話をして結婚式にはぜひ呼んでほしいと言われたあと、私たちは甲府を辞して京都へ向かった。
甲府から京都までは車で五時間ぐらいで、その頃になると助手席に座ってるだけの私もクタクタになっていた。
私たちは京都行きに当たって、別途ホテルをとるつもりでいたけれど、祖母に『この時期はホテル代も高騰してるし、もったいないから』と言われて、みんなで祖父母の家に泊まる事となった。
六人も泊まれるのか? という疑問があるのだけれど、母方の祖父母の家は結構大きかったりする。
家は左京区の北白川にあり、京都の中でも富裕層が住むエリアなんだそうだ。
祖父は地主である他にも、代々お漬物の店を営んでいて、私たちはいつも美味しいお漬物を送ってもらっている。
私の母は言葉だけなら標準語なんだけれど、イントネーションはちょいちょい京都の音になるし、ときどき京言葉が挟まる事もある。
けれど父の前の奥さんが関東圏の女性だった事もあり、亮平や美奈歩に〝違和感〟を与えないように、極力標準語に近づけて話すようになった。
それもひとえに、新しい家族に馴染もうとしての努力だったと思っている。
「相変わらずでっか……」
過去にも隠岐家に来た事がある美奈歩は、お屋敷を前にボソッと呟く。
この辺りはヴォーリズ建築という名前の洋館が多い地区で、レトロかつハイカラなお宅が多い。
京都と言えばしっとりとした和風の日本家屋をイメージするけれど、祖父母の家は手入れされた薔薇が自慢の洋館なのだ。
「こんばんは」
チャイムを押して少しすると中からドアが開き、母が祖母の顔を見て微笑む。
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