【R-18・連載版】部長と私の秘め事

臣桜

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中村家キャンプ 編

海水浴

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「ビーチについたら好きなだけ見させてもらうから」

「拝観料もらいますよ」

「お布施なら幾らでも……」

 ああ、駄目だこの人……。

 私たちはバッグや浮き輪、マットなどを持ち、孝兄、恭兄とも合流してビーチに向かった。

 母は一応水着を持って来ているものの、父とまったり過ごすそうだ。





「おー、海久しぶり」

 ビーチまで着くと、私たちは敷物を敷いて荷物で重しをする。

 涼さんが水着姿になると、体を鍛えている事だけが取り柄の兄貴たちは、しげしげと彼の体を見ている。

「凄いっすね、涼さん。イケメンで役員やってて、そこまで体作りできてるって、なかなか……」

「お二人も凄い体ですよ」

 男同士が褒め合っている図、キモい。

 私はラッシュガードと短パンを脱ぎ、浮き輪を持って海に向かう。

 前下がりボブはギリギリ結べる長さなので、ヘアピンも使って一本縛りにしてある。

「恵ちゃん待って」

 涼さんは後ろからフロートマットを持って追いかけてくる。

「涼さん、格好いいのに恵の忠犬みたいで……」

「恵~! リードを手放すなよ~!」

 バカ兄二人が何か言ってるけど、私は無視してザブザブと海に入っていった。

「恵ちゃん! 準備体操は!?」

「えっ? するんスか?」

「しないと!」

 大真面目な涼さんの圧に押され、私は「うっす」と頷いてビーチに戻る。

「馬鹿らしいかもしれないけど、水温に体がびっくりして、脚が攣ったり具合が悪くなる事もあるからね」

 そのあと、私たちは軽く準備運動をしたあと、改めて海に入っていった。

 大洗サンビーチは遠浅の綺麗な海で、私たちの他にも海を楽しむ人たちでいっぱいだ。

「恵ちゃん、浮き輪乗って。引っ張ってあげる」

「ありがとうございます」

 浮き輪の中にお尻を入れて座ると、涼さんは紐を引っ張って沖へ歩いていく。

「あー……、いっすね。楽です」

「天気もいいし、夏って感じがするよねぇ」

 周りにいる水着女子たちが、涼さんを見て「あの人格好いい~」と言い合っている。

「おっぱいボヨンボヨンのビキニギャルに逆ナンされたら、どうします?」

「どうもしないよ。興味ないし」

 その答えを聞いて少し安心しつつも、いじめてやりたい気持ちに駆られる。

「ボヨンボヨンのうっふんですよ?」

「どれだけ魅力的でも、彼女がいるのに声を掛けてくる、空気読めない人は相手にする価値ないよ」

「……まぁ、確かに……」

「それに、大きけりゃいいってもんじゃないでしょ? どれだけ美人でも、ナイスバディでも、性格が残念な女性は沢山知ってるし。もうそういうのは飽きたの」

 言ってから、涼さんはガッシ! と浮き輪を両手で持ち、回転させてきた。

「うわぁっ!」

「あっははははは! つまらない事を言うからだよ」

 涼さんは太陽のように笑ったあと、浮き輪の紐を掴んで回転を止める。

 そのあと、自分も持ってきたフロートマットに乗って寝そべった。

「……きもちーね。こうやって漂ってるの」

「二人で漂流したりして」

「無人島に一つ何か持っていくなら、恵ちゃんだなぁ……。子供も作れるし」

「はい、アウトー」

 私は涼さんの頬に、サムズアップした親指をぐいぐいと押しつける。

「いーじゃん。……あーあ、二週間ぐらいでいいから、本当になんもない所に行きたいなぁ……」

「秘書さんが泣きますよ」

尾野見おのみさんはどこまでも着いてきそうだな……。あの人、柔道やってるし、趣味は登山だし、体力お化けなんだよ……」

「上条さんじゃなくて?」

「尾野見さんは第一秘書で五十代半ばの男性。ま、お目付役みたいな感じかな。あちこち走り回るのは上条の役目」

「なんか可哀想、上条さん。こないだのデートでも運転手してくれましたもんね」

「ま、彼も仕事だと割り切ってるよ。雑用みたいな事をさせてしまってるけど、彼もキャリアを積む途中で必要な事と分かっているし。それにちゃんと相場以上の給料は払ってるからね」

「ならいいんですけど……」

 私はシュッとしたお兄さん、という印象の上条さんを思い出す。
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