【R-18・連載版】部長と私の秘め事

臣桜

文字の大きさ
805 / 812
グリーン島 編

ダイビング

しおりを挟む
「夜になる頃には、ブラックホールが誕生してるんじゃない?」

「恵まで! 遺憾なり~!」

 私がポカポカと彼女を叩くと、恵は声を上げて笑う。





 その後、私たちは酔い止めの薬を呑み、ウエットスーツに着替えるために、まずロッカーに荷物を預ける事になった。

 やっぱり海外のロッカーは変わっていて、使い方がよく分からないけれど尊さんと涼さんのアシストがあって何とかなった。

 暗証番号式なので鍵を持ち歩かなくていいけれど、その分タッチパネルで苦戦する事になる。

 最初の画面では上のほうに国旗が並んでいるので、日の丸マークをタッチ。

 すると二つあるボタンが日本語訳され、『これから使う人向け』『開けたい人向け』のボタンが出るので、開ける用をタッチ。

 利用時間が四時間か八時間を選べるので、今回はチラッとだけ楽しむ程度なので、四時間をタッチ。

 そしてお金を入れて、暗証番号に生年月日を入れるんだけれど、海外の場合日本と並びが異なるので、日付、月、年の順番に数字を入れないとならない。それをもう一回。

 最後に暗証番号の一部として、赤、白、紫、緑、青、黒、黄色の中から好きな色をタッチ。

 そうするとロッカーが開くので、荷物を入れて閉じればOK。

 使用時間中は、何回も開け閉めできるらしい。便利。

 更衣室に入り、私たちは水着に着替えたあと、その上にウエットスーツを着る。

 ウエットスーツは伸縮性があるけれどデリケートな、タイツみたいなものなので、片脚ずつ穿いて、少しずつ上に布を移動させて着ていく。

 腰ぐらいまで上げると、背中にベロみたいな当て布があるので、それを上げた状態で袖を通し、最後に長めのベルトがついているファスナーを引っ張る。

 ファスナーを上げたあと、三角形になっているカバーみたいなのがあるので、それを被せて終わりだ。

 着替え終わったあと、機材を背負って一度プールで練習しないとならない。

 ダイビングは命にも関わるアクティビティなので、いざという時にマスクに水が入った時や、耳抜きができなかったら参加できないのだ。

 プールでの練習を十五分終えたら、いよいよダイブサイトまでモーターボートで移動となる。

 尊さんと涼さんは慣れていて、ドボンと言っても大丈夫らしいけれど、私と恵はロープを辿って慎重に海中に下りていく。

 ウエットスーツを着ているから、肌に直接水が触れる事はないけれど、水圧でギュッと押される感覚がある。

 海の透明度はかなり高く、入ってすぐに色とりどりの魚が周りに泳いでいる。

(ファーッ!)

 そんな私たちの様子を、尊さんと涼さんはGoProで撮ってくれている。

 そのあと、私たちはインストラクターさんに案内され、色んな形の珊瑚を見てみたり、触っていい物を教えてもらったりしつつ、海中で記念撮影した。

 イソギンチャクの間からはファインディングな小さなお魚が見え隠れし、とても興奮する。

 小さな魚の群れは波の動きにつられるように、ふらー、ふらー、とたゆたっているので面白い。

 実質、海の中にいたのは三十分ぐらいだったけれど、実際は十分ぐらいに感じてしまった。

 そしてまた十分かけてグリーン島に戻り、シャワーを浴びて着替える。

「ふあーっ、お腹空いた! 水圧があったからさらに!」

「マジか。私はいつ朱里が海水ごと魚を吸うか、ヒヤヒヤしてた」

「もー!」

 じゃれ合っている私たちを尊さんと涼さんは笑って見守っている。

「明日が最終日だけど、十八時二十分フライトまで時間があるから、午前中はヘリに乗ろうと思ってる」

「わー! 素敵!」

 涼さんの提案に私は拍手し、恵もコクコクと頷いている。

「ヘリでのクルーズが終わったあと、後悔しないように買い物しておこう」

「例の買い物もな」

 尊さんに付け足され、私たちは「う……」と固まる。

「ま、ある程度の物を買ったら、残りの金は寄付ボックスに入れるのもアリだ」

「あ、それいいですね。動物保護の寄付ボックス、あちこちにありますし」

「空港にもあるから、最後はな、パーッと」

 そう言って尊さんは、お金を撒くジェスチャーをする。

「よっ、プレジデント・ミコ!」

「誰が大統領だ」

 尊さんに突っ込まれ、私はケラケラと笑う。
しおりを挟む
感想 2,618

あなたにおすすめの小説

黒瀬部長は部下を溺愛したい

桐生桜
恋愛
イケメン上司の黒瀬部長は営業部のエース。 人にも自分にも厳しくちょっぴり怖い……けど! 好きな人にはとことん尽くして甘やかしたい、愛でたい……の溺愛体質。 部下である白石莉央はその溺愛を一心に受け、とことん愛される。 スパダリ鬼上司×新人OLのイチャラブストーリーを一話ショートに。

巨乳すぎる新入社員が社内で〇〇されちゃった件

ナッツアーモンド
恋愛
中高生の時から巨乳すぎることがコンプレックスで悩んでいる、相模S子。新入社員として入った会社でS子を待ち受ける運命とは....。

拾った年上侯爵が甘え上手すぎて、よしよししてたら婚約することになりました

星乃和花
恋愛
⭐︎火木土21:00更新ー本編8話・後日談8話⭐︎ 王都の市場で花屋をしているリナは、ある朝―― 路地裏で倒れている“美形の年上男性”を拾ってしまう。 熱で弱っているだけ……のはずが、彼はなぜか距離が近い。 「行かないで」「撫でて」「君がいると回復する」 甘えが上手すぎるうえに、褒め方までずるい。 よしよし看病してあげていたら、いつの間にか毎日市場に現れるようになり、 気づけば花屋は貴族の面会所(?)になっていて―― しかも彼の正体は、王都を支える侯爵家の当主だった!? 「君は国のために必要だ(※僕が倒れるから)」 年上当主の“甘え策略”に、花屋の心臓は今日ももたない。 ほのぼの王都日常コメディ×甘やかし捕獲ラブ、開幕です。

たとえ夜が姿を変えても ―過保護な兄の親友は、私を逃がさない―

佐竹りふれ
恋愛
重なる吐息、耳元を掠める熱、そして——兄の親友の、隠しきれない独占欲。 19歳のジャスミンにとって、過保護な兄の親友・セバスチャンは、自分を子供扱いする「第二の兄」のような存在だった。 しかし、初めてのパーティーの夜、その関係は一変する。 突然降ってきた、深く、すべてを奪うような口づけ。 「焦らず、お前のペースで進もう」 そう余裕たっぷりに微笑んだセバスチャン。 けれど、彼の言う「ゆっくり」は、翌朝には早くも崩れ始めていた。 学内の視線、兄の沈黙、そして二人きりのアパート――。 外堀が埋まっていくスピードに戸惑いながらも、ジャスミンは彼が隠し持つ「男」の顔に、抗えない好奇心を抱き始める。 「……どうする? 俺と一緒に、いけないことするか?」 余裕の仮面を被るセバスチャンに、あどけない顔で、けれど大胆に踏み込んでいくジャスミン。 理性を繋ぎ止めようとする彼を、翻弄し、追い詰めていくのは彼女の方で……。 「ゆっくり」なんて、ただの建前。 一度火がついた熱は、誰にも止められない。 兄の親友という境界線を軽々と飛び越え、加速しすぎる二人の溺愛ラブストーリー。

ちょっと大人な物語はこちらです

神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な短編物語集です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

遺産は一円も渡さない 〜強欲な夫と義実家に捨てられた私、真の相続人と手を組み全てを奪い返す~ (全10話)

スカッと文庫
恋愛
「お前の価値なんて、その遺産くらいしかないんだよ」 唯一の肉親だった祖父を亡くした夜、夫の健一と義母から放たれたのは、あまりにも無慈悲な言葉だった。 四十九日も待たず、祖父が遺した1億2000万円の遺産をアテに贅沢三昧を目論む夫。だが、彼には隠し通している「裏切り」があった――。 絶望の淵に立たされた由美の前に現れたのは、亡き祖父が差し向けた若き凄腕弁護士・蓮。 「おじい様は、すべてお見通しでしたよ」 明かされる衝撃の遺言内容。そして、強欲な夫たちを地獄へ叩き落とすための「相続条件」とは? 虐げられてきた妻による、一発逆転の遺産争奪&復讐劇がいま幕を開ける!

行き遅れ王女、重すぎる軍団長に肉で釣られる

春月もも
恋愛
25歳、独身、第四王女システィーナ。 夜会でも放置されがちな行き遅れ王女の前に、ある夜突然現れたのは、ローストビーフを差し出す重すぎる第三軍団長だった。 形のない愛は信じない。 でも、出来立ての肉は信じてしまう。 肉に釣られ、距離を詰められ、気づけば下賜され、そして初夜へ。 これは、行き遅れ王女が重たい愛で満たされるまでの、ちょっとおかしなお話。

「君はいらない」と捨てられた夜、天敵の冷徹社長に「なら、俺が貰う」と拾われました。――手を出さない約束でしたが、彼の理性が限界のようです

葉山 乃愛
恋愛
【婚約破棄から始まる、不器用なライオン(冷徹社長)の猛烈な求愛!】 「俺の妻になるなら覚悟しろ。……もう、指一本逃がすつもりはない」 ★あらすじ★ 「美月は完璧すぎて、可愛げがないんだよ」 28歳の誕生日。 一流ホテルのウエディングプランナーである相沢美月(あいざわ みつき)は、婚約者の裏切りにより、結婚目前ですべてを失った。 雨の降る路地裏。 ヒールも折れ、心も折れてうずくまっていた美月の前に現れたのは、かつての高校時代の天敵であり、現在は勤務先の冷徹な社長 一条蓮(いちじょう れん)だった。 「捨て猫以下だな」 そう憎まれ口を叩きながらも、彼は泥だらけの美月を躊躇なく抱き上げ、最高級ペントハウスへと連れ帰る。 そして、彼が突きつけたのは、あまりにも強引な提案だった。 「住む場所がないなら、俺の家に来い。その代わり――俺の『婚約者』役を演じろ」 利害の一致した契約関係。 条件は「お互いに干渉しないこと」、そして「決して手を出さないこと」。 ……のはずだったのに。 「髪、濡れたままだと風邪を引く」 「あんな男のために泣くな。顔が台無しだ」 同居生活で見えてきたのは、冷徹な仮面の下に隠された、不器用すぎるほどの優しさと独占欲。 美月が作った手料理を誰よりも美味しそうに食べ、元婚約者が復縁を迫ってくれば「俺の女に触れるな」と徹底的に排除する。 天敵だったはずの彼に守られ、凍っていた美月の心は次第に溶かされていく。 しかし、ある雷雨の夜。 美月が不用意に彼に触れた瞬間、一条の理性のタガが外れてしまい――。 「……手を出さない約束? 撤回だ」 「そんな無防備な顔で見つめて、何もしないでいられるほど、俺は聖人君子じゃない」 10年越しの片思いをこじらせたハイスペック社長 × 仕事熱心で恋愛に臆病なプランナー。 契約から始まった二人の関係が、本物の愛(溺愛)に変わるまで。 元婚約者への痛快な「ざまぁ」も収録した、極上の大人のシンデレラストーリー! 【登場人物】 ◆相沢 美月(28) ホテルの敏腕ウエディングプランナー。真面目でお人好しな性格が災いし、「つまらない女」と婚約破棄される。実は家事万能で、酔うと少しだけ甘えん坊になる(本人は無自覚)。 ◆一条 蓮(28) ホテルグループの社長。美貌と才覚を併せ持つが、他人に興味を示さないため「氷の貴公子」と呼ばれる。実は高校時代から美月を一途に想い続けており、彼女のこととなると冷静さを失う。

処理中です...